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「生命保険 いらない」と聞く一方、病気や死亡で家計が崩れるのも不安。保険料を解約してNISAへ回した方がよいのか。この疑問に、全員共通の答えはありません。扶養家族、働き方、貯蓄、住宅ローン、勤務先の保障、公的年金の加入歴によって、必要な保障額が変わるからです。
2026年9月7日時点の結論は、公的保険と現金で埋まらない大きな損失だけを、必要な期間、民間保険で補うという考え方が基本です。独身で扶養家族がおらず、十分な貯蓄がある人は大きな死亡保障を減らせる場合があります。一方、幼い子どもがいる主な稼ぎ手、貯蓄が少ない世帯、自営業者などは、安易な全解約で保障不足になるおそれがあります。
生命保険はいらないのかを先に判定

| 現在の状況 | 最初の判断 | 次に確認すること |
|---|---|---|
| 扶養家族がおらず十分な現金がある | 大きな死亡保障は減らせる可能性 | 医療費より就業不能時の生活費 |
| 幼い子どもがいる主な稼ぎ手 | 死亡保障を残す必要性が高い | 遺族年金、教育費、配偶者収入 |
| 会社員で休業保障がある | 公的保障と会社制度を先に計算 | 傷病手当金、休職制度、団体保険 |
| 自営業・フリーランス | 収入減への備えを厚めに検討 | 手元資金、事業固定費、所得補償 |
| 貯蓄型保険をNISAへ移したい | 解約返戻金と保障消滅を先に確認 | 元本割れ、税、再加入、投資期間 |
金融庁の公的保険ポータルも、公的保険の保障内容を理解したうえで、必要に応じて民間保険へ加入することが重要だと説明しています。「加入が常識」から始めるのでも、「保険はすべて無駄」から始めるのでもなく、家計の不足額から逆算する考え方です。
2026年は生命保険の解約返戻金が上半期で約7.30兆円
生命保険協会の生命保険事業概況を月ごとに集計すると、国内41社の2026年1月から6月の解約返戻金は7兆2995億5200万円です。1月1兆983億円、2月1兆1369億円、3月1兆5399億5200万円、4月から6月3兆5244億円を合計しました。
| 期間 | 解約返戻金 | 一次資料上の単位 |
|---|---|---|
| 2026年1月 | 1兆983億円 | 億円 |
| 2026年2月 | 1兆1369億円 | 億円 |
| 2026年3月 | 1兆5399億5200万円 | 百万円 |
| 2026年4月から6月 | 3兆5244億円 | 億円 |
| 上半期合計 | 7兆2995億5200万円 | 本記事で単位をそろえて合算 |
ただし、この7.30兆円は解約件数や解約した人数ではありません。契約者へ支払われた解約返戻金の金額です。外貨建てや一時払いを含む契約構成、大口契約、予定利率が上がった新契約への乗り換えなどでも金額は動きます。「7兆円だから国民の多くが保険をやめた」とは判断できません。
2026年4月から6月の解約返戻金は3兆5244億円で、協会公表値の前年同期比は140.6%でした。家計の固定費削減、古い貯蓄型契約の見直し、金利上昇後の商品への乗り換え、投資信託への資金移動など複数の可能性があります。統計は動きを示しますが、個人が今すぐ解約すべき根拠にはなりません。
保険・貯蓄・投資は役割が違う
迷いを減らすには、お金を三つの層に分けます。第一層は公的保険、第二層はすぐ使える現金、第三層は不足分を補う民間保険です。NISAは将来資金を育てる仕組みであり、明日発生する損失を確定額で補う保険とは役割が異なります。
| 層 | 主な手段 | 得意なこと | 弱点 |
|---|---|---|---|
| 第一層 | 健康保険、年金、雇用保険、労災など | 社会全体で大きなリスクを分担 | 要件や上限があり全費用は埋まらない |
| 第二層 | 普通預金などの生活防衛資金 | 用途を問わずすぐ使える | 貯まるまで時間がかかる |
| 第三層 | 死亡、医療、がん、就業不能などの民間保険 | 少ない初期資金でも大きな損失へ備える | 保険料と支払条件がある |
