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株式市場が大きく下がった日に、高配当株を買いたくなる人は少なくありません。株価が下がれば計算上の配当利回りは上がるため、平常時より魅力的に見えるからです。しかし、下落した株を買う判断では、利回りだけでなく、配当の中身、直近決算、還元方針、次の権利日まで確認する必要があります。
本記事では、安藤ハザマ、SUBARU、三和ホールディングス、上組、積水ハウスの5社を、2026年8月28日終値と最新の会社予想で比較しました。5社の予想配当利回りは4.07%から4.40%ですが、5社すべてが同じ意味で「今期も連続増配」ではありません。三和ホールディングスには記念配当が含まれ、上組は前期と同額予想、積水ハウスは9月末権利銘柄ではないという重要な違いがあります。
| 銘柄 | 株価 | 年間配当予想 | 予想利回り | 100株必要額 |
|---|---|---|---|---|
| 安藤ハザマ 1719 | 1,923.5円 | 84円 | 4.37% | 19万2,350円 |
| SUBARU 7270 | 2,639円 | 116円 | 4.40% | 26万3,900円 |
| 三和ホールディングス 5929 | 3,586円 | 146円 | 4.07% | 35万8,600円 |
| 上組 9364 | 4,868円 | 205円 | 4.21% | 48万6,800円 |
| 積水ハウス 1928 | 3,428円 | 145円 | 4.23% | 34万2,800円 |
株価、PER、PBR、年初来高値は2026年8月28日終値時点です。配当額は2026年8月31日に確認した会社予想で、将来の支払いを約束するものではありません。配当予想は保証ではありません。業績悪化、配当方針の変更、株価下落による元本割れの可能性があります。
先に確認したい三つの注意点

今回の5社は、過去の増配実績や新しい株主還元策に注目できる会社です。ただし、過去に増配した事実と、今後も毎年増配されることは同じではありません。特に次の三つを区別すると、見かけの利回りに振り回されにくくなります。
| 注意点 | 該当会社 | 確認できた事実 | 投資判断への影響 |
|---|---|---|---|
| 記念配当を含む | 三和ホールディングス | 146円のうち14円が70周年記念配当 | 普通配当132円だけなら利回りは3.68% |
| 今期は据え置き予想 | 上組 | 前期205円、今期205円予想 | 過去の連続増配と今期増配を混同しない |
| 9月末権利ではない | 積水ハウス | 中間基準日は2026年7月31日 | 次の配当基準日は2027年1月31日 |
三和ホールディングスの株主還元ページでは、2027年3月期の中間73円と期末73円に、それぞれ7円の記念配当が含まれると明記されています。普通配当は年間132円です。今期の146円がそのまま次期以降の基準になるとは限りません。
上組の最新IRでは、2027年3月期の中間100円、期末105円、年間205円予想が確認できます。前期実績も205円のため、今期会社予想は増配ではなく据え置きです。過去の増配回数だけで今期も増配と判断しないことが重要です。
積水ハウスの株主還元ページによると、2027年1月期の中間配当基準日は2026年7月31日、期末配当基準日は2027年1月31日です。8月末に買っても7月末の中間配当は受け取れません。
配当の増減と普通配当を比較
| 銘柄 | 前期実績 | 今期予想 | 増減 | 今期配当の中身 |
|---|---|---|---|---|
| 安藤ハザマ | 80円 | 84円 | 4円増、5.0% | 普通配当 |
| SUBARU | 115.5円 | 116円 | 0.5円増、0.4% | 普通配当 |
| 三和ホールディングス | 130円 | 146円 | 16円増、12.3% | 普通132円、記念14円 |
| 上組 | 205円 | 205円 | 増減なし | 普通配当 |
| 積水ハウス | 144円 | 145円 | 1円増、0.7% | 普通配当 |
