金融

日銀1.25%利上げで住宅ローン変動金利はいつ上がる?反映時期と返済額を試算

※本記事はプローモーションが含まれています。

日本銀行は2026年9月18日の金融政策決定会合で、政策金利を1.0パーセント程度から1.25パーセント程度へ引き上げました。6月に続く利上げで、間隔はわずか3か月です。変動金利で住宅ローンを借りている人にとって気になるのは、次の3つでしょう。

  • 今回の利上げは、いつ自分の金利と返済に届くのか
  • 届いたとき、毎月の利息と返済額はいくら増えるのか
  • 政策金利はどこまで上がり、そのとき返済はどうなるのか

この記事では、日本銀行の公表文、大手銀行が発表した短期プライムレートと変動金利の見直し日程、住宅金融支援機構や国土交通省の調査を確認したうえで、4,000万円を35年で借りたモデルケースの返済を1か月ずつ計算しました。金利や日程は2026年9月23日時点で各機関が公表している内容です。


先に結論、3つの問いへの答え

問い答え根拠
いつ届くか三菱UFJ銀行の年2回型で借りている人は、2027年4月1日の基準日で反映され、2027年7月の返済分から新しい金利になる三菱UFJ銀行の見直し日程の公表
いくら増えるか残高1,000万円あたり、利息が月2,083円増える。4,000万円のモデルでは2027年7月の利息が47,191円になり、返済額102,076円の46.2パーセントを占める元利均等返済の計算
どこまで上がるか民間エコノミストの予測で最も多いのは、2027年12月末に1.75パーセント以上2.0パーセント未満。ただし上下に幅がある日本経済研究センターのESPフォーキャスト9月調査

ポイントは、利上げが決まっても返済額はすぐには変わらないことです。変わるのはまず金利で、それも銀行ごとの見直し日を待ってからになります。さらに元利均等返済なら、5年ルールによって返済額は据え置かれ、その内側で利息の割合だけが膨らんでいきます。以下、順に確認します。

2026年9月18日の日銀決定の中身

まず決定内容を公表文で確認します。日本銀行は無担保コールレート(オーバーナイト物)の誘導目標を1.25パーセント程度に変更し、翌営業日の9月24日から適用すると公表しました。9月19日から23日まで土日と祝休日が続くため、適用開始は24日です。

項目内容
政策金利(無担保コールレート翌日物)1.0パーセント程度から1.25パーセント程度へ
適用開始2026年9月24日
補完当座預金制度の適用利率1.25パーセント
基準貸付利率1.5パーセント
採決賛成7反対2
反対した委員の理由物価上昇率が2パーセントを下回るなか経済も強いとはいえない、経済と物価が大きく加速している状態にはない、という2つの意見
今後の方針経済と物価の情勢に応じて、引き続き政策金利を引き上げていく考え

日本銀行は利上げの理由として、中東情勢を受けた原油高、為替の円安、世界的なAI関連需要の拡大による企業物価の上昇を挙げ、これが消費者の段階にも波及し始めているとしています。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は足もとで1パーセント台後半ですが、基調的な物価上昇率が2パーセントの目標を超えて上振れていくリスクがあるという判断です。一方で、政策金利を変更した後も緩和的な金融環境は維持されるとも説明しています。

会合の位置づけや決定の読み方は、日銀の金融政策決定会合とは何かを整理した記事でも解説しています。

利上げは2024年3月から数えて6回目、間隔は94日に縮んだ

今回の利上げは、2024年3月のマイナス金利解除から数えて6回目です。決定日の間隔を日数で並べると、ペースの変化がはっきりします。

決定日政策金利前回からの日数
2024年3月19日0から0.1パーセント程度マイナス金利を解除
2024年7月31日0.25パーセント程度134日
2025年1月24日0.5パーセント程度177日
2025年12月19日0.75パーセント程度329日
2026年6月16日1.0パーセント程度179日
2026年9月18日1.25パーセント程度94日

これまでの間隔は134日から329日でしたが、今回は94日まで短くなりました。日本経済研究センターも9月18日の分析で、利上げ間隔が短縮し、ペースが加速したと整理しています。

政策金利から住宅ローンの適用金利までの伝わり方

変動金利の住宅ローンは、政策金利そのものに連動しているわけではありません。多くの大手銀行では、次の順番で金利が決まります。

  1. 日本銀行が政策金利を変える
  2. 銀行が短期プライムレート(信用力の高い企業に短期で貸すときの基準の金利)を改定する
  3. 短期プライムレートに連動して、住宅ローンの基準金利(店頭金利)が変わる
  4. 基準金利から契約ごとの優遇幅を差し引いたものが、実際に払う適用金利になる

