※本ページはプロモーションが含まれています。

長期金利が3%になると、NISAはやめた方がよいのでしょうか。不動産は値下がりするまで待つべきなのでしょうか。
2026年9月2日、財務省が公表する10年国債金利は3.006%となりました。9月1日の10年国債入札でも平均利回りは2.995%、募入最高利回りは3.011%です。日本の長期金利は、話題としての「3%目前」ではなく、実際に3%近辺へ入ったと確認できます。
ただし、10年国債の利回りが3%だからといって、普通預金、変動型住宅ローン、固定型住宅ローンまで一斉に3%になるわけではありません。NISAも「3%の金利が付く口座」ではなく、投資の利益を非課税にする税制上の口座です。影響を正しく判断するには、何の金利が動き、どの商品へどう伝わるかを分ける必要があります。
先に結論
- NISAは制度変更ではありません。保有する株式、投資信託、REITの価格や為替を通じて影響します
- 長期金利3%は固定型住宅ローンに波及しやすく、2026年9月のフラット35の代表的な金利は年3.460%です
- 4,000万円を35年で借りる単純試算では、年2%から年3%になると毎月返済は約2万1,400円増えます
- 不動産価格には下押し材料ですが、建築費、賃料、供給、立地も動くため、全国一律の値下がりを意味しません
- 預金や新しく買う債券には追い風です。ただし、10年国債3%と預金金利は別物です
- 対応の中心は相場予想ではなく、住宅購入時期と投資期間に合わせて現金を分けることです
この記事は2026年9月4日時点で確認できる一次情報を基にしています。金利や商品の条件は日々変わるため、申し込み時には金融機関の最新条件を必ず確認してください。
長期金利3%の最新状況
日本で一般に「長期金利」と呼ぶときは、新発10年国債の流通利回りを指すことが多くあります。財務省の国債金利情報では、2026年9月2日の10年金利は3.006%でした。
前日の10年利付国債第383回の入札結果は、表面利率が年2.7%、募入平均利回りが2.995%、募入最高利回りが3.011%です。表面利率と利回りが違うのは、額面100円の債券が100円と異なる価格で発行・売買されるためです。
| 指標 | 2026年9月の確認値 | 何を表すか |
|---|---|---|
| 10年国債金利 | 3.006% | 9月2日の財務省公表値 |
| 10年国債入札の平均利回り | 2.995% | 9月1日の落札平均 |
| 同入札の最高利回り | 3.011% | 募入最低価格に対応する利回り |
| 政策金利 | 1.0%程度 | 日銀が誘導する翌日物の短期金利 |
| フラット35の最頻金利 | 3.460% | 借入21年以上35年以下、融資率9割以下 |
日本銀行は2026年7月31日の金融政策決定会合で、無担保コールレートを1.0%程度で推移させる方針を決めました。したがって、長期金利3%と政策金利1%は同時に存在します。期間と決まり方が違うからです。
4種類の金利を混同しない
| 金利 | 主な決まり方 | 家計との関係 |
|---|---|---|
| 政策金利 | 日銀の金融政策 | 預金、短期貸出、変動型ローンへ波及しやすい |
| 長期金利 | 将来の短期金利予想、物価、国債需給など | 固定型ローン、社債、株や不動産の評価へ影響 |
| 預金金利 | 各銀行の資金需要と商品戦略 | 受取利息が増える可能性 |
| 住宅ローン金利 | 市場金利、調達費用、審査、手数料、競争 | 毎月返済と総返済額を左右 |
日銀の国債金利の解説にある通り、債券価格と利回りは逆方向に動きます。市場金利が上がれば、低い利率で発行済みの債券は相対的な魅力が下がり、価格が下がりやすくなります。これが債券投資で最初に押さえる原則です。
なぜ長期金利が3%まで上がったのか

長期金利は一つの材料だけで決まりません。将来の政策金利に対する予想、物価見通し、経済成長、国債の発行と買い手の需給、海外金利、保有期間が長いことへの上乗せ利回りが重なります。
