高校生や大学生の子どもがいる会社員は、年末調整で扶養控除を受けられます。子どもがアルバイトをしている家庭では「いくらまで稼いでも扶養のままか」も気になるところです。2026年分のルールで先に結論をまとめます。
- 高校生年代(16〜18歳)の扶養控除は38万円(住民税33万円)。縮小の議論はあったが、2026年分は変わらず、与党の税制改正大綱では2027年分も現行制度を維持
- 大学生年代(19〜22歳)は特定扶養控除63万円(住民税45万円)
- 子どものアルバイト収入が136万円以下なら扶養控除の対象。19〜22歳は197万円以下まで特定親族特別控除で段階的に控除が残る
この記事は国税庁のタックスアンサー(No.1180 扶養控除、No.1177 特定親族特別控除)と「令和8年4月源泉所得税の改正のあらまし」、財務省と与党の税制改正大綱、日本年金機構の案内を2026年9月29日時点で確認して書いています。
配偶者の控除は配偶者控除と配偶者特別控除の違い、年末調整全体の変更点は2026年分の年末調整の変更点で解説しています。
子どもの年齢別の扶養控除(2026年分)
扶養控除の額は子どもの年齢で決まります。年齢はその年の12月31日時点で判定します。
| 12月31日時点の年齢 | 区分 | 所得税の控除額 | 住民税の控除額 |
|---|---|---|---|
| 15歳以下(中学生まで) | 年少扶養親族 | なし | なし |
| 16〜18歳(高校生年代) | 一般の控除対象扶養親族 | 38万円 | 33万円 |
| 19〜22歳(大学生年代) | 特定扶養親族 | 63万円 | 45万円 |
| 23〜69歳 | 一般の控除対象扶養親族 | 38万円 | 33万円 |
15歳以下の子どもには扶養控除がありません。その代わりに児童手当が支給されています。2026年に高校3年生で12月31日時点で18歳の子は38万円、大学1年生で19歳になった子は63万円です。
子どものアルバイト収入と親の控除(2026年分)
子どもの収入が給与(アルバイト代)だけの場合の早見表です。2026年分は給与所得控除の最低額が74万円に上がったため、境目が上がりました。
| 子どものアルバイト収入 | 16〜18歳(高校生年代) | 19〜22歳(大学生年代) |
|---|---|---|
| 136万円以下 | 扶養控除38万円 | 特定扶養控除63万円 |
| 136万円超159万円以下 | 控除なし | 特定親族特別控除63万円 |
| 159万円超164万円以下 | 控除なし | 特定親族特別控除61万円 |
| 164万円超169万円以下 | 控除なし | 特定親族特別控除51万円 |
| 169万円超174万円以下 | 控除なし | 特定親族特別控除41万円 |
| 174万円超179万円以下 | 控除なし | 特定親族特別控除31万円 |
| 179万円超184万円以下 | 控除なし | 特定親族特別控除21万円 |
| 184万円超189万円以下 | 控除なし | 特定親族特別控除11万円 |
| 189万円超194万円以下 | 控除なし | 特定親族特別控除6万円 |
| 194万円超197万円以下 | 控除なし | 特定親族特別控除3万円 |
| 197万円超 | 控除なし | 控除なし |
高校生年代の子は、136万円を超えると親の扶養控除がなくなります。大学生年代の子は、159万円までなら親の控除は63万円のまま、そこから197万円まで段階的に減ります。特定親族特別控除は2025年分から始まった制度で、国税庁のNo.1177に控除額の表があります。
2025年分から何が変わった?
| 境目 | 2025年分 | 2026年分 |
|---|---|---|
| 扶養控除の対象になる子の年収 | 123万円以下 | 136万円以下 |
| 特定親族特別控除63万円(満額)の上限 | 150万円 | 159万円 |
| 特定親族特別控除がなくなる年収 | 188万円超 | 197万円超 |
2026年に子どものアルバイト収入が123万円を超えて136万円以下になりそうな家庭は、2025年のルールでは扶養から外れていましたが、2026年分は扶養控除の対象です。年末調整で申告書に追記します(後の章で説明します)。
高校生の扶養控除はなくなる?これまでの経緯
高校生年代の扶養控除は、児童手当が高校生年代まで延長されたことを受けて、縮小が議論されてきました。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2023年12月 | 令和6年度税制改正の大綱で、16〜18歳の扶養控除を所得税38万円から25万円、住民税33万円から12万円に縮小する方向を示し、2026年分以後の扱いを翌年の改正で結論を出すとした |
| 2024年10月 | 児童手当を拡充。所得制限をなくし、支給を高校生年代まで延長(月1万円、第3子以降は月3万円) |
| 2025年12月19日 | 与党の令和8年度税制改正大綱で、高校生年代の扶養控除は2027年分の所得税と2028年度分の住民税も「現行制度を維持する」とした。今後も検討を続ける |
| 2026年9月時点 | 2026年分の扶養控除は38万円のまま(国税庁のタックスアンサーNo.1180) |
出典は財務省の令和6年度税制改正の大綱と、自由民主党・日本維新の会の令和8年度税制改正大綱、こども家庭庁の児童手当制度のご案内です。大綱では、住宅ローン控除や生命保険料控除の拡充も念頭に「引き続き検討」とされているため、2028年分以後はまた議論になる可能性があります。
児童手当の拡充の中身は児童手当の拡充の記事にまとめています。
子ども自身の税金はいつからかかる?