| 将来層 | NISAを使った投資 | 長期の資産形成と運用益の非課税 | 価格が下がる時期があり給付額は確定しない |
たとえば、加入直後に世帯の主な稼ぎ手が亡くなった場合、預金やNISAの積立額はまだ小さいかもしれません。死亡保険なら契約条件を満たす限り保険金で大きな不足を埋められます。反対に、数万円の通院費や家電の買い替えのように家計で吸収できる支出まで保険化すると、固定費が膨らみます。
公的保障でどこまでカバーできるか
| リスク | 代表的な公的保障 | 民間保険を考える前の確認 |
|---|---|---|
| 病気・けが | 公的医療保険、高額療養費 | 年齢、所得区分、対象外費用 |
| 会社員等の休業 | 傷病手当金 | 加入保険、給与支給、待期、会社制度 |
| 業務・通勤による災害 | 労災保険 | 業務上か業務外か |
| 死亡 | 遺族基礎年金、遺族厚生年金など | 加入歴、子の有無、生計維持関係 |
| 障害 | 障害基礎年金、障害厚生年金など | 初診日、障害状態、納付要件 |
| 介護 | 公的介護保険 | 年齢、要介護認定、自己負担 |
公的保障は強力ですが、受け取れる金額は一律ではありません。家計の手取り収入と同じ金額を補う制度でもありません。勤務先独自の見舞金、休職中の給与、団体保険、死亡退職金があるなら、それも民間保険の必要額から差し引けます。
高額療養費は2026年8月に見直された

高額療養費は、保険診療の自己負担が所得などに応じた上限を超えたとき、超過分が支給される制度です。厚生労働省の2026年7月31日更新ページでは、2026年8月から月額上限の見直しと年間上限の新設が案内されています。
| 2026年8月以降の要点 | 内容 | 保険見直しへの影響 |
|---|---|---|
| 月額上限 | 年齢と所得に応じて決まる | 古い金額を前提に医療保険を削らない |
| 厚労省の例 | 70歳未満・年収約370万から510万円で医療費100万円なら自己負担は約9万3000円 | 窓口3割の30万円がそのまま最終負担ではない |
| 多数回該当 | 直近12か月で3回以上該当すると4回目以降の上限を軽減 | 長期治療では月数も確認 |
| 年間上限 | 2026年8月から8月翌7月の年単位上限を新設 | 長期療養の総負担を試算し直す |
| 2027年8月予定 | 所得区分を細分化 | 来年以降も再確認が必要 |
約9万3000円は一例です。全員の上限ではありません。年収、年齢、加入する保険制度、世帯合算、多数回該当などで変わります。また、同じ病気でも月をまたぐと月ごとに計算されます。この記事だけで自己負担額を確定せず、マイナ保険証の資格情報や加入先保険者で確認してください。
高額療養費の対象外を忘れない
協会けんぽの案内では、保険外診療、食事代、差額ベッド代などは高額療養費の対象外です。先進医療の技術料、交通費、家族の宿泊費、家事や育児の外注費、休業による収入減も、通常は高額療養費から出ません。
| 費用 | 高額療養費 | 備え方の候補 |
|---|---|---|
| 保険診療の自己負担 | 上限計算の対象 | 公的制度と現金 |
| 入院時の食事代 | 対象外 | 現金、医療保険 |
| 本人希望の差額ベッド代 | 対象外 | 希望を抑える、現金、医療保険 |
| 先進医療の技術料 | 対象外 | 利用意向に応じて特約など |
| 交通・宿泊・家事・育児費 | 対象外 | 生活防衛資金 |
| 休業中の収入減 | 対象外 | 傷病手当金、会社制度、現金、就業不能保障 |
医療保険が必要かどうかは入院日額だけでなく、対象外費用と収入減を合計して判断します。入院が短くても、外来治療や療養で働けない期間が長ければ、医療費より生活費の不足が大きくなる場合があります。
会社員と自営業では収入減への備えが違う
協会けんぽの傷病手当金は、業務外の病気やけがで働けず、連続3日の待期後、休業中に十分な給与が出ないなどの要件を満たす場合に支給されます。支給期間は開始日から通算1年6か月です。1日当たりの基本的な計算は、直近12か月の標準報酬月額平均を30で割り、その3分の2を掛けます。