日銀の2025年度の金融市場調節は、2025年度の長期金利上昇について、政策金利の引き上げ、堅調な経済・物価指標、原油高によるインフレ警戒などを挙げています。また、長期国債買い入れは減額が進みました。国債を大きく買ってきた日銀の買い入れ縮小は、需給を考えるうえで無視できません。
| 上昇要因 | 金利へ伝わる考え方 | 反対方向の材料 |
|---|---|---|
| 利上げ予想 | 将来の短期金利の平均が高く見積もられる | 景気悪化や利下げ観測 |
| 物価上昇 | お金の実質価値低下を補う利回りが求められる | 物価上昇率の鈍化 |
| 国債供給の増加 | 買い手を集めるため利回りが必要になる | 発行減額や強い投資需要 |
| 日銀買い入れの減額 | 大口の安定した買い手の需要が縮小する | 臨時オペや買い入れ増額 |
| 海外金利上昇 | 日本国債にも相対的に高い利回りが求められる | 海外の利下げや安全資産需要 |
最新の物価については、総務省統計局の2026年7月の全国消費者物価指数で、総合が前年同月比1.9%、生鮮食品を除く総合が1.8%上昇しています。一方、日銀の2026年7月展望レポートのハイライトは、2026年度の生鮮食品を除く消費者物価の見通しを2.5%としています。現在値と将来予想のどちらを見るかでも金利の評価は変わります。
長期金利3%の影響を一覧で確認
| 対象 | 主な影響 | 注意点 |
|---|---|---|
| NISAの株式 | 高い割引率が株価評価の重荷になり得る | 利益成長が強ければ上昇することもある |
| NISAの海外資産 | 円高なら円換算価格の重荷になり得る | 為替は内外金利差だけで決まらない |
| 国内債券ファンド | 既存債の価格は下落しやすい | 再投資利回りは改善する |
| 固定型住宅ローン | 新規借入金利が上がりやすい | 実行時金利か申込時金利かを確認 |
| 変動型住宅ローン | 政策金利や短期プライムレート経由で影響 | 長期金利と同じ幅では動かない |
| 不動産価格 | 買える価格と投資家の採算を下押し | 供給不足や賃料上昇が支える場合もある |
| 預金と新発債 | 提示利率の改善が期待できる | 預金金利が3%になる意味ではない |
長期金利3%でNISAはどうなるか
結論からいうと、長期金利が3%になってもNISAの非課税制度が縮小するわけではありません。NISAは税制上の口座であり、値動きは中に入っている商品で決まります。同じNISAでも、国内高配当株、米国株インデックス、REIT、国内債券を含むバランスファンドでは影響が異なります。
金融庁のNISA特設サイトによれば、NISA口座で投資した金融商品から得られる利益は非課税です。非課税保有期間は無期限で、年間投資枠はつみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円です。金利上昇はこの枠組みを直接変更しません。
NISAの保有商品別に見る影響
| 保有商品 | 金利上昇局面の見方 | 確認する項目 |
|---|---|---|
| 全世界株式 | 日本金利だけでなく世界景気と海外金利の影響が大きい | 投資期間、株式比率、為替 |
| 米国株式 | 米国金利と企業利益が中心。円高は円換算価格に逆風 | 為替ヘッジ、地域集中 |
| 日本株式 | 高PER銘柄には逆風、金融株には追い風となる場合 | 業種、借入金、価格転嫁力 |
| 高配当株 | 安全資産利回りとの差が縮むと相対魅力が低下 | 減配余地、財務、配当成長 |
| REIT | 調達費用上昇と利回り比較が逆風 | 借入期間、固定比率、賃料成長 |
| バランスファンド | 株と債券が同時に下がる局面もある | 債券年限、国内外比率 |
株価に効くのは金利だけではない
株価は将来の利益や配当を現在価値へ割り引いて評価されます。安全資産の利回りが上がると、株式に求める収益率も上がりやすく、同じ利益見通しなら理論上の評価額は低くなります。特に利益の多くを遠い将来に期待する成長株は、割引率上昇の影響を受けやすいと考えられます。