予想増配率が最も高いのは三和ホールディングスですが、普通配当だけの増加は130円から132円への2円です。記念配当14円を除いた増配率は約1.5%になります。反対に、上組は今期増配ではないものの、会社が掲げる高い配当性向と自己株式取得を含めて還元全体を見る必要があります。
| 銘柄 | 公表利回りの計算 | 一時的要素を除く参考利回り | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 安藤ハザマ | 84円 ÷ 1,923.5円 | 4.37% | 全額を普通配当として計算 |
| SUBARU | 116円 ÷ 2,639円 | 4.40% | 全額を普通配当として計算 |
| 三和ホールディングス | 146円 ÷ 3,586円 | 普通配当132円なら3.68% | 記念配当の剥落を別計算 |
| 上組 | 205円 ÷ 4,868円 | 4.21% | 今期は年間配当据え置き |
| 積水ハウス | 145円 ÷ 3,428円 | 4.23% | 年間配当下限と同額 |
株主還元方針の強さを比べる
配当の安定性を考えるときは、単年度の配当性向だけでなく、会社がどの指標を使って配当を決めるかを確認します。累進配当は原則として前期の配当額を下回らない考え方、DOEは株主資本に対する配当の比率、配当性向は当期利益に対する配当の比率です。
| 銘柄 | 公式方針 | 下支えになる点 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 安藤ハザマ | 2026年度から累進配当、2028年度80円以上 | 配当額の下限方向が明確 | 84円全額の恒久的な保証ではない |
| SUBARU | DOE3.5%、累進的な配当を目指す | 単年度利益だけに依存しにくい | 「目指す」であり絶対的な下限ではない |
| 三和ホールディングス | DOE10%目安、総還元1,250億円目安 | 高いDOEと自己株式取得 | 記念配当の次期剥落に注意 |
| 上組 | 連結配当性向70%目安、持続的な増額を追求 | 利益還元の比率が高い | 減益時に配当負担が重くなりやすい |
| 積水ハウス | 中期平均配当性向40%以上、145円を下限 | 第7次中計期間の下限を明示 | 中計期間後の方針更新が必要 |
安藤ハザマの中期経営計画2028は、累進配当と2028年度80円以上をKPIにしています。今期予想84円は下限80円を上回りますが、累進配当でも会社の存続に関わる事態や方針変更まで排除するものではありません。
SUBARUの株主還元方針は、DOE3.5%を設定し、累進的な配当を目指すとしています。2026年3月期115.5円から2027年3月期116円への増加は0.5円で、増配率は小さいものの、自己株式取得は最大1,500億円を決議しています。
上組の還元方針は、2030年3月期まで連結配当性向70%を目安とし、総額650億円規模の自己株式取得を計画しています。配当性向が高いほど株主へ多く還元する一方、利益が減ったときに同じ配当を維持する余裕は小さくなります。
2026年9月の権利を取れるのは4社

安藤ハザマ、SUBARU、三和ホールディングス、上組は中間配当基準日が2026年9月30日です。日本株はT+2決済のため、原則として2026年9月28日が権利付最終日、2026年9月29日が権利落ち日になります。決済の仕組みは日本取引所グループのT+2化案内で確認できます。
| 銘柄 | 直近の配当基準日 | 権利付最終日 | 今回得られる予定配当 |
|---|---|---|---|
| 安藤ハザマ | 2026年9月30日 | 2026年9月28日 | 中間42円 |
| SUBARU | 2026年9月30日 | 2026年9月28日 | 中間58円 |
| 三和ホールディングス | 2026年9月30日 | 2026年9月28日 | 中間73円、記念7円を含む |
| 上組 | 2026年9月30日 | 2026年9月28日 | 中間100円 |
| 積水ハウス | 2027年1月31日 | 2027年1月27日の見込み | 期末73円予想 |
積水ハウスは1月決算で、中間配当基準日は7月31日です。次の基準日は2027年1月31日ですが、日曜日のため、権利付最終日は営業日をさかのぼって1月27日となる見込みです。制度変更や臨時休場の可能性もあるため、最終的には証券会社の権利日一覧で確認してください。