| 項目 | 会社員など被用者保険 | 自営業など国民健康保険 |
|---|---|---|
| 医療費 | 高額療養費あり | 高額療養費あり |
| 業務外の休業 | 要件を満たせば傷病手当金 | 全国一律の常設傷病手当金は原則なし |
| 会社独自制度 | 休職給与や見舞金がある場合 | 原則として自分で準備 |
| 事業固定費 | 通常は小さい | 事務所、設備、人件費などが残る場合 |
| 優先確認 | 就業規則、健保、団体保険 | 生活費と事業費の現金余力 |
国民健康保険でも高額療養費は利用できますが、傷病手当金と同じ制度が全国一律で常設されているわけではありません。自治体や組合独自の給付がある場合は別です。自営業者は医療費だけでなく、売上停止と事業固定費を含めて現金や所得補償を検討します。
死亡保障は遺族年金を差し引いて考える
主な稼ぎ手が亡くなったときは、遺族基礎年金や遺族厚生年金などが候補になります。日本年金機構の遺族厚生年金案内が示すとおり、死亡した人の加入状況、保険料納付、遺族の範囲、生計維持などの要件があります。子の有無や年齢でも結果が変わるため、平均額だけで判断できません。
| 確認項目 | 不足額が大きくなりやすい例 | 不足額が小さくなりやすい例 |
|---|---|---|
| 扶養家族 | 幼い子どもが複数いる | 経済的扶養者がいない |
| 配偶者収入 | 専業、短時間勤務、就労困難 | 安定した共働き |
| 住居 | 家賃が長く続く | 団信で住宅ローンが完済される |
| 教育方針 | 私立や下宿を予定 | 教育資金を準備済み |
| 自己資産 | 預金が少ない | 十分な預金と換金可能資産がある |
| 勤務先保障 | 死亡退職金が少ない | 企業保障や弔慰金が厚い |
遺族基礎年金は原則として子のある配偶者または子が中心です。子のいない配偶者や親族が同じ条件で受け取れるわけではありません。遺族厚生年金は厚生年金加入者などについて別の要件があります。ねんきん定期便、勤務先資料、年金事務所で確認し、民間の死亡保障を差し引く順番が安全です。
生命保険がいらない可能性がある人・必要性が高い人
| 家計タイプ | 死亡保障 | 医療・就業不能 | 判断の要点 |
|---|---|---|---|
| 独身・扶養なし・貯蓄十分 | 大きな保障は低優先 | 収入減と対象外費用を確認 | 親への仕送りや債務があれば別 |
| 独身・貯蓄少ない | 葬儀等の少額を検討 | 初期費用を吸収できるか確認 | まず生活防衛資金も並行 |
| 共働き・子なし | 片方の収入喪失で家計が回るか | 双方の休職制度を確認 | 住宅ローンの名義と団信 |
| 子育て世帯 | 教育費と生活費の不足を重視 | 看護や家事代行費も考える | 子の成長とともに減額可能 |
| 片働き世帯 | 主な稼ぎ手は高優先 | 家事育児を担う側にも必要性 | 収入ゼロだけでなく代替費用も計算 |
| 自営業世帯 | 事業承継や債務も確認 | 収入減の備えを厚く | 個人家計と事業資金を分ける |
「独身なら生命保険はいらない」は、死亡保障だけを見れば当てはまりやすいものの、医療、就業不能、介護まで同じ結論にはできません。反対に、子どもがいるから高額な終身保険が必須とも限りません。一定期間だけ大きな保障が必要なら、定期保険や収入保障保険で期間を合わせる方法があります。
保険商品ごとに目的を分ける
| 種類 | 主な目的 | 見直しの焦点 |
|---|---|---|
| 定期死亡保険 | 一定期間の死亡保障 | 必要期間と保険金額 |
| 終身死亡保険 | 一生涯の死亡保障、相続等 | 保険料、返戻率、目的の継続性 |
| 医療保険 | 入院、手術など | 日額型か一時金型か、支払条件 |
| がん保険 | がん診断や治療 | 診断給付の回数、上皮内新生物、通院 |
| 就業不能保障 | 長期の収入減 | 免責期間、対象状態、精神疾患 |
| 貯蓄型保険 | 保障と積立 | 解約返戻金、予定利率、諸費用、流動性 |