一方で、金利が上がる背景が賃金上昇、需要拡大、企業利益の成長であれば、利益予想の増加が割引率上昇を上回ることもあります。銀行は貸出利ざやが改善する可能性があり、保険会社は新たな債券を高い利回りで運用しやすくなります。ただし、保有債券の評価損、資金調達費用、貸し倒れ増加という逆風もあるため、「金利上昇なら金融株」と単純化はできません。
| 株価への経路 | 下押し要因 | 支える要因 |
|---|---|---|
| 企業価値 | 割引率の上昇 | 利益と配当の成長 |
| 企業収益 | 借入費用の増加 | 値上げ、賃金、需要の増加 |
| 投資家需要 | 預金や国債への資金移動 | 株式の成長期待 |
| 為替 | 円高なら輸出企業に逆風となる場合 | 輸入コストの低下 |
海外株は円高リスクも点検する
日本の金利上昇で海外との金利差が縮小すれば、円高材料になることがあります。為替ヘッジなしの海外株式ファンドは、現地株価が変わらなくても円高になると円換算の基準価額が下がります。たとえば1ドル150円から135円へ10%円高になれば、ドル建て資産の価格が同じという単純条件では、円換算額は約10%減ります。
ただし、為替は貿易収支、資本移動、海外の政策金利、地政学リスク、市場心理でも動きます。日本の長期金利が3%になっただけで円高方向が確定するわけではありません。積み立て中の人は円高局面で同じ円額から多くの外貨資産を買える面もあります。
| ドル建て資産1万ドル | 円換算額 | 150円時との差 |
|---|---|---|
| 1ドル150円 | 150万円 | 基準 |
| 1ドル142.5円 | 142万5,000円 | マイナス5% |
| 1ドル135円 | 135万円 | マイナス10% |
| 1ドル165円 | 165万円 | プラス10% |
上表は為替だけの感応度を見る単純例です。手数料、税金、現地資産の値動きは含みません。
NISAを売る前に知っておくべき制度
長期金利3%を理由にNISAの商品を売っても、値下がりが止まる保証はありません。逆に、売却後すぐ反発すれば非課税の上昇を取り逃す可能性があります。制度面では、金融庁のNISAよくある質問が、売却した商品の簿価分の非課税保有限度額を翌年以降に再利用できると説明しています。時価ではなく取得価額で復活し、同じ年の年間投資枠が増えるわけではありません。
また、NISA口座の損失は税務上ないものとみなされるため、課税口座の利益や配当との損益通算、損失の繰越控除はできません。含み損だから売ってはいけないという意味ではありませんが、課税口座と同じ節税効果を期待しないことが重要です。
| 判断 | 確認すべきこと | よくある誤解 |
|---|---|---|
| 積み立て継続 | 生活防衛資金と投資期間が十分か | 下落時は積み立てに意味がない |
| 積立額を減らす | 住宅頭金や諸費用が近く必要か | 枠は毎年満額にしないと損 |
| 一部売却 | 使途、期限、売却後の配分 | 売却枠は同年中に全額復活 |
| 全部売却 | 運用目的そのものが変わったか | NISAの損失は損益通算できる |
3年以内に住宅の頭金として使う予定のお金を株式100%で持っているなら、金利が3%かどうかより資金の期限が問題です。反対に、老後まで20年以上使わない資金を広く分散して積み立てているなら、金利の節目だけで方針を変える合理性は限定的です。
長期金利3%と債券投資の関係
金利上昇は、すでに発行された固定利付債には短期的な逆風ですが、これから債券を買う人には高い利回りを得やすくなる変化です。債券ファンドも、保有債券の値下がり後に高利回りの債券へ入れ替わるため、投資期間が長ければ将来の利息収入改善が効いてきます。
| 立場 | 金利上昇直後 | その後 |
|---|---|---|
| 既発債を満期まで保有 | 時価は下がり得る | 発行体が履行すれば額面償還 |
| 既発債を途中売却 | 売却損の可能性 | 価格回復は金利次第 |
| 新しく固定債を購入 | 以前より高利回りを選びやすい | さらに金利が上がれば時価下落 |
| 債券ファンド | 基準価額に下押し | 再投資利回りの改善 |