4社の基準日は、安藤ハザマの株主メモ、SUBARUの株式基本情報、三和ホールディングスの銘柄基本情報、上組の株式情報で確認できます。
直近決算で配当の持続性を点検
| 銘柄 | 直近売上 | 営業利益 | 前年同期比 | 配当予想 |
|---|---|---|---|---|
| 安藤ハザマ | 1,050億円 | 64.8億円 | 売上12.4%増、営業利益22.3%増 | 84円を維持 |
| SUBARU | 1兆2,509億円 | 426億円 | 売上3.0%増、営業利益44.3%減 | 116円を維持 |
| 三和ホールディングス | 1,404億円 | 58.8億円 | 売上0.3%減、営業利益40.8%減 | 146円を維持 |
| 上組 | 749億円 | 87.1億円 | 売上3.1%増、営業利益9.5%減 | 205円を維持 |
| 積水ハウス | 9,089億円 | 761億円 | 売上1.7%増、営業利益26.2%増 | 145円を維持 |
足元の利益方向は二つに分かれました。安藤ハザマの第1四半期決算は増収増益で、建築事業の完成工事高と利益が伸びました。積水ハウスの第1四半期決算も増収増益ですが、国際事業は営業赤字で、国内のストック型・開発型事業が全体を押し上げました。
一方、SUBARU、三和ホールディングス、上組は営業減益です。SUBARUの最新業績は、販売台数の減少、販売奨励金の増加、原材料・市況悪化により営業利益が44.3%減りました。会社は通期営業利益1,500億円を予想していますが、第1四半期の減益要因が改善するかを追う必要があります。
三和ホールディングスの最新決算資料では、売上はほぼ横ばいながら営業利益が40.8%減りました。北米や欧州の採算、原材料費、販売価格の動きが確認点です。年間146円予想は維持していますが、今期予想配当性向は50.7%で、前期46.2%より上がります。
上組は国際運送の取扱量増加などで増収でしたが、新規取得資産の減価償却費や既存設備の修繕費が増え、営業減益となりました。通期会社予想も営業利益343億円で前期比6.1%減、最終利益273.4億円で12.5%減です。高い配当性向を採用しているため、利益計画の達成度が配当余力に直結します。
銘柄別の強みとリスク

安藤ハザマ
安藤ハザマは土木と建築を手掛ける準大手ゼネコンで、ダム、トンネルなど大型土木にも実績があります。今期年間84円予想に対し、8月28日終値は1,923.5円、予想利回りは4.37%です。2026年度から累進配当を導入し、80円以上を明示した点は長期保有者に分かりやすい材料です。
第1四半期は全体で増収増益でしたが、土木事業の営業利益は前年同期比47.7%減り、建築事業の増益が補いました。資材価格、労務費、工期の遅れ、採算の低い大型工事は建設会社共通のリスクです。全社利益だけでなく、土木と建築の完成工事総利益率を分けて見る必要があります。
SUBARU
SUBARUは北米販売への依存度が高く、為替、米国需要、関税、販売奨励金の影響を強く受けます。PBRは0.67倍で5社中最も低く、年初来高値から27.48%下落しています。ただし、PBR1倍割れだけで割安とは決められません。利益率低下や電動化投資への不安が株価へ反映されている可能性があります。
配当は115.5円から116円への小幅増配予想です。DOE3.5%は単年度利益の変動を和らげる仕組みですが、今期第1四半期の営業利益は44.3%減りました。通期では大幅増益を見込むため、販売台数940千台、米国の販売奨励金、原材料市況、1ドル155円の為替前提を確認したい局面です。
三和ホールディングス
三和ホールディングスはシャッター、ドア、間仕切りなどを国内、北米、欧州、アジアで展開します。DOE10%目安は5社の中で最も高く、自己株式取得も継続しています。前期130円から今期146円への増配幅は大きく見えますが、普通配当は132円です。
普通配当132円で計算した利回りは3.68%となり、5社の中で唯一4%を下回ります。記念配当がなくなる次期に普通配当が十分増えなければ、年間配当が146円を下回る可能性があります。第1四半期の大幅営業減益と合わせ、記念配当を除いた配当性向と海外採算を確認してください。
上組
