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「担保に株を入れているのに、なぜFXのポジションが強制決済されたのか」。SBI証券のFX株券担保サービスで、本来不要だったロスカットが779口座に発生しました。利用者にとって大切なのは、原因の把握だけでなく、自分が対象か、決済された取引はどう扱われるのかを確認することです。
SBI証券が2026年10月14日に公表した内容では、担保株式の評価額が保証金へ反映されない障害が起き、10月13日5時30分に復旧しています。407口座はポジション復元済みで、ロスカット後に取引などがあった372口座は個別対応です。会社は、外部からの不正アクセスや個人情報・資産情報の流出はなかったと説明しています。
この記事では、影響範囲、復元・補償の考え方、ログイン後に確認する項目を公式発表から整理します。後半では、株価の下落と為替の損失が重なる「株券担保FX」特有の仕組みも、100万円の株式を使う例で解説します。まずは自分の口座で確認すべき点から見ていきましょう。
対象者が先に押さえたいポイント
- 対象サービスはSBI証券のFX株券担保サービス。779は誤ったロスカットが生じた口座数。
- システムは10月13日5時30分に復旧。すべての個別対応が完了したという意味ではない。
- 407口座は復元済み。372口座と自主決済した利用者等は意向を確認して個別対応。
- ログイン後の「重要なお知らせ」と取引・入出金・振替履歴を確認する。
- 「一律で現金補償」「全口座が自動で元どおり」とは発表されていない。
SBI証券の誤ったロスカットとは?対象サービスと影響範囲

| 項目 | 公式発表の内容 |
|---|---|
| 対象サービス | FX株券担保サービス |
| 障害の発生期間 | 2026年10月12日(月・祝)の取引開始時~10月13日(火)5時30分 |
| 起きたこと | 代用評価額が反映されず、保証金が実際より少なく計算された |
| 誤ったロスカット | 779口座 |
| 復旧 | 10月13日4時~5時30分の臨時メンテナンスで代用評価額を正しく反映 |
| 利用者への案内 | 10月13日、ログイン後の「重要なお知らせ」で個別案内 |
| 不正アクセス・情報流出 | 会社は今回の障害で発生していないと説明 |
出典:SBI証券「FX株券担保サービスにおけるシステム障害の発生とお客さまへの対応について」。ロスカットは、一定の保証金水準を下回ったときにFXのポジションを強制的に決済する仕組みです。今回は、判定に使う担保評価が正しく反映されず、本来の口座状況なら不要な決済が行われました。
779口座は「SBI証券の利用者全員」ではない
今回の発表で対象となっているのはFX株券担保サービスです。SBI証券のすべての現物株口座、NISA口座、投資信託口座で同じ誤決済が起きたという発表ではありません。一方で、自主的に決済した利用者等も個別対応の対象として示されており、影響を受けた利用者の総数を779口座だけで断定するのも適切ではありません。
「自分はSBI証券を使っているから対象」と判断せず、株券担保サービスを利用していたか、該当期間の決済があるか、個別案内が届いているかを順に確認しましょう。
補償はどうなる?407口座の復元と372口座の個別対応

SBI証券の基本方針は、利用者の意向を確認したうえで、障害がなかった場合の状態に戻す「ポジションの復元」です。現金で一律にいくら払うという制度が発表されたわけではありません。ロスカット後にどのような操作をしたかによって、対応が分かれます。
| 利用者の状況 | 口座数 | 発表された対応 |
|---|---|---|
| 誤ロスカット後、取引・入出金・代用有価証券の振替指示をしていない | 407口座 | 10月13日の臨時メンテナンスで決済前のポジションへ復元。希望しない場合は申し出を受け付ける |
| 誤ロスカット後、取引・入出金・振替指示のいずれかを行った | 372口座 | 一律に復元せず、希望を確認して個別対応 |
| 強制決済を避けるため自分で決済した利用者等 | 発表に口座数の記載なし | 復元希望の有無を確認し、意向に沿って個別対応 |
この区分はSBI証券の利用者対応の説明に基づきます。407と372を合計すると779口座になりますが、自主決済した利用者等は別の区分です。自分がどこに当てはまるか、取引履歴と案内を照らし合わせて確認してください。
なぜ372口座は自動復元されないのか
決済後に新しく取引をした場合や、入出金・担保株の振替をした場合は、決済前へ一律に戻すと、その後の取引にも影響するおそれがあります。そのため、会社は復元希望を確認したうえで個別に対応するとしています。372口座という数字を、そのまま「補償されない口座数」と読むのは誤りです。
また、「システム復旧」と「利用者への対応完了」は別です。10月13日5時30分に評価額の反映は復旧しましたが、個々の取引や希望を確認する対応がすべて終わったとは発表されていません。
復元済みでも、希望と違う場合は案内を確認する
407口座の対象者でも、復元を希望しない場合は申し出を受け付けるとされています。画面のポジションが戻っていたら終わりとせず、復元内容とその後の注文・決済を確認しましょう。個別の金銭調整、手続期限、必要書類などは、一律の条件を推測せず自分宛ての案内や窓口で確かめてください。
対象か確認する方法|重要なお知らせ・履歴・窓口をチェック