なお、NISAで個人向け国債を直接買うことはできません。日本証券業協会のNISA Q&Aは、預金、国債、社債はいずれもつみたて投資枠と成長投資枠の対象外としています。公社債を組み入れる一定の投資信託が対象になる場合はありますが、個人向け国債そのものとは別です。
長期金利3%が住宅ローンへ与える影響

住宅購入で最も重要なのは、10年国債3%を住宅ローン3%と読み替えないことです。固定型は長期金利の影響を受けやすく、変動型は政策金利や短期プライムレートの影響を受けやすいからです。
住宅金融支援機構の2026年9月金利情報では、フラット35の借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下の最も多い金利は年3.460%です。範囲は年3.460%から5.690%で、金融機関、融資手数料、団信の種類などにより異なります。
| 金利タイプ | 主なメリット | 3%局面の注意点 |
|---|---|---|
| 全期間固定 | 返済額が確定し家計管理しやすい | 借入時点の金利が高くなりやすい |
| 固定期間選択 | 一定期間は返済を固定できる | 固定終了後の適用金利と優遇幅を確認 |
| 変動 | 当初金利が低いことが多い | 利上げが続けば返済負担が増える |
住宅金融支援機構の2026年1月の住宅ローン利用予定者調査では、希望する金利タイプは変動型37.0%、固定期間選択型32.1%、全期間固定型30.9%でした。変動型は最大ですが、2024年4月調査を境に減少傾向とされています。金利上昇リスクを意識する人が増えた結果と断定はできないものの、固定と変動が大きく分散しています。
4,000万円を35年で借りた返済額
借入額4,000万円、返済期間35年、元利均等返済、ボーナス返済なしとして試算します。融資手数料、保証料、団信上乗せ、登記費用、繰上返済、住宅ローン控除は含みません。
| 年利 | 毎月返済 | 総返済額 | 利息総額 |
|---|---|---|---|
| 1.0% | 約11万2,900円 | 約4,742万円 | 約742万円 |
| 2.0% | 約13万2,500円 | 約5,565万円 | 約1,565万円 |
| 3.0% | 約15万3,900円 | 約6,465万円 | 約2,465万円 |
| 3.460% | 約16万4,400円 | 約6,904万円 | 約2,904万円 |
年2%から年3%への1ポイント上昇で、毎月返済は約2万1,400円、35年間の総返済額は約900万円増えます。年3.460%なら年2%との差は毎月約3万1,900円、総返済額で約1,339万円です。住宅価格が同じでも、購入者が負担できる総額は大きく変わります。
毎月15万円で借りられる額はどう変わるか
返済期間35年、元利均等返済、ボーナス返済なしで、毎月15万円に収まる借入元本を逆算しました。
| 年利 | 借入可能額の単純計算 | 年1%との差 |
|---|---|---|
| 1.0% | 約5,314万円 | 基準 |
| 2.0% | 約4,528万円 | 約786万円減 |
| 3.0% | 約3,898万円 | 約1,416万円減 |
| 3.460% | 約3,650万円 | 約1,664万円減 |
実際の融資可能額は年収、返済負担率、他の借入、年齢、物件、金融機関の審査で決まります。上表は「同じ月額なら金利上昇で買える価格が下がる」ことを示すだけで、融資承認額ではありません。
住宅ローン控除があるから高金利でも得とは限らない
国税庁の2026年入居向け案内では、一定の要件を満たす対象住宅について、年末の住宅ローン残高等に0.7%を掛けて控除額を計算します。控除対象の借入限度額、控除期間、所得要件は住宅性能や世帯条件で異なります。
借入金利が3%なら「3%の利息を払って0.7%が必ず戻る」という単純な関係でもありません。控除は税額の範囲内で、元金返済とともに年末残高も減ります。さらに住宅取得には固定資産税、修繕、管理費、保険、購入時諸費用がかかります。控除だけで借入額を増やすのは危険です。