上組は港湾運送、倉庫、国際複合輸送などを展開する総合物流会社です。自己資本比率は第1四半期末で75.1%と高く、財務の厚みがあります。年間205円予想、8月28日終値4,868円で予想利回りは4.21%です。
一方、今期は前期205円から増えていません。通期利益は減益予想で、配当性向70%目安は利益の多くを株主へ返す設計です。設備取得に伴う減価償却や修繕費が増える局面で、利益と配当を両立できるかを見ます。今期据え置きを「増配継続」と表現しないことが大切です。
積水ハウス
積水ハウスは国内住宅、賃貸住宅管理、開発、海外住宅を持つ大手住宅会社です。第7次中期経営計画では年間145円を下限とし、2027年1月期は15期連続の増配を計画しています。予想PER10.19倍、PBR1.03倍、予想利回り4.23%で、数値のバランスは比較的取りやすく見えます。
ただし、米国住宅事業は住宅ローン金利や在庫調整の影響を受けます。第1四半期は国内の開発型事業が伸びる一方、国際事業は42億円の営業損失でした。また中間配当基準日は通過済みで、次に権利を得られるのは2027年1月末です。9月の配当取りを目的に選ぶ銘柄ではありません。
高値からの下落率を確認
株価が高値から下がると、同じ配当予想でも利回りは上がります。しかし、下落率は割安度ではなく、悪材料や期待の剥落を示す場合があります。5社の年初来高値と8月28日終値を同じ基準で比較しました。
| 銘柄 | 年初来高値 | 8月28日終値 | 高値からの下落率 | 主な確認材料 |
|---|---|---|---|---|
| 安藤ハザマ | 2,270円 | 1,923.5円 | 15.26%下落 | 工事採算、資材費、労務費 |
| SUBARU | 3,639円 | 2,639円 | 27.48%下落 | 北米販売、奨励金、為替、関税 |
| 三和ホールディングス | 4,284円 | 3,586円 | 16.29%下落 | 北米・欧州採算、記念配当 |
| 上組 | 5,818円 | 4,868円 | 16.33%下落 | 物流量、減価償却、修繕費 |
| 積水ハウス | 3,832円 | 3,428円 | 10.54%下落 | 米国住宅、国内金利、開発利益 |
株価データは、安藤ハザマ、SUBARU、三和ホールディングス、上組、積水ハウスの時系列を使用しました。株価は変動するため、購入時には自分の取得価格で利回りを再計算してください。
PERとPBRは業種差を踏まえて読む
| 銘柄 | 予想PER | 実績PBR | PER×PBR | 指標と一緒に見るもの |
|---|---|---|---|---|
| 安藤ハザマ | 13.59倍 | 1.40倍 | 19.03 | 受注残と工事利益率 |
| SUBARU | 14.47倍 | 0.67倍 | 9.69 | 営業利益率と北米販売 |
| 三和ホールディングス | 12.53倍 | 2.21倍 | 27.69 | 高ROEと海外成長の持続性 |
| 上組 | 17.58倍 | 1.23倍 | 21.62 | 資本効率と物流投資の回収 |
| 積水ハウス | 10.19倍 | 1.03倍 | 10.50 | 海外事業と有利子負債 |
SUBARUはPBR0.67倍ですが、自動車会社は景気循環、為替、設備投資で利益が大きく動きます。三和ホールディングスはPBR2倍超ですが、高い資本効率と海外成長への期待が含まれます。異なる業種をPERやPBRだけで横並びにし、数値が低い会社を自動的に割安と判断することはできません。
10%減配のストレステスト
会社予想より年間配当が10%少なくなった場合を機械的に計算しました。減配を予測する表ではなく、取得価格に対してどの程度の余裕があるかを見るための試算です。
| 銘柄 | 会社予想利回り | 10%減配後の配当 | 10%減配後の利回り | 低下幅 |
|---|---|---|---|---|
| 安藤ハザマ | 4.37% | 75.6円 | 3.93% | 0.44ポイント |
| SUBARU | 4.40% | 104.4円 | 3.96% | 0.44ポイント |
| 三和ホールディングス | 4.07% | 131.4円 | 3.66% | 0.41ポイント |
| 上組 | 4.21% | 184.5円 | 3.79% | 0.42ポイント |