ここで大事なのは、優遇幅は契約時に決まり、その後は基本的に変わらないことです。三菱UFJ銀行は、基準日の基準利率が前回の基準日から動いた幅と同じ幅で適用利率を変更すると公表しています。つまり既存の借り手にとっては、短期プライムレートの上げ幅がそのまま適用金利の上げ幅になります。

日本銀行が公表している主要行の短期プライムレート(最頻値)を、改定のもとになった政策金利と並べると、2024年9月以降は差がずっと1.375ポイントで保たれています。

短期プライムレートの実施時期短期プライムレート改定のもとになった政策金利
2024年8月まで1.475パーセントマイナス0.1パーセントから0.1パーセント程度
2024年9月2日1.625パーセント0.25パーセント程度1.375ポイント
2025年3月1.875パーセント0.5パーセント程度1.375ポイント
2026年2月2.125パーセント0.75パーセント程度1.375ポイント
2026年8月3日2.375パーセント1.0パーセント程度1.375ポイント
2026年11月2日(発表済み)2.625パーセント1.25パーセント程度1.375ポイント

三菱UFJ銀行とみずほ銀行は9月18日、短期プライムレートを2.375パーセントから2.625パーセントへ引き上げると発表しました。改定日はどちらも2026年11月2日です。2024年8月までの1.475パーセントと比べると、上げ幅は合計で1.15ポイントになります。

では、いま銀行の店頭ではどんな数字が出ているのか。2026年9月1日時点の公表値をまとめます。

銀行公表されている数字補足
三菱UFJ銀行短期プライムレート2.375パーセント(2026年8月3日から)11月2日から2.625パーセント
三菱UFJ銀行店頭表示金利 毎月型3.375パーセント、年2回型3.125パーセント金利引き下げを適用しない場合の利率
三井住友銀行短期プライムレート2.375パーセント(2026年8月3日から)、借入中の人向けページで変動金利型の店頭金利3.375パーセント9月23日時点のニュースリリース一覧に9月の利上げを受けた改定の発表は見当たらない
みずほ銀行新規借入の変動金利は年1.025パーセントから9月30日までの借入は2027年1月返済分から年1.275パーセントからになると注記

新規向けの広告でよく見る低い金利は、これから借りる人に大きな優遇幅を付けた数字です。すでに借りている人の金利は、契約時の適用金利に、その後の基準金利の上げ幅が積み上がった水準になります。


今回の利上げは、いつ返済に反映されるのか

ここが一番誤解されやすいところです。三菱UFJ銀行は、6月と9月それぞれの利上げを受けた見直し日程を公表しています。

利上げ金利の種類見直しの基準日新しい金利が反映される返済
6月の利上げ(短プラ2026年8月3日改定)毎月型2026年9月1日2026年11月の約定返済分から
6月の利上げ(短プラ2026年8月3日改定)年2回型2026年10月1日2027年1月の約定返済分から
9月の利上げ(短プラ2026年11月2日改定)毎月型2026年12月1日2027年2月の約定返済分から
9月の利上げ(短プラ2026年11月2日改定)年2回型2027年4月1日2027年7月の約定返済分から

年2回型は、毎年4月1日と10月1日を基準日として金利を見直すタイプです。2026年10月1日の基準日に反映されるのは、8月3日に実施済みの短期プライムレート改定、つまり6月の利上げ分です。9月の利上げを受けた改定は11月2日なので、10月1日には間に合いません。反映は次の2027年4月1日の基準日になり、返済に表れるのは2027年7月分からです。決定から実際の返済まで、10か月ほどかかる計算です。

毎月型は毎月1日を基準日とするタイプで、三菱UFJ銀行では2026年3月1日以降の新規借入がこの型です。こちらは12月1日の基準日で反映され、2027年2月の返済分から新しい金利になります。

みずほ銀行も年2回の見直しで、2026年9月30日までに借りた場合は2027年1月返済分から8月3日の短プラ改定を反映した金利が適用されると注記しています。三井住友銀行は、6月の利上げのときは6月23日に短期プライムレートの引き上げを発表し、8月3日に実施しました。9月の利上げを受けた発表は、9月23日時点では同行のニュースリリース一覧で確認できませんでした。

いずれの銀行でも、見直しの時期は契約した時期や商品によって異なります。自分のローンがどちらの型かは、銀行から届く「ご返済のお知らせ」や返済予定表で確認できます。

5年ルールと125パーセントルール、未払利息の仕組み

金利が上がっても、元利均等返済の変動金利なら、毎月の返済額はすぐには変わりません。多くの銀行が次のルールを採用しています。

ルール中身注意点
5年ルール返済額は5年ごとに見直し、金利が変わっても次の見直しまで返済額は変わらない元金と利息の内訳は変わる。10月1日を1回経過するごとに1年経過とみなす
125パーセントルール見直し後の返済額は、前回までの返済額の125パーセントを超えない上限で抑えた分が消えるわけではない
未払利息利息だけで返済額を超えた場合、超えた分は未払利息として翌月以降に繰り延べる元金が減らない状態になる
元金均等返済の場合5年ルールと125パーセントルールはない金利の見直しがそのまま返済額に反映される