| 項目 | ローン比較に入れるか | 理由 |
|---|---|---|
| 金利と総返済額 | 必須 | 毎月と生涯の負担を左右 |
| 融資手数料と保証料 | 必須 | 低金利でも初期費用が高い場合 |
| 団信 | 必須 | 保障範囲と上乗せ金利が違う |
| 住宅ローン控除 | 対象なら考慮 | 控除可能額は人と住宅で異なる |
| 管理費と修繕費 | 必須 | ローン以外の恒常支出 |
不動産購入は待つべきか
長期金利3%は不動産価格の下押し材料です。購入者の借入可能額が減り、投資家が求める利回りも上がりやすいからです。しかし、金利上昇だけを理由に不動産が全国一律で下落するとは言えません。価格は需要と供給、土地、建築費、人件費、賃料、人口、再開発、海外投資家の資金などでも決まります。
国土交通省が2026年3月31日に公表した2025年12月の不動産価格指数では、全国の住宅総合は前月比0.5%上昇、区分所有マンションは1.0%上昇でした。一方、不動産価格指数の掲載ページは算出プログラムの不具合により2026年1月以降の公表延期を案内しています。足元の3%局面を全国指数で即座に検証できる状態ではないため、価格下落を事実として先取りしない方が安全です。
| 価格要因 | 価格を下げる方向 | 価格を支える方向 |
|---|---|---|
| 住宅ローン | 借入可能額の低下 | 所得上昇や頭金増加 |
| 供給 | 在庫と新規供給の増加 | 好立地の供給不足 |
| 建築費 | 資材価格の低下 | 人件費と資材費の上昇 |
| 賃料 | 空室増加と賃料低下 | 賃料上昇による収益改善 |
| 地域 | 人口流出と利便性低下 | 再開発と人口流入 |
自宅購入は価格予想より保有条件を見る
自宅は投資資産であると同時に生活基盤です。金利低下を待つ間に家賃を払い、希望物件の価格が上がる可能性もあります。反対に、転勤や家族構成の変化で数年以内に売る可能性が高い人は、購入時の仲介手数料、登記、ローン費用と売却費用を回収しにくくなります。
| 購入を進めやすい条件 | 慎重にしたい条件 |
|---|---|
| 10年以上住む可能性が高い | 数年で転居や売却の可能性が高い |
| 購入後も生活防衛資金を残せる | 頭金と諸費用で現金がほぼなくなる |
| 金利上昇後も返済余力がある | 現在の変動金利で返済比率が限界 |
| 修繕や税金を含めて比較した | ローン返済だけで家賃と比較 |
| 売却しやすい立地と物件 | 流動性を調べていない特殊物件 |
変動型は3%と4%でも試算する
変動型を選ぶ場合、現在の適用金利だけで返済計画を作らないことが重要です。借入額4,000万円、35年返済なら、当初から年3%と仮定した毎月返済は約15万3,900円、年3.460%では約16万4,400円です。実際には金利見直し時点の残元金と残期間で変わりますが、少なくとも複数水準で家計が耐えられるかを確認できます。
返済額の「5年ルール」や「125%ルール」はすべての変動型ローンに共通ではありません。適用されても利息負担そのものを免除する制度ではなく、元金の減りが遅くなったり、未払利息が発生したりする可能性があります。商品説明書で確認してください。
投資用不動産とREITへの影響
投資用不動産では、物件の表面利回りではなく、空室、管理、修繕、税金を引いた純収益と借入コストの差が重要です。国債利回りが3%ある局面で、手間と価格変動を伴う不動産の実質的な利回りがほぼ同じなら、投資家はより高い上乗せ収益を求めやすくなります。
日本不動産研究所の第54回不動産投資家調査では、2026年4月時点の期待利回りは東京・丸の内、大手町のオフィスが3.2%、東京・城南の賃貸住宅がワンルーム3.6%、ファミリー3.7%でした。2027年3月末の長期金利予想では「2%超から3%以下」が61.7%で最も多く、その場合の市場影響は「一時的に停滞するものの、その後は回復」が37.5%で最多でした。これは予測調査であり、実際の価格を保証するものではありません。
| 投資用不動産の確認項目 | 金利3%局面で見る理由 |
|---|---|