1.普段使っている経路でログインし、個別案内を読む
SBI証券の公式サイトや普段使っているアプリからアクセスし、ログイン後の「重要なお知らせ」を確認します。会社は対象者へ10月13日に案内を配信したとしています。メールやSMSのリンクだけを頼りに、ログイン情報を入力しないようにしましょう。
2.ロスカットと、その後の操作履歴を整理する
- 10月12日~13日の決済履歴:通貨ペア、売買方向、数量、時刻、決済価格。
- 決済前後の保証金・代用評価額・口座残高の表示。
- ロスカット後に行った取引、入出金、代用有価証券の振替指示。
- 自分で決済した場合の時刻と、その判断に関連した表示・通知。
- 復元されたポジション、個別案内、窓口とのやり取り。
上の一覧は、状況を説明しやすくするための整理例です。会社が全項目の提出を必須としているという意味ではありません。画面の保存や履歴の控えを用意すると、自主決済した場合や、その後に別の取引をした場合の経緯を伝えやすくなります。
3.復元の希望と、疑問点を公式窓口に伝える
「誤ロスカット後に入金した」「自分で決済した」「戻ったポジションを確認したい」など、具体的な状況を伝えます。ニュース記事だけで自分の扱いを決めず、個別案内に沿って復元希望や調整内容を確認してください。取引を続ける場合も、いま表示されているポジションと保証金を把握してから判断しましょう。
| 問い合わせ項目 | SBI証券の発表にある案内 |
|---|---|
| 窓口 | カスタマーサービスセンター |
| 受付時間 | 平日8時~17時 |
| 固定電話 | 0120-104-214 |
| 携帯電話 | 0570-550-104 |
電話番号・受付時間の出典は本件の公式発表です。最新の個別案内に連絡方法が指定されている場合は、その案内も確認してください。
今回の障害に便乗する連絡への対策は、証券口座の不正アクセス対策とアクセス経路の確認手順でも整理しています。取引の確認を済ませたら、認証や通知の設定も点検しておくと、別のトラブルを見つけやすくなります。
原因はIIJの作業誤り|必要なファイルを取り込まず処理が進行

SBI証券の説明によると、FXシステムの運営はSBIリクイディティ・マーケットへ委託され、運用の一部はインターネットイニシアティブ(IIJ)へ再委託されていました。直接の原因として示されたのは、再委託先の運用担当者による作業誤りです。
| 日時・段階 | 会社が説明した経緯 |
|---|---|
| 10月10日未明 | 担保情報ファイルの到着が予定より遅れ、担当者が別の処理と誤認。本来必要な処理を再実行しなかった |
| 10月10日1時25分まで | 必要なファイルは配置済み。正しい手順なら取り込み可能だった |
| 10月10日3時19分 | 担保情報と株価終値情報の2ファイルを取り込まず、後続の取り込み処理を再実行 |
| 10月12日の取引開始時 | 代用評価額が反映されない状態が利用者の保証金判定に影響 |
| 10月13日4時~5時30分 | 臨時メンテナンスで正しい評価額を反映 |
原因説明の出典はSBI証券の公式発表です。人の作業誤りに加え、必要なファイルがそろっているかを確認せず後続処理へ進める設計・運用だったため、誤りを検知して処理を止められなかったとされています。
会社が示した再発防止策は?
- ファイル連携時の確認・再実行手順を見直し、手順遵守と実施状況の確認を行う。
- 再委託先を含む委託先管理の体制を見直し、SBI証券による監督を強化する。
- 障害発生時の案内を、より迅速でわかりやすく届ける体制を整える。
これらは会社が取り組む方針として公表した内容です。再発防止策がすべて実装・検証済み、今後の障害がなくなる、とまでは発表から断定できません。利用者としては、続報と個別対応の内容を確認していくことになります。
株券担保FXとは?100万円の株が70万円の担保になる例