「医療保険に入っている」だけでは十分ではありません。給付条件を満たさなければ受け取れず、請求しなければ給付されません。保険証券、契約内容のお知らせ、マイページで、保険会社、証券番号、被保険者、受取人、保障期間、月額保険料、給付条件、請求先を一覧にします。家族にも保管場所を共有します。
生命保険を解約してNISAへ回す前に

NISAは投資利益を非課税にする制度です。保険料を減らして積立投資へ回す選択肢はありますが、金融庁の資産形成の基本が説明するように、株式や投資信託は元本割れのおそれがあります。必要な時期に価格が下がっていれば、売却額は積立額を下回ります。
| 比較 | 生命保険 | 預貯金 | NISAでの投資 |
|---|---|---|---|
| 主目的 | 大きな偶発損失の移転 | 近い将来の支出と緊急資金 | 長期の資産形成 |
| 受取額 | 契約条件で定める | 残高の範囲 | 市場価格で変動 |
| 加入直後の大事故 | 契約成立後なら大きな保障が可能 | 貯めた分だけ | 投資した分の時価だけ |
| 換金性 | 解約や請求条件による | 高い | 売却可能だが価格変動あり |
| 税制 | 控除や受取時課税が契約関係で変わる | 利息に課税 | 対象利益が非課税 |
| 向く期間 | 必要保障期間 | 短期から中期 | 価格変動を許容できる長期 |
明日必要になる可能性がある医療費や生活費を、全額NISAへ置くのは危険です。まず生活防衛資金を現金で確保し、次に保障不足を民間保険で埋め、残る長期資金をNISAへ回します。NISAで増えると仮定して死亡保障をゼロにするのではなく、今起きても耐えられるかを確認します。
解約前の12項目チェック
生命保険文化センターの見直し案内は、短期解約では解約返戻金がないか、ごくわずかな場合があること、年齢上昇で新契約の保険料が高くなったり、健康状態により新たに契約できなかったりすることを注意点として挙げています。
| 番号 | 解約前に書面で確認すること | 見落とした場合 |
|---|---|---|
| 1 | 現在の死亡・医療・就業不能保障 | 必要保障まで消える |
| 2 | 保障が終わる日時 | 無保障期間が生じる |
| 3 | 現時点の解約返戻金 | 払込総額より少ない |
| 4 | 払済・減額・特約解約の可否 | 全解約しかないと誤解 |
| 5 | 契約者貸付の残高 | 受取額が減る |
| 6 | 外貨建ての為替と手数料 | 円換算額が想定外 |
| 7 | 受取時の税区分 | 手取りを過大評価 |
| 8 | 新契約の告知と審査 | 加入できない |
| 9 | 新契約の責任開始日 | 保障の空白ができる |
| 10 | 勤務先の団体保険 | 重複保障を残す |
| 11 | 公的保障と生活防衛資金 | 不足額が分からない |
| 12 | NISAへ回す資金の使用時期 | 下落時に売却する |
乗り換えをする場合は、新しい契約が成立してから旧契約の解約を検討します。申込書を出しただけで成立したとは限りません。告知内容を正確に伝え、承諾と責任開始を確認します。保障を少し減らすだけなら、全部解約のほかに減額、特約解約、払済保険への変更が可能か、保険会社へ問い合わせます。
保険料を減らすといくら残るか
月額だけでなく年間額へ直すと、見直し効果が分かります。次は運用益を含まない単純計算です。NISAで増えることを前提にせず、まず現金の改善額として見ます。
| 毎月減らす保険料 | 1年 | 5年の単純合計 | 10年の単純合計 |
|---|---|---|---|
| 5000円 | 6万円 | 30万円 | 60万円 |
| 1万円 | 12万円 | 60万円 | 120万円 |
| 1万5000円 | 18万円 | 90万円 | 180万円 |
| 3万円 | 36万円 | 180万円 | 360万円 |
生命保険文化センターの2024年度全国実態調査では、生命保険と個人年金保険を含む2人以上世帯の年間払込保険料は平均35.3万円です。平均は必要額ではありませんが、毎年の固定費として家計に与える大きさを確認できます。複数契約の重複や不要な特約を外せば、保障を残しながら支出を下げられることもあります。