| 積水ハウス | 4.23% | 130.5円 | 3.81% | 0.42ポイント |
10%減配後でも税引前利回りは3.66%から3.96%ですが、株価が10%下がれば配当数年分を超える含み損になる場合があります。たとえば100株投資額48万6,800円の上組が10%下落すると、含み損は約4万8,680円です。年間配当2万500円だけでは一年で埋まりません。
目標利回りから買値を逆算する
権利日前に株価が上がったときは、年間配当予想を目標利回りで割ると買値の目安を機械的に出せます。以下は業績や企業価値を無視した単純計算であり、買い推奨価格ではありません。
| 銘柄 | 利回り4%になる株価 | 利回り4.5%になる株価 | 8月28日終値との位置 |
|---|---|---|---|
| 安藤ハザマ | 2,100円 | 約1,867円 | 4%基準を下回り、4.5%基準を上回る |
| SUBARU | 2,900円 | 約2,578円 | 4%基準を下回り、4.5%基準を上回る |
| 三和ホールディングス | 3,650円 | 約3,244円 | 記念配当込みでは4%超 |
| 上組 | 5,125円 | 約4,556円 | 4%基準を下回り、4.5%基準を上回る |
| 積水ハウス | 3,625円 | 約3,222円 | 4%基準を下回り、4.5%基準を上回る |
三和ホールディングスを普通配当132円だけで計算すると、利回り4%になる株価は3,300円です。記念配当込みの3,650円と350円の差があります。一時的な配当を含む会社は、総額ベースと普通配当ベースの二つの買値を用意すると判断しやすくなります。
税引後の受取額を比べる
課税口座では、国内上場株式の配当に通常20.315%が源泉徴収されます。100株を一年保有し、会社予想どおりの年間配当を受け取った場合の概算を示します。実際の税額は損益通算や確定申告などで変わる場合があります。
| 銘柄 | 税引前年間配当 | 課税口座の手取り概算 | 手取り利回り概算 |
|---|---|---|---|
| 安藤ハザマ | 8,400円 | 6,694円 | 3.48% |
| SUBARU | 1万1,600円 | 9,243円 | 3.50% |
| 三和ホールディングス | 1万4,600円 | 1万1,634円 | 3.24% |
| 上組 | 2万500円 | 1万6,335円 | 3.36% |
| 積水ハウス | 1万4,500円 | 1万1,554円 | 3.37% |
NISA口座で国内株式の配当を非課税にするには、一般に株式数比例配分方式を選ぶ必要があります。NISAで買えば受取方法に関係なく自動的に非課税になるとは限りません。証券会社の配当金受取方式を確認してください。
5社を100株ずつ買う場合
| 項目 | 計算結果 | 注意点 |
|---|---|---|
| 合計投資額 | 164万4,450円 | 手数料を含まない |
| 税引前年間配当 | 6万9,600円 | 会社予想どおりの場合 |
| 加重平均利回り | 約4.23% | 記念配当14円を含む |
| 課税口座の手取り概算 | 約5万5,461円 | 税率20.315%で単純計算 |
| 9月末権利の4社投資額 | 130万1,650円 | 積水ハウスを除く |
5社に分けても完全な分散にはなりません。安藤ハザマと積水ハウスは建設費や金利の影響を受け、SUBARUと三和ホールディングスは北米景気や為替の影響があります。上組も世界の荷動きに左右されます。銘柄数だけでなく、利益を動かす要因が重ならないかを確認してください。
目的別に見る調査の起点
| 重視する観点 | 先に確認したい会社 | 理由 | 必ず確認する弱点 |
|---|---|---|---|
| 現在利回り | SUBARU | 5社最高の4.40% | 第1四半期営業利益44.3%減 |
| 累進配当の明確さ | 安藤ハザマ | 累進配当と80円以上を明示 | 土木と建築の採算差 |
| DOE重視 | 三和HD、SUBARU | DOE10%と3.5%を設定 | 記念配当、海外採算、自動車市況 |
| 財務の厚み | 上組 | 第1四半期末自己資本比率75.1% | 高い配当性向と減益予想 |
| 配当下限 | 積水ハウス | 中計期間は145円を下限 | 米国住宅と次の権利日 |
