※本記事には広告が含まれます。

キーエンス(6861)は2026年10月29日、普通株式1株を5株にする株式分割を発表しました。基準日は11月20日、効力発生日は11月21日です。100株を持っている場合、分割後は500株になります。
同時に、2027年3月期の中間配当を分割前1株当たり325円に増額し、期末配当を分割後1株当たり65円とする予想も公表しています。「325円から65円に減るから減配」と読むと、分割前後の単位を混同してしまいます。
この記事では、いつまでに買えば分割の対象となるか、購入資金はいくらに下がるか、保有株と配当・NISAはどう変わるかを表で整理します。買いやすくなることと、割安になることの違いまで確認しましょう。
キーエンス株式分割の要点
- 分割比率は1株→5株。基準日は2026年11月20日、効力発生日は11月21日。
- 通常の国内現物株の受渡日程では、権利付き最終日は11月18日、権利落ち日は11月19日と計算できる。
- 単元株式数は100株。分割だけを考えた100株の必要資金は従来の5分の1。
- 中間配当325円は分割前、期末配当予想65円は分割後。分割前換算の年間予想は650円。
- 株数が5倍でも資産価値が自動的に5倍になるわけではない。
キーエンスの株式分割はいつ?1株を5株、11月21日効力発生

| 項目 | 会社発表の内容 |
|---|---|
| 銘柄 | キーエンス・証券コード6861・東証プライム |
| 発表・取締役会決議 | 2026年10月29日(木) |
| 分割比率 | 普通株式1株につき5株 |
| 基準日公告日 | 2026年11月5日(木) |
| 基準日 | 2026年11月20日(金) |
| 効力発生日 | 2026年11月21日(土) |
会社が示す目的は、投資単位当たりの金額を引き下げ、株式の流動性向上と投資家層の拡大を図ることです。今回の分割による資本金の変更はありません。
出典 キーエンス「株式分割及び定款の一部変更に関するお知らせ」
分割前の株を買うなら、基準日当日では遅い
会社の分割基準日は11月20日ですが、取引所で約定した当日に受渡しが完了するわけではありません。国内株式の通常の受渡日程では、基準日の2営業日前が権利付き最終日となります。
| 売買上の目安 | 日付 | 意味 |
|---|---|---|
| 権利付き最終日 | 2026年11月18日(水) | 分割前の株を買って権利を得る場合の最終売買日 |
| 権利落ち日 | 2026年11月19日(木) | 分割を反映した価格・株数の単位での取引に切り替わる日 |
| 分割基準日 | 2026年11月20日(金) | 会社が権利対象を確定する基準日 |
| 効力発生日 | 2026年11月21日(土) | 会社発表上、株式分割の効力が生じる日 |
権利付き最終日・権利落ち日は、会社が公表した基準日と通常の国内株式の受渡ルールから算出したものです。証券会社の案内で、注文受付、口座への反映、売却可能な株数も確認してください。単元未満株や貸株、信用取引では処理が異なる場合があります。
出典 SBI証券「配当金・株主優待・株式分割などの権利を得るには?」
分割後に買っても投資はできる。権利を取ること自体が利益ではない
分割の権利を得るために、必ず事前に買う必要があるという話ではありません。分割後の株を購入することもできます。分割前に持っていた人は株数が増えますが、理論上の1株価値も調整されるため、それだけで得をする仕組みではありません。
キーエンスは分割後いくらで買える?100株の必要資金を比較

キーエンスの単元株式数は100株です。今回の発表は1株を5株に分けるもので、単元株式数を5分の1にする発表ではありません。分割だけを考えると株価は5分の1、100株を買う資金も5分の1となります。
出典 キーエンス「株式情報」
次は価格の仕組みを理解するための仮の計算です。実際の終値、分割後の予想株価、売買の推奨価格を示すものではありません。手数料等は含めていません。
| 仮の分割前株価 | 分割前100株の代金 | 分割後の理論株価 | 分割後100株の代金 |
|---|---|---|---|
| 6万円 | 600万円 | 1万2,000円 | 120万円 |
| 8万円 | 800万円 | 1万6,000円 | 160万円 |
| 10万円 | 1,000万円 | 2万円 | 200万円 |
例えば分割前が8万円なら、分割後の理論株価は1万6,000円です。100株では160万円となり、必要資金は下がっても、数万円で100株を買える水準になるわけではありません。実際の取引価格は需給や相場で変動します。
保有100株が500株になっても、価値は単純に5倍にならない
仮に8万円で100株を保有していた場合、分割前の評価額は800万円です。分割後は500株×1万6,000円=800万円で、分割だけなら評価額は変わりません。取得単価も、一般に分割比率に応じて調整されます。
価格が小さく表示されることと、企業の利益に対して割安になることは別です。過去の株価や1株当たり利益と比較するときも、分割調整の有無をそろえる必要があります。
分割後の必要資金や取得単価の考え方は、キオクシアの株式分割で株価・必要資金がどう変わるかでも整理しています。分割比率が違っても、計算の基本は共通です。
配当は減る?中間325円と期末65円を同じ単位で比較