必要保障額を4ステップで計算
生命保険文化センターの必要保障額の考え方は、将来の支出見込額から、公的保障、自己資産、配偶者の就労収入などの収入見込額を差し引き、不足分を求めます。
必要保障額 = 将来の必要支出 − 公的保障 − 自己資産 − 将来収入
| ステップ | 集める数字 | 確認資料 |
|---|---|---|
| 1 必要支出 | 生活費、教育費、住居費、葬儀、債務 | 家計簿、教育計画、ローン明細 |
| 2 公的保障 | 遺族年金、高額療養費、傷病手当金 | ねんきん定期便、保険者資料 |
| 3 自己資産 | 預金、換金可能資産、死亡退職金 | 残高、勤務先規程 |
| 4 将来収入 | 配偶者収入、老齢年金、家賃収入等 | 給与、年金見込、契約書 |
説明用の仮定として、将来の必要支出4000万円、公的保障1200万円、自己資産800万円、配偶者などの将来収入1500万円なら、不足は500万円です。必要支出2000万円、公的保障600万円、自己資産900万円、将来収入700万円なら、計算上の不足はゼロです。
| 説明用モデル | 必要支出 | 公的保障 | 自己資産 | 将来収入 | 不足額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 扶養家族あり | 4000万円 | 1200万円 | 800万円 | 1500万円 | 500万円 |
| 資産と収入で充足 | 2000万円 | 600万円 | 900万円 | 700万円 | 0円 |
これは計算方法を示す仮定であり、特定世帯への推奨額ではありません。実際には支出時期、物価上昇、税、年金要件、住宅ローンの団信、配偶者の就労可能性、障害や介護の費用を確認します。保障額は子どもの独立や貯蓄増加に合わせて減らせるため、一生同じ金額である必要もありません。
家族構成別の見直し例
例1 28歳の独身会社員
扶養家族がおらず、借入もなく、生活費6か月分の預金があるとします。この場合、誰かの生活費を残すための大きな死亡保障は優先度が低くなります。まず勤務先の休職制度、傷病手当金、団体保険を確認し、病気で働けない間の家賃と生活費が不足するかを計算します。
医療費の自己負担と対象外費用を預金で払えるなら、医療保険を小さくする選択肢があります。ただし、親へ継続的に仕送りしている、奨学金以外の連帯債務がある、持病で今後の再加入が難しいといった事情があれば結論は変わります。独身という属性だけで全解約せず、死亡、医療、就業不能を別々に判定します。
例2 35歳の共働き子育て世帯
夫婦と未就学児2人の世帯では、主な稼ぎ手が亡くなった後の生活費、保育・教育費、住居費が長く続きます。共働きでも、残された側が同じ働き方を続けられるとは限りません。送迎や看護のための時短、家事代行、引っ越しなども考えます。
一方、住宅ローンに団体信用生命保険が付いていれば、対象となる人の死亡時に残債が弁済される場合があります。夫婦それぞれのローン割合、保障対象、免責を確認し、住居費を二重に保険へ入れません。子どもの独立まで定期死亡保険や収入保障保険で不足を補い、成長と貯蓄の増加に合わせて減額する考え方が合理的です。
例3 45歳の自営業者
自営業者は病気の治療費だけでなく、売上の停止、店舗家賃、機器リース、人件費などが同時に発生することがあります。国民健康保険の高額療養費は利用できても、会社員の傷病手当金と同じ給付を当然に受けられるわけではありません。
個人の生活費と事業固定費を分け、何か月なら現金で耐えられるかを計算します。家族の生活を守る死亡保障、長期休業へ備える所得補償、事業を整理する資金は目的が違います。すべてを一つの商品へ詰め込まず、預金、保険、事業の予備資金を分けると、見直しやすくなります。
保険を残すか減らすかの判断記録を作る
見直しは一度で終わりません。結婚、出産、住宅購入、独立、転職、子の独立、退職で必要保障額が変わります。契約を変えた理由と次回確認日を残しておくと、担当者が変わっても判断を再現できます。