「どれが一番良いか」ではなく、自分が許容できるリスクに合うかで選びます。業績の安定を重視する人と、株価下落からの回復余地を重視する人では、確認すべき会社が変わります。下落幅が大きい会社ほど安全になるわけではありません。
株価がさらに下がった場合の利回り感応度

暴落時は、底値を一度で当てようとせず、株価と利回りの関係を段階的に見る方法があります。年間配当予想が変わらないという仮定で、8月28日終値から株価だけが5%または10%下落した場合を計算しました。これは下落を予測するものではなく、買値によって利回りがどの程度動くかを把握するための試算です。
| 銘柄 | 8月28日時点 | 株価5%下落時 | 株価10%下落時 | 計算上の注意 |
|---|---|---|---|---|
| 安藤ハザマ | 4.37% | 約4.60% | 約4.85% | 配当84円が維持される仮定 |
| SUBARU | 4.40% | 約4.63% | 約4.88% | 配当116円が維持される仮定 |
| 三和ホールディングス | 4.07% | 約4.29% | 約4.52% | 記念配当14円を含む |
| 上組 | 4.21% | 約4.43% | 約4.68% | 配当205円が維持される仮定 |
| 積水ハウス | 4.23% | 約4.45% | 約4.70% | 配当145円が維持される仮定 |
株価が10%下がっても配当予想が同じなら、各社の計算上の利回りは0.4ポイントから0.5ポイントほど上がります。しかし、株価下落の原因が業績悪化なら、会社が配当予想を修正する可能性もあります。株価と配当を別々の固定値として扱わず、決算資料で利益計画が維持されたかを同時に確認してください。
三和ホールディングスは特に二段階で見る必要があります。株価が8月28日終値から10%下がった場合、記念配当込みなら利回りは約4.52%ですが、普通配当132円だけなら約4.09%です。現在利回りの高さを次期以降も期待するなら、一時的な14円を除く計算を優先するのが保守的です。
配当と自己株式取得を混同しない
株主還元には、現金で受け取る配当と、会社が市場から自社株を買う自己株式取得があります。どちらも株主還元ですが、個人投資家の受け取り方は同じではありません。配当は基準日時点の保有株数に応じて支払われる一方、自己株式取得は発行済株式数の減少や一株当たり指標の改善を通じて株価に影響する可能性があります。買い付けの実施額、期間、消却の有無、市場環境によって効果は変わります。
| 還元方法 | 投資家への届き方 | 確認する数字 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 普通配当 | 保有株数に応じて現金受取 | 年間配当、配当性向、DOE | 会社予想は修正される場合がある |
| 記念配当 | 対象年度に現金受取 | 普通配当との内訳 | 翌期に同額が続くとは限らない |
| 自己株式取得 | 一株価値や需給への間接効果 | 取得上限、実績、消却方針 | 発表上限まで買うとは限らない |
| 累進配当 | 配当維持への方針効果 | 対象期間、下限、例外条件 | 法的な支払保証ではない |
SUBARUの最大1,500億円の自己株式取得や、上組の総額650億円規模の計画は重要な還元策です。ただし、それらの金額を100株当たり配当へ足して年間受取額を計算することはできません。比較表の配当利回りには会社予想の現金配当だけを使い、自己株式取得は資本効率や一株価値を考える別項目として評価しています。
三和ホールディングスの総還元目標も同様です。DOEや総還元額が高くても、記念配当を含む146円が将来の最低額になるわけではありません。積水ハウスの145円下限も、第7次中期経営計画の対象期間における方針として読み、期間終了後は新しい還元方針を確認する必要があります。
権利取りより先に決めたい売却条件
高配当株を長期保有する場合でも、買う理由が崩れたときの確認条件を先に決めておくと、含み損や利回りの数字だけに判断を左右されにくくなります。単純な株価下落だけで売却を決めるのではなく、配当の原資となる利益、財務、会社の還元方針に変化があったかを確認します。
| 変化 | すぐ確認する資料 | 再評価する内容 |