| 実質利回り | 国債や預金との差が十分か |
| 借入金利と固定期間 | 借り換え時の収支悪化を測る |
| LTV | 価格下落時の債務超過リスク |
| 空室率 | 利払い増と家賃減が重なる影響 |
| 修繕計画 | 建築費上昇を織り込む |
| 出口価格 | 期待利回り上昇による価格下落を試す |
REITも同様に、分配金利回りと国債利回りの差、借入の固定比率、平均残存期間、物件用途、賃料改定力を確認します。ホテルやオフィス、物流、住宅では景気と金利への反応が異なります。NISAの成長投資枠で買える上場REITもありますが、非課税だから価格変動や減配がなくなるわけではありません。
| REITの指標 | 良い悪いを分ける見方 |
|---|---|
| 分配金利回り | 国債より高いだけでなく持続可能性を見る |
| 有利子負債比率 | 高いほど借り換え影響を受けやすい |
| 固定金利比率 | 高いほど短期の金利上昇を抑えやすい |
| 平均残存年数 | 短いと高金利への借り換えが早い |
| 賃料成長 | 利払い増を吸収できるか |
預金と個人向け国債には追い風
金利上昇は借り手には負担ですが、現金や債券で運用する人には選択肢の改善です。財務省の2026年9月募集の個人向け国債では、変動10年の初回利率が年1.95%、固定5年が年2.24%、固定3年が年1.96%です。変動10年の初回利率は基準金利2.96%に0.66を掛けて算出されます。
| 2026年9月募集 | 税引前年率 | 特徴 |
|---|---|---|
| 個人向け国債 変動10年 | 初回1.95% | 半年ごとに利率見直し |
| 個人向け国債 固定5年 | 2.24% | 満期まで利率固定 |
| 個人向け国債 固定3年 | 1.96% | 満期まで利率固定 |
いずれも原則として発行から1年経過後に中途換金できますが、直前2回分の各利子相当額に基づく調整額が差し引かれます。変動10年の利率が10年国債と同じ3%になるわけではありません。
名目利回りだけでなく、税金と物価を引いた実質的な購買力も確認しましょう。仮に税引前3%の利息へ20.315%課税されると、税引後は約2.39%です。物価上昇率が2%なら、厳密な実質収益率は約0.38%です。金利3%になったから現金だけで資産が大きく増えるとは限りません。
| 税引前年率3%の例 | 100万円に対する年額 |
|---|---|
| 税引前利息 | 3万円 |
| 税率20.315%の税額 | 約6,095円 |
| 税引後利息 | 約2万3,905円 |
| 物価2%時の実質収益率 | 約0.38% |
実質収益率は、1.023905を1.02で割って1を引く単純試算です。商品手数料や個別の税務は含みません。
名目金利3%と実質金利は違う
ニュースで見る3%は物価上昇を差し引く前の名目金利です。お金の購買力まで考えるときは実質金利を見ます。簡便には名目金利から予想物価上昇率を引きますが、厳密には「1+名目金利」を「1+物価上昇率」で割って1を引きます。名目3%、物価2%なら実質金利は約0.98%です。物価3%ならほぼ0%、物価4%なら約マイナス0.96%になります。
| 名目金利 | 物価上昇率 | 厳密な実質金利 | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 3% | 1% | 約1.98% | 購買力が増えやすい |
| 3% | 2% | 約0.98% | 実質的な増加は約1% |
| 3% | 3% | 0% | 購買力はほぼ横ばい |
| 3% | 4% | 約マイナス0.96% | 利息があっても購買力は低下 |
住宅ローンでも実質金利は重要です。物価と賃金が同じ程度に上がれば、固定金利で借りた名目返済額の実質的な重さは時間とともに低下します。ただし、物価だけ上がって手取り収入が伸びなければ、生活費が増えて返済はむしろ苦しくなります。物価上昇が借り手に有利かどうかは、賃金と家計収支まで見なければ判断できません。
NISAと住宅購入を両立する資金の分け方