| 記録欄 | 書く内容 | 見直す時期 |
|---|---|---|
| 守りたい人 | 配偶者、子、親、事業関係者 | 扶養関係が変わったとき |
| 守りたい期間 | 子の独立、ローン完済、退職まで | 年1回 |
| 不足額 | 支出から公的保障等を引いた金額 | 収入・資産が大きく変わったとき |
| 残した契約 | 商品名ではなく目的と給付条件 | 契約更新前 |
| 減らした契約 | 解約、減額、特約解約の理由 | 再加入を考えるとき |
| 緊急連絡 | 保険会社、証券番号、請求窓口 | 連絡先変更時 |
特に医療保険やがん保険は、契約した事実だけでなく請求できる状態を家族と共有します。診断書が必要か、ウェブ請求に対応するか、代理請求特約があるかを確認します。受け取れる給付を請求しないままでは、保険料を払っていても家計の助けになりません。
生命保険の見直しを30分で始める手順
- 契約を全部並べる 生命保険、医療、がん、共済、カード付帯、勤務先団体保険まで一覧にします。
- 月額と年額を出す 年払い、一時払いも含め、今後払う総額を確認します。
- 公的保障を調べる 高額療養費、傷病手当金、遺族年金、勤務先制度を確認します。
- 生活防衛資金を分ける 近い将来使う現金をNISAへ移しません。
- 大きな不足だけ残す 家計で吸収できない死亡、長期休業、治療費を優先します。
- 代替案を比べる 全解約、減額、特約解約、払済、契約継続を同じ表で比較します。
- その日に決めない 提案書を持ち帰り、支払条件と総保険料を読みます。
投資のコンシェルジュはこう使うと失敗しにくい

自分で資産配分やNISAの使い方を整理しにくい場合は、資産運用の専門家への相談が役立ちます。ただし、無料相談だから中立とは限りません。相談料が無料でも、担当者や所属先が金融商品の販売・仲介などで報酬を受ける場合があります。担当者の所属、法令上必要な登録、得意分野、取扱商品、報酬の仕組み、継続相談の費用、提案を断れるかを確認します。
| 相談先 | 費用の例 | 強み | 確認点 |
|---|---|---|---|
| 保険会社の担当者 | 相談自体は無料が一般的 | 自社商品に詳しい | 他社比較は限定的 |
| 保険代理店・FP相談 | 無料または有料 | 保障額や複数商品を相談 | 取扱会社、販売手数料、勧誘方針 |
| 投資のコンシェルジュ内の専門家 | 公式相談ページでは無料 | 資産運用、NISA、ライフプランなどを相談 | 所属、登録、得意分野、継続時の費用 |
| 公的・非営利の窓口 | 無料相談会など | 制度確認の入口 | 個別商品の推奨範囲 |
日本FP協会の相談案内では、相談料やプラン作成料を事前に確認し、家計簿、資産状況、ローン、保険証券などを準備する流れが紹介されています。FPは得意分野や相談経験が異なります。保険だけでなく家計、住宅、教育、老後、投資を一枚のキャッシュフロー表にできる担当者かを見ます。
公式案内 投資のコンシェルジュ
株式会社MONO Investmentが運営する、資産運用の「判断」を支援するプラットフォームです。複数の金融機関にある資産の管理・分析、ライフプラン、アドバイザー検索・相談などを利用できます。保険も相談分野に含まれますが、保険専用の相談サービスではありません。保障内容の比較や契約手続きまで希望する場合は、選んだ専門家の対応範囲を先に確認してください。
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FPへ渡す資料と質問
| 準備するもの | 分かること | 担当者へ聞く質問 |
|---|---|---|
| 保険証券と契約内容一覧 | 重複、保障期間、支払条件 | 全解約以外の選択肢はあるか |
| 家計簿と口座残高 | 生活防衛資金、保険料負担 | 現金はいくら残すべきか |
| ねんきん定期便 | 加入歴と年金確認の入口 | 遺族年金はどこで確認するか |
| 就業規則と福利厚生 | 休職、見舞金、団体保険 | 公的・企業保障をどう反映したか |
| 住宅ローンと団信 | 死亡時の住居費 | 誰の死亡で残債が消えるか |