|---|---|---|
| 通期業績の下方修正 | 決算短信、業績予想修正 | 一時要因か、事業競争力の悪化か |
| 配当予想の修正 | 配当予想修正、還元方針 | 普通配当、記念配当、特別配当の内訳 |
| 営業キャッシュフロー悪化 | キャッシュフロー計算書 | 配当と投資を継続できる資金余力 |
| 還元方針の変更 | 中期経営計画、適時開示 | 累進配当、DOE、配当下限の継続性 |
| 株価だけが急落 | 適時開示、決算説明資料 | 企業固有要因か市場全体の需給か |
たとえばSUBARUでは北米販売と採算、安藤ハザマでは工事利益率、三和ホールディングスでは海外事業の採算、上組では物流量と費用、積水ハウスでは米国住宅事業が重要です。年間配当額だけを追うより、配当を生む事業の指標を一つか二つ決め、決算ごとに同じ項目を継続確認するほうが変化を捉えやすくなります。
権利落ち後に短期で売る前提なら、配当額だけでなく売買手数料、税金、価格変動を含む総損益で考えます。長期保有なら、権利日直前の一日より、取得価格、分散、決算確認を続けられる保有量のほうが重要です。100株購入に必要な金額が銘柄ごとに約19万円から約49万円と異なるため、均等株数が均等なリスク配分になるわけでもありません。
購入前のチェックリスト
| 確認項目 | 具体的に見る内容 | 判断を急がない条件 |
|---|---|---|
| 配当の中身 | 普通、記念、特別配当を分ける | 一時的配当を除くと目標利回り未達 |
| 今期の増減 | 前期実績と今期会社予想を比較 | 過去の増配だけで今期を誤認 |
| 直近決算 | 売上と営業利益の方向 | 営業減益の理由が改善していない |
| 還元方針 | 累進配当、DOE、配当性向、下限 | 方針期間や計算基準が不明 |
| 権利日 | 会社ごとの決算月と基準日 | 中間基準日がすでに通過 |
| 買値 | 取得価格で利回りを再計算 | 権利日前の上昇を追いかける |
| 財務 | 自己資本、有利子負債、現金 | 配当と投資を借入で賄う |
| 集中リスク | 業種、地域、為替、顧客 | 保有株と利益要因が重なる |
権利付最終日までに買わなければならない、という焦りは禁物です。配当の権利を得ても、権利落ちや相場全体の下落で配当額以上に株価が下がる可能性があります。購入時期を分ける、決算後まで待つ、目標利回りに届かなければ見送ることもリスク管理です。
次に確認する決算と指標
| 銘柄 | 次の主な確認機会 | 重点指標 | 配当面の確認 |
|---|---|---|---|
| 安藤ハザマ | 第2四半期決算 | 土木・建築の利益率、受注残 | 中間42円の決議 |
| SUBARU | 第2四半期決算と月次販売 | 北米販売、奨励金、為替 | 中間58円とDOE |
| 三和ホールディングス | 第2四半期決算 | 北米・欧州利益、価格転嫁 | 普通66円と記念7円の内訳 |
| 上組 | 2026年11月12日予定の第2四半期 | 減価償却、修繕費、国際運送 | 中間100円と配当性向 |
| 積水ハウス | 2026年9月10日予定の第2四半期 | 米国住宅、国内開発、金利負担 | 年間145円と下限方針 |
積水ハウスは記事確認時点で第2四半期決算発表前です。同社のIRカレンダーでは2026年9月10日を予定しています。発表後は第1四半期の数値だけで判断せず、通期予想と配当予想の変更有無を確認してください。上組の次回予定は上組のIRカレンダーで11月12日とされています。
よくある質問

5社はすべて予想配当利回り4%以上ですか
2026年8月28日終値と会社の年間配当予想で計算すると、5社とも4%以上です。ただし三和ホールディングスは記念配当14円を除くと3.68%です。買値や配当予想が変われば利回りも変わります。
5社はすべて今期も増配予想ですか
違います。安藤ハザマ、SUBARU、三和ホールディングス、積水ハウスは前期より多い年間配当を予想しています。上組は前期205円に対し今期も205円で、据え置き予想です。
三和ホールディングスの146円は来年も続きますか
現時点では分かりません。146円には70周年記念配当14円が含まれます。次期に記念配当がなくなり、普通配当の増加が14円に届かなければ、年間配当が減る可能性があります。