金利3%の局面では、株を売るか家を買うかという二択ではなく、使う時期で資金を分けるのが実務的です。近く使うお金まで値動きの大きい商品へ置くと、住宅契約の直前に相場が下がったときに計画が崩れます。
| 資金の使用時期 | 役割 | 考え方 |
|---|---|---|
| 1年以内 | 手付金、諸費用、引っ越し | 価格変動の小さい預金中心 |
| 1年から5年 | 頭金、修繕、教育費 | 満期と換金条件をそろえる |
| 10年以上 | 老後など長期目的 | NISAで分散投資を検討 |
金融庁の資産形成の基本も、安全性、収益性、流動性の三つがすべて最良の金融商品はないと説明しています。頭金を増やせば借入額と利息は減りますが、現金を使い切れば病気、失業、修繕に弱くなります。NISAの期待リターンがローン金利を上回る可能性もありますが、株式のリターンは保証されず、ローン利息は契約に従って発生します。
家計のストレステスト
| 想定する変化 | 確認内容 |
|---|---|
| ローン金利が2ポイント上昇 | 毎月収支が赤字にならないか |
| 手取り収入が20%減少 | 半年から1年継続できるか |
| NISA資産が30%下落 | 頭金を予定通り用意できるか |
| 修繕費が年30万円増加 | 積立投資を止めずに払えるか |
| 物価が年2%上昇 | 生活費と教育費の増加を吸収できるか |
すべての悪条件が同時に来るとは限りません。しかし、三つ以上の想定で家計が赤字になるなら、借入額、物件価格、頭金、投資額のどれかを見直す余地があります。
長期金利3%で今やること
| 順番 | 行動 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 使う時期で資金を分ける | 5年以内の支出を株式から分離 |
| 2 | NISAの中身を確認 | 地域、業種、為替、REITの偏り |
| 3 | 住宅ローンを総額比較 | 金利だけでなく手数料と団信 |
| 4 | 金利上昇を試算 | 3%、4%でも返済可能か |
| 5 | 物件の流動性を確認 | 売却事例、在庫、修繕、災害 |
| 6 | 預金と国債を比較 | 税引後利回りと換金条件 |
長期金利3%は大きな環境変化ですが、それ自体が売買の合図ではありません。NISAでは投資目的と期間、不動産では返済余力と居住期間、現金運用では税引後利回りと物価を確認すると、ニュースの数字を自分の判断へ変換できます。
よくある質問
長期金利3%とは住宅ローン金利も3%という意味ですか
いいえ。ここでいう長期金利は10年国債の利回りです。固定型住宅ローンは影響を受けやすいものの、金融機関の調達費用、手数料、団信、競争などが加わります。2026年9月のフラット35の代表的な金利は3.460%です。
2026年9月に長期金利は本当に3%を超えましたか
財務省の国債金利情報では、2026年9月2日の10年金利が3.006%です。9月1日の10年国債入札でも募入最高利回りは3.011%、平均利回りは2.995%でした。日付と指標を付けて理解することが大切です。
長期金利が3%ならNISAをやめるべきですか
NISAは税制上の口座なので、金利だけでやめる理由にはなりません。中の商品、投資期間、生活防衛資金、住宅購入時期を確認します。近く使う資金まで株式で持っている場合は、NISAかどうかに関係なくリスクを減らす検討余地があります。
NISAで個人向け国債を買えますか
買えません。日本証券業協会は、預金、国債、社債はいずれもNISAのつみたて投資枠と成長投資枠の対象外と説明しています。債券を組み入れる対象投資信託とは区別してください。
NISAの国内債券ファンドも元本保証ですか
元本保証ではありません。市場金利が上がると既存債の価格が下がり、ファンドの基準価額も下落することがあります。金利上昇後は再投資利回りが改善するため、影響は保有期間や債券の残存年数でも変わります。
NISAを売却した枠はすぐ復活しますか
同じ年には復活しません。売却した商品の取得価額である簿価分を、翌年以降に非課税保有限度額として再利用できます。復活分が翌年の年間投資枠へ上乗せされるわけでもありません。