| 提案書 | 新旧契約の差 | 手数料、総支払額、解約返戻金はどう違うか |
相談では、初回の目的を「商品を決める」ではなく「不足額と資産配分を整理する」にします。現契約を続ける案、減額する案、保険を増やさず現金を積む案、余剰資金を長期投資へ回す案を同じ前提で比較すると判断しやすくなります。投資のコンシェルジュで選べる専門家の対応範囲は一律ではありません。具体的な保険商品の比較が必要なら、保険を扱える登録・資格があるかを確かめます。提案を受けても、その場で署名や送金をする必要はありません。
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投資のコンシェルジュ公式のサービス説明では、複数口座の資産を金融商品別、通貨別、資産区分別などで可視化する機能も案内しています。口座連携を利用する場合は、利用規約、取得される情報、連携解除方法を読んでから判断してください。保険の必要保障額だけを相談したい場合は、保険会社・保険代理店・有料FPも比較します。
保険担当者との金銭トラブルを防ぐ
保険を見直す理由と、担当者個人を無条件に信用することは分けて考えます。生命保険協会の注意喚起は、生命保険募集人が行わない案内の例として、「私だけが案内できる」などの特別な利回り、保険会社名義以外の私用口座への振込、一方的な現金払いの指定を挙げています。
| 危険な案内 | その場でしないこと | 確認先 |
|---|---|---|
| 個人だけの特別利回り | 即決、紹介者への送金 | 保険会社公式窓口 |
| 担当者個人名義の口座 | 振込 | 保険会社の不正相談窓口 |
| 現金を預けてほしい | 手渡し | 契約書記載の会社 |
| 解約返戻金を別投資へ | 無登録商品への移動 | 金融庁の登録業者検索 |
| 今日だけ、家族に秘密 | 署名、送金 | 家族、消費生活センター等 |
保険料や投資資金は、担当者個人へ預けません。会社の公式サイトに自分でアクセスし、代表窓口で手続きを確認します。不審な勧誘や解約トラブルは、まず保険会社へ申し出たうえで、解決しない場合は金融庁の金融サービス利用者相談室や生命保険相談所などの案内を確認します。
よくある質問

生命保険はいらないという意見は正しいですか
一部の人には当てはまりますが、全員には当てはまりません。公的保障、貯蓄、配偶者収入、勤務先保障で大きな損失を埋められるなら、民間保険を減らせます。扶養家族や貯蓄が少ない場合は、不足額だけ保険で補う余地があります。
独身なら死亡保険は不要ですか
経済的扶養者がいなければ大きな死亡保障の優先度は下がります。ただし、親への仕送り、子ども、連帯債務、葬儀や整理費用の希望がある場合は少額保障を検討できます。医療や就業不能は別に判断します。
高額療養費があれば医療保険はいりませんか
高額療養費で保険診療の自己負担には上限がありますが、差額ベッド代、食事代、先進医療、交通費、収入減は対象外です。これらを現金と傷病手当金で吸収できるなら不要な可能性があり、難しければ民間保障を検討します。
2026年8月に高額療養費はどう変わりましたか
月額上限が見直され、8月から翌年7月を単位とする年間上限が新設されました。多数回該当の金額は維持されています。具体額は年齢と所得などで違うため、厚生労働省と加入先保険者で確認してください。
傷病手当金は誰でも受け取れますか
誰でもではありません。協会けんぽなど被用者保険の被保険者が、業務外の病気やけが、労務不能、待期、給与がないなどの要件を満たす場合が基本です。国民健康保険には全国一律の常設給付が原則ないため、自治体や組合へ確認します。
傷病手当金はいくら・いつまでですか
支給開始日から通算1年6か月です。基本的な1日額は、支給開始前12か月の標準報酬月額平均を30で割り、3分の2を掛けます。加入期間が短い場合、給与が一部出る場合などは計算が変わります。
生命保険を解約してNISAへ回すべきですか
保障不足がなく、近く使う現金を別に確保でき、価格変動を受け入れられる長期資金なら選択肢です。NISAは保険ではなく、必要時に元本割れしている可能性があります。全部を一度に移さず、保障と現金を残して判断します。