2026年10月29日の配当発表では、中間配当は分割前の株数、期末配当予想は分割後の株数を使っています。そのまま足したり、金額だけを比べたりしないことが重要です。
| 項目 | 今回の発表 | 分割前1株当たりに換算 |
|---|---|---|
| 2027年3月期の中間配当 | 325円(分割前1株当たり・決定) | 325円 |
| 2027年3月期の期末配当予想 | 65円(分割後1株当たり) | 325円(65円×5) |
| 年間配当予想の比較用合計 | 会社の年間欄は「-」 | 650円 |
| 従来の年間配当予想 | 分割前ベース550円 | 550円 |
分割前の単位にそろえると、年間予想は550円から650円へ100円の増額です。期末の65円も、分割前1株の持分に直すと325円になるため、275円からの実質増配となります。期末配当は予想であり、確定配当とは区別してください。
出典 キーエンス「剰余金の配当及び期末配当予想の修正に関するお知らせ」
分割前100株を継続保有する場合の配当試算
中間配当の対象となる100株を保有し、その後も売買せず分割後500株を期末の権利日まで保有するケースでは、税引前の中間配当は325円×100株=3万2,500円、期末予想は65円×500株=3万2,500円です。合計は6万5,000円となります。
ただし、これから買う人が中間配当も受け取れるわけではありません。中間配当の基準日はすでに2026年9月20日で、支払開始予定日は11月26日です。支払日より前に買えば中間配当がもらえる、という意味ではありません。
分割後に新しく100株を買う人は、期末予想6,500円で考える
分割後100株を買い、期末配当の権利条件を満たす場合、今回の期末予想では65円×100株=税引前6,500円です。新しく買った100株に、中間325円を上乗せして計算しないでください。
比較用に年間650円を5で割った130円という分割後換算値を使う場合も、それは当期の配当を同じ株式単位にそろえた数字です。分割後に購入した株主が、当期に130円すべてを受け取れるという意味ではありません。
キーエンスが分割する理由と、過去の株式分割履歴

会社は今回、投資単位を引き下げて流動性と投資家層の拡大を目指すと説明しています。東証も投資単位50万円未満を望ましい水準として示し、高投資単位の会社に引き下げの検討を求めています。
ただし、東証の方針と、今回のキーエンスの決定理由は分けて読みます。また、5分割したから必ず50万円未満で100株を買える、という発表でもありません。必要資金は実際の株価によります。
| 発表日 | 基準日 | 効力発生日 | 分割比率 |
|---|---|---|---|
| 2016年12月5日 | 2017年1月20日 | 2017年1月21日 | 1株→2株 |
| 2019年10月31日 | 2019年11月20日 | 2019年11月21日 | 1株→2株 |
| 2026年10月29日 | 2026年11月20日 | 2026年11月21日 | 1株→5株(予定) |
表は近年の主要な分割を会社の発表資料で整理したもので、創業以来の全履歴ではありません。2019年の分割から、今回の効力発生日までは7年間です。古い記事の「分割は未発表」という記載と、今回の決定を混同しないようにしましょう。
NISAで持っている株や単元未満株はどうなる?

NISAで保有中なら、分割による増加分も同じ口座へ
楽天証券のNISA取引ルールでは、NISA口座で持つ株式が分割された場合、分割後の株数がNISA口座に反映され、非課税投資枠は変わらないとされています。5倍に増えた株数分を、新たに買い付けた金額として枠から差し引くわけではありません。
新規に購入する場合は、買い付ける金額に応じた成長投資枠の残りを確認します。国内個別株の配当をNISAで非課税にするには、株式数比例配分方式での受取が必要です。NISAでも値下がりのリスクはなくなりません。
出典 国税庁「NISA制度」
1株なら5株、20株なら100株になる
| 分割前の保有株数 | 1対5分割後の株数 | 100株単位で考えると |
|---|---|---|
| 1株 | 5株 | 単元未満株 |
| 10株 | 50株 | 単元未満株 |
| 20株 | 100株 | 1単元 |
| 100株 | 500株 | 5単元 |
単元未満株のまま残る場合は、売買できる時間、注文方式、手数料やスプレッド、分割時の取引制限を証券会社で確認します。通常の100株単位の注文と、同じ条件で売買できるとは限りません。
少額で買う仕組みの違いは、ミニ株・単元未満株の仕組みとコストの解説で確認できます。金額指定と1株単位の取引も分けて選びましょう。
1株からの購入を検討する場合の証券会社選び
楽天証券のかぶミニは、対象銘柄を1株から取引でき、NISA成長投資枠にも対応しています。取扱銘柄や注文方式は変更される場合があるため、キーエンス(6861)の対象状況を、取引前に最新の銘柄検索画面で確認してください。
同社の案内では、売買手数料とは別にリアルタイム取引に0.22%のスプレッドがあり、寄付取引にはスプレッドがかかりません。「手数料無料」だけで比較せず、価格の決まり方や必要な預り金も確認します。
出典 楽天証券「かぶミニ」
以下は証券口座のサービスを比較したい方向けの広告です。キーエンス株の値上がりや利益を保証するものではありません。
>楽天証券のNISA・国内株式サービスを公式サイトで確認する
株式分割で買い時になる?決算と価格を分けて判断

