金融

自民党圧勝なのになぜ円高に動いたのか?為替市場の本当のロジックを徹底解説

2026年2月11日

選挙直後に円高へ動いた事実と為替市場の本質

2026年2月8日の衆院選で自民党が歴史的な大勝を収めました。
市場では事前に積極財政路線の継続が意識されており、多くの投資家は円安進行を想定していました。

しかし実際のドル円相場は、157円台から156円台へと円高方向に動きました。
これは表面的な政治ニュースだけでは説明できません。為替市場の本質を理解する必要があります。

まずはこちらをご覧ください👇

https://youtu.be/VgQhsWIuXp4

為替は政治結果そのものではなく、期待との差で動きます。
市場は常に未来を先取りして価格に織り込みます。選挙前から自民党優勢は広く報道されており、圧勝シナリオは既に相場に反映されていました。

為替市場では予想通りの結果が出ると、逆方向に動くことがあります。
これは材料出尽くしと呼ばれます。事前に積み上がっていた円売りポジションの利益確定が進み、結果として円高が進行しました。

また、為替相場は複数の力が同時に作用する市場です。
金利差、政府の政策方針、中央銀行のスタンス、ポジション状況、そして為替介入への警戒感が複雑に絡み合います。

特に今回重要だったのは、157円台後半という水準でした。
市場では1ドル160円が政府の防衛ラインとして強く意識されています。この水準が近づくと、円売りを続けるリスクが高まります。

政治的安定は本来通貨にプラス要因です。
単独で法案を通せる議席を確保したことで政策不透明感は低下しました。これはリスクプレミアムの低下を通じて円買い材料にもなります。

つまり今回の円高は矛盾ではありません。
圧勝という事実よりも、織り込み済みだったこと、ポジション調整、介入警戒、政治安定の評価という複数の要素が同時に作用した結果です。

為替市場は常に二段階で動きます。
第一段階は期待で動き、第二段階は結果確認後の調整で動きます。今回の円高は後者に該当します。

自民党圧勝でなぜ円高に動いたのか。
答えは単純な政策連想ではなく、市場の構造そのものにあります。

次章では、織り込み済みがどのように価格形成を歪め、結果として円高を生んだのかを具体的に解説します。


織り込み済みとは何か 市場が先に動くメカニズム

為替市場を理解する上で最も重要な概念が織り込みです。
市場価格は現在ではなく、将来予想を反映して形成されます。

今回の衆院選では、投開票前の段階から自民党優勢は広く報道されていました。
複数のメディアが単独過半数、さらには3分の2確保の可能性を指摘しており、投資家の間では圧勝シナリオが事実上のメインケースになっていました。

為替市場では、結果そのものよりも予想との差が重要です。
想定より強い結果なら円安、想定通りなら材料出尽くし、想定より弱いなら円高という動きになりやすい構造があります。

今回は想定通り、あるいはほぼ想定内の結果でした。
そのため選挙前に積み上がっていた円売りポジションが利益確定の対象となりました。

ポジション調整とは、保有している通貨をいったん手放す動きです。
選挙前に円売りドル買いを積み上げていた投資家が、結果確認後にドルを売って円を買い戻します。これが円高圧力になります。

為替市場は投機ポジションの影響を強く受けます。
政治イベント前は不確実性が高まりポジションが偏りやすく、イベント通過後はその偏りが解消される傾向があります。

また、短期筋と呼ばれる投資家はイベントドリブンで動きます。
選挙という大きな材料が終了すると、次のテーマへ資金を移動させます。その過程で為替は逆方向に振れやすくなります。

つまり自民党圧勝は円安材料でしたが、それはすでに事前に価格へ反映されていました。
結果発表後に新たなサプライズがなければ、ポジション解消が優勢になります。

為替はニュースに反応しているようで、実際は期待値に反応しています。
今回の円高は政治評価の否定ではなく、事前に織り込まれたシナリオの後処理です。

次章では、最大の円高要因となった為替介入警戒がどのように相場に影響したのかを詳しく解説します。


為替介入への警戒感が円高を引き起こした構造

今回の円高局面で最も強く意識されたのは、政府による為替介入への警戒感です。
ドル円が157円台後半に到達したことで、市場参加者の間では介入リスクが急速に高まりました。

為替介入とは、政府や財務省が為替市場で通貨を売買する行為です。
円安が急速に進行した場合、日本政府はドル売り円買いを行い、円高方向へ相場を押し戻すことがあります。

過去にも日本は急激な円安局面で介入を実施してきました。
市場はその経験を記憶しており、一定水準を超えると自発的に円売りを控える動きが出ます。

今回注目されたのは160円という水準です。
市場ではこの価格帯が心理的な防衛ラインとして強く意識されています。157円台後半はその直前にあたります。

さらに財務当局の発言も円高圧力となりました。
必要に応じて市場とコミュニケーションを取るという発言は、為替市場に対する牽制と受け取られます。

また市場ではレートチェックと呼ばれる動きも意識されました。
これは介入前に金融機関へ為替レートを確認する行為で、過去の介入局面でも見られた兆候です。

為替市場では実際に介入が行われなくても、警戒感だけでポジション調整が起こります。
投資家は介入に巻き込まれるリスクを避けるため、ドル買いを縮小し円を買い戻します。