NISAなら長期で必ず利益が出ますか
いいえ。長期、積立、分散は値動きと付き合う方法ですが、将来の利益を約束しません。NISAは利益が出た場合の税制を優遇する制度であり、損失を補償する制度ではありません。
貯蓄型保険はすべて解約した方がよいですか
一律には言えません。現在の返戻金、今後の払込額、予定利率、死亡保障、通貨、解約控除、税、契約目的を比較します。古い契約を解約すると同条件へ戻せないため、払済や減額も確認します。
解約返戻金7.30兆円は解約者が急増した証拠ですか
解約返戻金は支払金額であり、解約人数や件数ではありません。金額の増加は見直しの活発化を示す材料ですが、大口契約や契約構成の影響も受けます。個人の解約判断は契約内容で行います。
新しい保険へ乗り換える順番はありますか
新契約へ正しく告知し、保険会社の承諾と責任開始を確認してから旧契約の解約を検討します。先に解約すると、健康状態などで新契約に入れなかった場合に無保障になります。
必要保障額はいくらですか
将来の生活費、教育費、住居費、債務などから、遺族年金、自己資産、配偶者収入、死亡退職金などを差し引いた不足額が目安です。家族構成と時期で変わるため、平均保険金額をそのまま使いません。
無料FP相談はなぜ無料なのですか
サービスにより異なりますが、商品契約に伴う販売手数料や紹介料で運営される場合があります。相談者の支払いがゼロでも、提案側の収益源がないとは限りません。取扱会社、報酬、無料範囲を質問してください。
FP相談でその日に契約する必要はありますか
ありません。提案書、重要事項、総支払保険料、解約返戻金、免責、支払条件を持ち帰って比較します。私用口座への振込や現金の手渡し、特別な利回りの案内には応じません。
投資のコンシェルジュでは何を相談できますか
2026年9月8日時点の公式相談ページでは、金融商品・投資手法、税制、年金、社会保障、保険などを、自分の状況に合わせて整理する相談を案内しています。資産運用、ライフプラン、保険などの得意分野から専門家を検索できます。担当者ごとに業務範囲が異なるため、相談前にプロフィールと所属を確認してください。
投資のコンシェルジュで保険も見直せますか
保険は公式サイトの相談分野に含まれますが、投資のコンシェルジュは保険専用の相談サービスではありません。資産全体の中で保険の役割を整理する用途に向きます。保障内容の比較、募集、契約手続きまで希望する場合は、選んだ専門家が保険を扱えるか、どの会社の商品を扱うか、販売手数料を受けるかを確認してください。
まとめ

生命保険はいらないかどうかは、商品への好き嫌いではなく不足額で決めます。2026年上半期の解約返戻金は生命保険協会の月次統計を合算すると7兆2995億5200万円ですが、これは解約人数ではなく支払金額です。市場の流れだけで自分の契約を解約しないことが大切です。
確認する順番は、公的保険、勤務先保障、生活防衛資金、民間保険、長期投資です。2026年8月改正後の高額療養費、傷病手当金、遺族年金を確認し、それでも家計が破綻しかねない不足だけを必要な期間の保険で補います。NISAへ回すのは、近く使う現金と必要保障を確保した後です。
自分だけで数字を整理できない場合は、FPや資産運用の専門家へ「何に入るべきか」ではなく「公的保障を差し引いた不足額はいくらか」「残った余剰資金をどう配分するか」を相談してください。投資のコンシェルジュを使う場合も、担当者の所属、登録、収益の仕組み、取扱商品、保険相談の対応範囲を確認し、複数案を持ち帰って比較することで、不要な保険と必要な保障を分けやすくなります。
自身で確認するのはハードルが高い方は、FPに相談するのもおすすめです。
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投資について詳しい方も詳しくない初心者さんでも新たな発見や学びがあるはずです。
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