株券担保サービスは、保有する国内株式を担保として差し入れ、FX取引の預託保証金を増やせる仕組みです。SBI証券の操作ガイドでは、対象銘柄の数量・参考価格・代用掛目を掛けて代用評価額を計算し、代用掛目はおおむね70%と説明しています。銘柄や市場の状況などによって条件は変わります。
たとえば、参考価格で100万円分の対象株式を差し入れ、掛目が70%なら、FX保証金に加算される参考額は70万円です。口座に70万円の現金が入金されたり、株式が70万円で売却されたりするわけではありません。
| 仮定した状態 | 株式の参考評価額 | 掛目70%での代用評価額 |
|---|---|---|
| 株式を担保に差し入れたとき | 100万円 | 70万円 |
| 担保株が20%下落したとき | 80万円 | 56万円 |
| 今回の障害を理解する模式例 | 本来は評価額がある | 担保分が正しく反映されず、保証金を過少に計算 |
表の100万円・20%下落は説明用の仮定で、今回の利用者の実際の損失額を示すものではありません。担保の値下がりだけで保証金としての評価は14万円減ります。さらにFXの取引が含み損を抱えると、株式と為替の両方が余力に影響します。
「現金を追加しない」ことと「損失が出ない」ことは別
手持ちの株式を活用できても、FXのリスクがなくなるわけではありません。SBI証券のFXサービス概要は、急な相場変動で設定したロスカット水準を下回る価格で決済される可能性や、保証金を超える損失が生じる可能性を説明しています。
今回の誤ロスカットは運用障害に起因するものですが、通常の取引では担保株の値下がりと為替の変動にも備える必要があります。現金残高だけを見ず、代用評価額・FXの含み損益・取引数量を一緒に確認するのが基本です。
NISAの株は対象?現物株・貸株・FXの違い

SBI証券のFAQでは、NISA預りの株式は信用取引やFXの代用有価証券の対象外とされています。今回のニュースを見て「NISAの保有株もFX担保として誤評価された」と結び付けることはできません。出典はNISA口座の株式と信用・FX担保に関する公式FAQです。
| サービス・保有方法 | 仕組み | 今回のニュースとの関係 |
|---|---|---|
| 通常の現物株保有 | 株式を購入して保有する | 今回の発表は現物株の全口座に同じ障害が起きたという内容ではない |
| NISAでの株式保有 | 非課税制度の対象口座で保有する | NISA預り株式はSBI証券のFX担保対象外 |
| FX株券担保 | 対象株式をFX保証金の担保にする | 今回の障害が発生したサービス |
| 貸株 | 株式を証券会社などへ貸し出す | FX株券担保と異なる仕組み。併用条件の確認が必要 |
SBI証券の株券担保ガイドでは、信用取引口座、貸株サービス、証券担保ローン、SBI株オプションなどを利用している場合に申込制限があると説明しています。証券会社ごとの制度を混ぜず、いま利用しているサービス名で条件を確認しましょう。
NISAの配当や認証など、口座設定を整理したい人は、楽天証券のNISA設定チェックも参考になります。こちらは楽天証券向けの記事なので、SBI証券の操作画面と同じものとして扱わないでください。
不正アクセスではない?便乗詐欺と別の口座トラブルに注意

SBI証券は今回の障害について、外部からの不正アクセス等によるものではなく、個人情報や資産情報の流出も生じていないと説明しています。したがって、今回の原因を「パスキーが突破された」「口座が乗っ取られた」と表現するのは適切ではありません。
一方で、会社は本件に便乗した不審なメール・SMS・電話にも注意を促しています。本件に関してユーザーネームやパスワードを尋ねることはないとしています。「補償の受け取りにログイン情報が必要」と持ちかけられた場合は、その連絡を信頼せず、公式のログイン経路と窓口で確認してください。
本件の復元対応とは別に、認証情報を守る設定も必要です。楽天証券のパスキーと不正アクセス対策では、登録済み認証・通知・端末管理の点検項目をまとめています。サービスごとに設定画面を確認する際の参考にしてください。
障害への備えを見直す|口座選びと資産管理の確認項目