このように介入リスクが高まる局面では、円売りは利益が限定され、損失リスクが拡大します。
リスクリワードが悪化すると市場参加者は自然と円売りを控えます。

自民党圧勝という政治材料よりも、157円台後半という価格水準の方が市場に与える影響は大きかったと言えます。
為替は水準と政策シグナルに敏感に反応します。

結果として、介入そのものではなく介入への警戒が円高を促しました。
次章では、財政政策への思惑がどのように円高材料へ転じたのかを解説します。


財政拡大観測がなぜ円高材料になったのか

通常、積極財政は通貨安材料と考えられます。
財政支出が拡大すれば国債発行が増え、金利上昇や通貨価値の希薄化が意識されるためです。

しかし今回の円高局面では、財政拡大観測が必ずしも円安にはつながりませんでした。
その背景には政治安定と政策実行力の両面があります。

自民党は衆院で単独3分の2を超える議席を確保しました。
これにより法案成立の不確実性が大きく低下しました。市場にとって不確実性の低下はリスクプレミアムの縮小を意味します。

為替市場では政治的混乱や政権基盤の弱さは通貨安要因になります。
逆に政権が安定し政策決定が迅速に行える環境は通貨の信認向上につながります。

さらに、市場の一部では消費税減税などの大型財政政策が修正される可能性も意識されました。
圧倒的多数を得たことで、党内調整を通じて財政拡張が抑制されるとの見方が浮上しました。

この思惑は国債市場にも影響を与えます。
財政拡張が限定的であれば国債増発リスクは抑制され、長期金利の急騰懸念も和らぎます。

金利上昇リスクが後退すれば、日本国債への信認は維持されます。
結果として円売りの材料が弱まり、円高方向へ圧力がかかります。

為替市場は単純な財政拡張イコール円安という構図では動きません。
財政規律への評価、国債需給、中央銀行のスタンス、国際金利差などを総合的に判断します。

今回の局面では、財政拡張そのものよりも、その実行可能性や修正可能性に市場が注目しました。
それが円安期待の過熱を冷まし、円高への反転を後押ししました。

次章では、金利差と日銀の政策スタンスが為替に与える影響について詳しく解説します。


金利差と日銀の政策スタンスが為替に与える影響

為替相場を長期的に左右する最も重要な要因は金利差です。
通貨は金利の高い国へ資金が流れやすい性質を持ちます。これを金利差要因と呼びます。

ドル円相場では、米国と日本の金利差が常に注目されています。
米国金利が上昇すればドル高円安、日本金利が上昇すれば円高方向に動きやすくなります。

今回の円高局面では、日本側の金融政策が改めて意識されました。
日銀は量的緩和の縮小、いわゆる出口戦略を段階的に進めています。

国債買い入れ額の減額は、市場に対して金融緩和の縮小シグナルを送ります。
これは将来的な金利上昇期待につながります。

市場が金利差縮小を織り込めば、ドル買いの勢いは弱まります。
米国の金利が横ばい、あるいは低下する局面ではなおさらです。

また、自民党圧勝により財政政策の安定性が高まったことで、日銀が金融政策を正常化しやすい環境が整ったとの見方も出ました。
政治的不安定があると中央銀行は慎重になりますが、安定政権は政策運営の自由度を高めます。

金利差の変化は徐々に為替へ反映されます。
短期的なイベント要因とは異なり、金利差はトレンドを形成します。

今回の円高は一時的なポジション調整と介入警戒が主因ですが、金利差縮小期待が下支え要因となりました。
これにより円高方向への動きが強まりました。

為替市場は政治、財政、金融政策が同時に絡み合う場です。
どれか一つではなく、複合要因で動きます。

次章では、今後の円相場のシナリオと注目すべきポイントを整理します。


今後の円相場のシナリオと注目ポイント

自民党圧勝後の円高は一時的な調整なのか、それともトレンド転換の兆しなのかが市場の最大の関心事です。
結論から言えば、短期と中長期で分けて考える必要があります。

短期的には、介入警戒とポジション調整が主因でした。
157円台後半という水準は市場にとって心理的節目でした。今後も160円付近では円売りが抑制されやすい構造が続きます。

一方で、中期的には金利差が方向性を決めます。
米国の金融政策が利下げ方向へ進めば、日米金利差は縮小します。金利差縮小は円高圧力になります。

逆に、米国金利が高止まりし、日本の金利上昇が限定的であれば、ドル高円安基調は維持されます。
この場合、今回の円高は調整局面にとどまります。

次に注目すべきは政府の財政運営です。
消費税減税を含む政策がどのように具体化されるかで、国債市場の評価が変わります。財源の裏付けが明確であれば市場の信認は維持されます。

また、日銀の国債買い入れ減額ペースも重要です。
買い入れ減額が加速すれば長期金利が上昇し、円高圧力が強まります。

市場は常に複数の要因を同時に織り込みます。
政治安定は円にとってプラス材料ですが、財政拡張は円安材料にもなります。これらが綱引きを続けます。

現時点では、大局的な円安トレンドが完全に転換したとは言えません。
ただし、160円を超える局面では政策リスクが急速に高まるため、上値は限定されやすい環境です。

自民党圧勝でなぜ円高になったのかという疑問の答えは、市場の構造にあります。
織り込み、介入警戒、金利差、政治安定という複数の力が同時に作用した結果です。

為替は単純なニュースでは動きません。
価格は常に未来を映します。今後の円相場も、政策と金利差の変化を先取りして動くことになります。

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