分割には購入金額を下げる効果がありますが、企業の売上や利益を分割そのもので増やす効果はありません。買い手が増える可能性だけでなく、すでに期待が株価へ織り込まれている可能性も考えます。
同時発表の2027年3月期中間決算は、売上高7,353億9,900万円(前年同期比34.9%増)、営業利益4,082億6,200万円(50.0%増)、親会社株主に帰属する中間純利益2,986億7,500万円(49.4%増)でした。営業利益率は、この公表数値から計算すると約55.5%です。
出典 キーエンス「2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信」
これは過去の中間期実績であり、今後の成長や株価上昇を保証するものではありません。利益率、設備投資需要、地域別の成長、為替、株価が織り込む期待などを、次の決算資料でも継続して見ます。
- 株価・EPS・配当を、分割前後どちらの単位で表示しているか。
- PERや配当利回りの分母・分子の時点がそろっているか。
- 買付額が、投資資産の中で一社に偏りすぎないか。
- 生活費や近い将来に使うお金を投じていないか。
- 分割後の値動きが期待と反対になった場合も保有方針を説明できるか。
株価の安さと割安さを分ける練習には、増益予想の割安株と理論株価の見方が役立ちます。数字の前提をそろえて比較してください。
購入前には、証券口座の不正アクセス対策と認証設定も確認しましょう。ニュースやメールのリンクからログインせず、普段使う公式アプリやブックマークから取引画面を開く習慣も大切です。
キーエンスの株式分割についてよくある質問

キーエンスの株式分割は決定しましたか?
2026年10月29日の取締役会で、普通株式1株を5株に分割することを決議しています。基準日は11月20日、効力発生日は11月21日です。
いつまでに買えば分割の対象になりますか?
通常の国内現物株の受渡日程では、11月18日が権利付き最終日と計算できます。証券会社の案内で注文・受渡し・反映の取扱いも確認してください。
100株持っていると何株になりますか?
1株につき5株の分割なので、100株は500株になります。ただし、株数が5倍になることだけで資産価値が5倍になるわけではありません。
分割後は100株をいくらで買えますか?
実際の株価によります。仮に分割前が8万円なら、分割後の理論株価は1万6,000円、100株は160万円です。現在の取引価格や将来価格を示す試算ではありません。
期末配当65円は、中間325円からの減配ですか?
株式単位が違います。中間325円は分割前1株、期末予想65円は分割後1株の金額です。期末65円は分割前換算325円で、年間予想は分割前換算650円です。
今から買っても中間配当325円をもらえますか?
中間配当の基準日は2026年9月20日です。支払開始が11月26日だからといって、支払日前に買っただけで対象になるわけではありません。
NISAで持つ株も5倍分の投資枠を使いますか?
株式分割自体で新たな買付枠を消費するわけではありません。NISAで保有する株は分割後の株数へ反映されます。新規購入は別途、成長投資枠の残りを確認します。
株式分割の発表後は必ず株価が上がりますか?
必ず上がるとは言えません。分割の期待、同時発表の決算、相場全体など複数の要因が影響します。分割そのものは企業利益や保有資産の価値を自動的に増やしません。
まとめ|1対5の分割と増配を、同じ株式単位で読む

キーエンスは2026年11月21日を効力発生日として、1株を5株に分割する予定です。100株は500株となり、分割だけを考えれば100株を買う資金は従来の5分の1になります。
配当は中間325円が分割前、期末予想65円が分割後です。分割前換算の年間予想650円と、これから買う人が受け取れる配当の範囲を分けて確認しましょう。
次にすることは、買いたい株数と予算を決め、証券会社の分割案内と最新の決算を確認することです。買いやすくなったという理由だけで、生活費や投資枠を使い切る必要はありません。