上組は連続増配が止まったのですか
今期の会社予想は前期実績と同額の205円なので、少なくとも現時点では今期増配予想ではありません。ただし減配予想でもなく、会社は中期的に安定的かつ持続的な増額を追求しています。
積水ハウスを9月に買えば中間配当を受け取れますか
2027年1月期の中間配当基準日は2026年7月31日で、すでに通過しています。次の配当基準日は2027年1月31日です。9月末基準の4社と混同しないでください。
2026年9月の権利付最終日はいつですか
9月30日を中間配当基準日とする安藤ハザマ、SUBARU、三和ホールディングス、上組は、原則として9月28日が権利付最終日、9月29日が権利落ち日です。証券会社の取引画面でも確認してください。
累進配当なら減配はありませんか
累進配当は原則として前期配当を維持または増額する考え方ですが、法的保証ではありません。巨額損失、財務制約、方針変更などで見直される可能性があります。
DOEが高い会社ほど安全ですか
一概にはいえません。DOEは単年度利益の変化を和らげますが、自己資本が減少した場合や目標が変更された場合は配当に影響します。三和ホールディングスのDOE10%は還元が厚い一方、投資余力との両立も確認が必要です。
PBRが最も低いSUBARUが割安ですか
PBR0.67倍だけでは決められません。第1四半期は営業利益が44.3%減っており、北米販売、販売奨励金、原材料市況、為替の変化を確認する必要があります。
株価暴落日に一括購入するのが有利ですか
必ずしも有利ではありません。下落理由が一時的な需給か、業績悪化かを見分ける必要があります。投資時期を分け、決算を確認してから追加する方法もあります。
権利落ち日に売れば配当だけ得られますか
権利付最終日まで保有していれば通常は配当の権利を得られますが、権利落ち日に株価が配当額以上に下がることがあります。税金や手数料もあり、利益が出るとは限りません。
100株未満でも配当を受け取れますか
単元未満株でも基準日に株主名簿へ記録され、会社の配当条件を満たせば、保有株数に応じた配当を受け取れるのが一般的です。注文方法や約定時期は証券会社によって異なります。
NISAなら配当は必ず非課税ですか
国内株式の配当をNISAで非課税にするには、一般に株式数比例配分方式で受け取る必要があります。受取方式によっては課税されるため、証券会社で設定を確認してください。
5社をすべて買えば十分に分散できますか
銘柄数は増えますが、十分とは限りません。建設費、海外景気、北米市場、為替など共通要因があります。保有中のほかの株式や投資信託も含め、業種と収益要因を分散してください。
この記事の数値はいつまで有効ですか
株価指標は2026年8月28日終値、会社情報は2026年8月31日確認時点です。株価と会社予想は変わります。実際に売買するときは最新IRと証券会社画面を人間による確認で再点検してください。
この記事だけで購入を決めてもよいですか
本記事は比較のための情報整理で、特定銘柄の推奨ではありません。投資経験、資産状況、損失許容度、保有期間は人によって異なります。必要に応じて金融機関や税務の専門家へ相談してください。
まとめ

| 最終確認 | 比較で分かったこと |
|---|---|
| 利回り | 5社とも4%台だが、差は最大0.33ポイント |
| 増配 | 4社は増配予想、上組は据え置き予想 |
| 一時的配当 | 三和HDの146円には記念配当14円を含む |
| 権利日 | 9月末権利は4社、積水ハウスは次回1月末 |
| 直近業績 | 営業増益2社、営業減益3社 |
| 投資判断 | 下落率より、減益理由と還元方針を優先 |
株価下落時は、利回りが上がったことだけに注目しがちです。しかし今回の5社でも、累進配当、DOE、配当性向、配当下限、記念配当と仕組みが異なります。さらに、今期増配ではない会社や、直近の配当基準日が異なる会社もあります。
暴落を買い場と判断する前に、普通配当だけの利回り、最新決算の利益方向、配当方針の期間、次の権利日を確認してください。取得価格を決め、複数回に分けて投資し、業績前提が崩れたときは買値の安さではなく投資理由そのものを見直すことが重要です。
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