NISAの損失は課税口座の利益と相殺できますか
できません。NISA口座で生じた損失は税務上ないものとみなされ、課税口座の利益や配当との損益通算、損失の繰越控除はできません。
長期金利3%なら不動産価格は下がりますか
下押し材料ではありますが、全国一律の値下がりは断定できません。ローン負担と投資家の要求利回りは上がる一方、供給不足、建築費、賃料、立地、所得が価格を支える場合があります。成約事例と在庫を地域別に確認してください。
住宅購入は金利が下がるまで待つべきですか
金利だけでは決められません。待つ間の家賃、物件価格、家族の時期、居住予定年数、購入後の現金余力を比較します。返済額が家計の限界なら、金利予想より物件価格と借入額を下げる方が確実です。
固定金利と変動金利はどちらがよいですか
将来金利を正確に予測できないため一律の正解はありません。返済額の確定を優先するなら固定、金利上昇時にも返せる余力があり当初負担を抑えたいなら変動が候補です。手数料と団信を含む総額で比べてください。
変動型住宅ローンもすぐ3%になりますか
長期金利と同じ幅で直ちに動くわけではありません。変動型は政策金利や短期プライムレートの影響を受けやすく、基準金利、優遇幅、見直し日、返済額変更ルールは商品ごとに異なります。
4,000万円を35年、年3%で借りると毎月いくらですか
元利均等返済、ボーナス返済なしの単純試算で約15万3,900円です。総返済額は約6,465万円となります。融資手数料、保証料、団信、住宅ローン控除、繰上返済は含みません。
住宅ローン控除0.7%なら金利3%でも問題ありませんか
そうとは限りません。控除額は住宅性能、世帯条件、年末残高、納税額などに左右されます。ローン金利との差だけでなく、管理費、修繕、固定資産税、保険を含む住居費全体で判断してください。
長期金利3%なら個人向け国債も3%ですか
同じではありません。2026年9月募集の変動10年は初回1.95%、固定5年は2.24%、固定3年は1.96%です。変動10年は基準金利に0.66を掛け、半年ごとに適用利率を見直します。
預金金利も3%になりますか
自動的にはなりません。預金金利は各金融機関が資金需要や商品戦略を踏まえて決めます。比較するときはキャンペーン期間、預入上限、中途解約、税引後利回りを確認してください。
金利上昇に備えて繰上返済とNISAのどちらを優先すべきですか
ローン金利、税引後の期待収益、住宅ローン控除、手元現金、投資期間で変わります。繰上返済の効果は契約金利分を確実に減らす一方、NISAの運用益は不確実です。生活防衛資金を残したうえで複数案を比較してください。
まとめ

2026年9月2日の10年国債金利は3.006%となり、日本の長期金利は3%台に入りました。NISAの制度が不利になるのではなく、株式、海外資産、債券、REITの値動きを通じて影響します。住宅では固定型ローンの負担がすでに上がっており、4,000万円を35年で借りる単純試算では、年2%から年3%への上昇で毎月約2万1,400円、総返済額で約900万円増えます。
一方で、新しく買う国債や預金には利回り改善の機会があります。不動産価格は金利だけで決まらず、最新の全国指数にも公表遅延があります。金利3%という一つの数字から売買を急がず、NISAは資金の期限と分散、不動産は返済余力と保有期間、現金は税引後利回りと物価で判断することが重要です。
自身で確認するのはハードルが高い方は、FPに相談するのもおすすめです。
しかも今ならAmazonギフト券と仙台牛がもらえちゃう「投資のコンシェルジュ」がおすすめです。
投資が学べるのにアマギフももらえる!最高ですね。
投資について詳しい方も詳しくない初心者さんでも新たな発見や学びがあるはずです。
もちろん無料なので一度検討してみてはいかがでしょうか。
\ Amazonギフト券最大6万円もらう/
本記事は2026年9月4日時点の公表情報に基づく一般的な情報提供です。特定の金融商品、投資、借り入れ、不動産購入を推奨するものではありません。税務や融資条件は個別事情で異なるため、最新の公式情報と専門家への確認を行ってください。