今回の障害は、利用者が設定を変えるだけで防げる種類のものではありません。利用者側でできる備えは、取引状況を把握し、履歴を残し、公式案内にすぐアクセスできるようにしておくことです。
- 担保株の評価額とFXのポジションを、別々に確認できる状態にする。
- 問い合わせ先と公式のお知らせの場所を把握する。
- 余力や決済の通知を確認し、普段と違う表示を記録する。
- 緊急時に必要な現金まで、担保や高いレバレッジの取引に使わない。
- ほかの口座も利用する場合は、目的・手数料・管理の手間を比較する。
複数の口座を使うことは、すべての障害や損失を防ぐ保証ではありません。ログイン情報や資産全体を管理する手間も増えます。まずは自分が使う取引と必要な資金を整理し、証券会社のサービス内容を比較しましょう。
国内株式やNISAの口座を別途検討したい場合は、楽天証券の公式サービスも比較候補になります。今回の被害への対応・復元を受ける窓口はSBI証券であり、新しい口座の申込で解決するものではありません。
口座を選ぶ際は、売買手数料の適用条件、認証方法、問い合わせ手段を確認してください。この記事の広告リンクは比較用で、他社なら障害が起こらないことや、利益が得られることを示すものではありません。
外貨の運用方法そのものを見直したい人は、米ドルMMFと外貨預金の違いへ進むと、FX以外の方法も含めて仕組み・税金・為替リスクを比較できます。
SBI証券の誤ロスカットでよくある質問

SBI証券のシステム障害は復旧している?
担保株式の評価額が反映されない障害は、10月13日5時30分に復旧したと発表されています。個々の利用者への復元・個別対応がすべて完了したという意味ではありません。
779口座すべてが自動で復元された?
自動的に復元されたのは、誤ロスカット後に取引・入出金・振替指示をしていない407口座です。これらの操作があった372口座は希望を確認して個別対応します。
自分で損切りした場合は対象外?
会社は、強制決済を避けるために自分でポジションを決済した利用者等も、希望を確認して個別対応するとしています。履歴と個別案内を確認し、公式窓口へ状況を伝えてください。
補償金は一律で支払われる?
公式発表の基本方針は、障害がなかった場合の状態へポジションを復元することです。一律の現金補償額や支払日が発表されたわけではありません。個別の扱いは案内と窓口で確認してください。
NISAの保有株もFX担保になる?
SBI証券のFAQではNISA預り株式は信用取引やFXの代用有価証券の対象外です。今回の発表は、NISAの全口座が同じ誤ロスカットの対象になったという内容ではありません。
IIJへのサイバー攻撃が原因?
SBI証券は、再委託先の運用担当者による作業誤りが直接の原因で、外部からの不正アクセスではないと説明しています。今回の障害で個人情報・資産情報の流出もないとしています。
対象者向けのお知らせはどこにある?
SBI証券にログイン後の「重要なお知らせ」です。会社は対象者に10月13日に配信したとしています。メールやSMSのリンクに頼らず、普段の公式経路から確認してください。
ロスカットがあれば保証金以上の損失は出ない?
FXでは急な相場変動などにより、ロスカットがあっても保証金を上回る損失が生じる可能性があります。担保株を使う場合は、株価と為替の両方の変動も考える必要があります。
まとめ|まず個別案内と復元内容を確認する

SBI証券のFX株券担保サービスでは、代用評価額が反映されない障害により779口座で誤ったロスカットが起きました。システムは復旧し、407口座はポジション復元済み。372口座と自主決済した利用者等は、意向を確認して個別対応する方針です。
対象か気になる人は、ログイン後の「重要なお知らせ」、決済・入出金・振替履歴を確認し、復元希望や疑問点をSBI証券へ伝えましょう。そのうえで、証券口座の認証・通知・アクセス経路の確認手順を読むと、今回とは別の不正アクセスへの備えも整理できます。