子どもが稼いだ分に、子ども自身の税金がかかるかどうかは、親の扶養控除とは別の話です。
| 税金 | 2026年分の目安(給与だけの場合) |
|---|---|
| 子どもの所得税 | 年収178万円までかからない(基礎控除104万円+給与所得控除74万円) |
| 子どもの住民税 | 所得税より低い年収からかかることがある。基準は市区町村で違い、勤労学生控除(住民税26万円)などで変わる |
勤労学生控除は、所得税では合計所得89万円以下(給与だけなら163万円以下)の学生が受けられます。ただ2026年・2027年分は基礎控除が大きく上がったため、給与だけの学生なら勤労学生控除がなくても178万円まで所得税はかかりません。住民税では引き続き意味があります。
社会保険の扶養は別の基準(130万円と150万円)
健康保険の扶養は、税金とは別の基準です。日本年金機構の案内では次のとおりです。
| 子どもの年齢 | 扶養に入れる年間収入の基準 |
|---|---|
| 18歳以下(高校生年代など) | 130万円未満 |
| 19歳以上23歳未満 | 150万円未満(2025年10月1日以後の認定から) |
19〜22歳の判定は、扶養の認定日が属する年の12月31日時点の年齢で行います。年間収入は過去の実績ではなく、これから1年間の見込みで見ます。2026年4月からは、給与収入だけの人は労働条件通知書などの労働契約の内容で判定できるようになりました。詳しくは日本年金機構の案内を確認してください。
大学生の子の場合、税金は197万円まで段階的に控除が残りますが、健康保険の扶養は150万円未満が基準です。先に超えるのは健康保険の150万円なので、アルバイトの予定を立てるときはこちらを目安にすると安心です。
子どものアルバイト代、年収の目安まとめ
| 年収の目安 | 何が起きるか | 対象 |
|---|---|---|
| 136万円 | 超えると親の扶養控除がなくなる(19〜22歳は特定親族特別控除に切り替わる) | 親の所得税 |
| 130万円 | 以上の見込みで健康保険の扶養から外れる | 18歳以下など |
| 150万円 | 以上の見込みで健康保険の扶養から外れる | 19〜22歳 |
| 178万円 | 超えると子ども自身に所得税がかかる | 子の所得税 |
| 197万円 | 超えると親の特定親族特別控除もなくなる | 19〜22歳 |
12月の年末調整でやること
子どもの控除は、年末調整で次の書類に書いて受けます。
- 「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に、扶養控除の対象の子(年収136万円以下の見込み)を書く
- 19〜22歳で年収136万円超197万円以下の見込みの子は、「基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼特定親族特別控除申告書兼所得金額調整控除申告書」の特定親族特別控除の欄に書く
- 子どもの2026年の年収が123万円超136万円以下で、これまで申告書に書いていなかった場合は、扶養控除等申告書に追記し、「異動月日及び事由」欄に「令和8年12月1日 改正」などと書く
見込みの年収より実際が多くなり、控除の区分が変わった場合は、勤務先に年末調整のやり直しを相談するか、確定申告で直します。
よくある質問
高校生の子どもの扶養控除は、2026年からなくなりますか
なくなりません。2026年分は38万円(住民税33万円)です。与党の令和8年度税制改正大綱では、2027年分の所得税と2028年度分の住民税も現行制度を維持するとしています。
高校3年生の子が18歳で、アルバイト収入が140万円です
16〜18歳の子は、給与収入が136万円を超えると扶養控除の対象から外れます。特定親族特別控除は19〜22歳が対象なので、この場合は親の控除はありません。
大学生の子のアルバイト収入が160万円です。親の控除はいくらですか
19〜22歳で年収160万円なら、子の合計所得は86万円(160万円−74万円)で、特定親族特別控除61万円です。健康保険の扶養は150万円未満が基準なので、健康保険の扶養からは外れる見込みです。
大学生の子が年収190万円稼ぐと、子どもに所得税はかかりますか
2026年分は給与だけなら178万円を超えるとかかります。190万円の場合、課税される所得は12万円で、所得税は6,100円(復興特別所得税を含む)です。社会保険料の控除があればさらに少なくなります。親の控除は特定親族特別控除6万円です。
年齢はいつの時点で判定しますか
税金の扶養控除は、その年の12月31日時点の年齢で判定します。2026年に19歳の誕生日を迎える子は、2026年分は特定扶養親族(63万円)になります。健康保険の19〜22歳の基準も、認定日が属する年の12月31日時点の年齢です。
子どもの住民税はいくらからかかりますか
住民税は市区町村の基準で決まり、所得税より低い年収からかかることがあります。勤労学生控除(住民税26万円)で非課税になる場合もあるので、お住まいの市区町村で確認してください。
子ども名義の投資の利益も所得に入りますか
特定口座(源泉徴収あり)で確定申告をしない利益は、合計所得に入りません。こどもNISAで運用する場合の利益は非課税です。こどもNISAの手続きはこどもNISAの口座開設の記事で解説しています。
まとめ
- 16〜18歳は扶養控除38万円、19〜22歳は63万円。高校生年代の扶養控除は2026年分も変わらず、2027年分も現行制度を維持する方針
- 子のアルバイト収入136万円以下なら扶養控除。19〜22歳は197万円まで特定親族特別控除が段階的に残る
- 健康保険の扶養は130万円未満(19〜22歳は150万円未満)で、税金より先に超えやすい
- 子ども自身の所得税は、給与だけなら178万円まで0円
子育て世帯が申請で受け取れる給付や控除は申請すればもらえるお金55選にまとめています。