みずほ銀行も、ルールが働く金利上昇時には未返済分が発生し、急な返済額の上昇は避けられる一方で、住宅ローン契約の終盤に返済が必要になると説明しています。ルールは家計の急変を和らげる仕組みであって、負担そのものを減らす仕組みではありません。

このルールがどこまで理解されているかについて、住宅金融支援機構の調査があります。2025年4月から9月に住宅ローンを借りた1,237人に2026年1月に聞いたもので、変動型と固定期間選択型の利用者1,112人の回答です。

項目十分に理解しているほぼ理解している理解に不安、理解していない、の合計
適用金利がどのようなルールで変わるか21.0パーセント36.2パーセント42.6パーセント
返済額がどのようなルールで変わるか(5年・125パーセントルールなど)17.0パーセント35.9パーセント47.2パーセント
返済額がどれくらい増えるか15.1パーセント32.8パーセント52.0パーセント
優遇金利の適用ルール14.6パーセント29.8パーセント55.6パーセント

同じ調査では、利用した金利タイプは変動型が75.0パーセントでした。国土交通省の民間住宅ローンの実態調査でも、2024年度の新規貸出額に占める変動金利型は83.5パーセント、2024年度末の貸出残高では70.8パーセントです。利上げの影響を受ける人は、住宅ローン利用者の多数派だということになります。

試算の前提、4,000万円・35年・当初0.4パーセントのモデル

ここからは、実際の公表ルールに沿ってモデルケースの返済を1か月ずつ計算します。前提は次のとおりです。

項目設定
借入額と期間4,000万円、35年(420回)、元利均等返済
借入時期2023年10月に借入、初回返済は2023年11月
当初の適用金利0.4パーセント(変動金利、年2回型)
金利の変わり方三菱UFJ銀行の年2回型のルールに、日銀が公表する短期プライムレートの改定を当てはめた
返済額の見直し単純化して61回目(2028年11月)と121回目(2033年11月)に再計算。上限は直前の返済額の1.25倍
端数毎月の利息と返済額は円未満を四捨五入
含めていないもの保証料、団体信用生命保険、繰上返済、住宅ローン控除

このモデルの適用金利は、短期プライムレートの上げ幅だけ上がります。1.475パーセントから2.625パーセントまでの1.15ポイントを当初の0.4パーセントに足すと、今回の利上げまで反映した後の適用金利は1.55パーセントです。モデルでは、見直しの基準日ごとに0.15ポイントと0.25ポイントずつ段階的に上がっていきます。

今回の利上げまでで、利息はここまで増える

返済額は102,076円のまま据え置かれ、その中身だけが変わっていきます。

返済月適用金利利息元金利息の割合
2023年11月(1回目)0.40パーセント13,333円88,743円13.1パーセント
2025年1月(15回目)0.55パーセント17,763円84,313円17.4パーセント
2025年7月(21回目)0.80パーセント25,499円76,577円25.0パーセント
2026年7月(33回目)1.05パーセント32,660円69,416円32.0パーセント
2027年1月(39回目)1.30パーセント39,984円62,092円39.2パーセント
2027年7月(45回目)1.55パーセント47,191円54,885円46.2パーセント

借りた当初は1割強だった利息の割合が、2027年7月には半分近くまで上がります。返済額は同じでも、元金の減り方は当初の6割程度に鈍ります。

9月の利上げの分だけを取り出すと、次のようになります。2027年7月の利息は、利上げがなかった場合(1.30パーセントのまま)の39,580円より7,611円多い47,191円です。2028年11月に返済額を見直すと、見直し後の返済額は123,887円で、利上げがなかった場合より4,656円高くなります。完済までの利息の総額では、今回の0.25ポイントだけで約168万円の差がつきます(金利がその後動かない前提)。

政策金利はどこまで上がるのか、見通しの材料

ここから先は予測の世界です。確定した数字ではないので、公表されている材料を並べておきます。

まず民間エコノミストの予測です。日本経済研究センターのESPフォーキャスト9月調査は、9月2日から9日に37名から回答を集めました。回答者37名全員が年内の利上げを予想し、そのうち34名が9月と答えていました。政策金利の見通しは次のとおりです。調査は利上げ前に行われています。

時点最も多い予測その回答数それより高い予測それより低い予測
2026年12月末1.25パーセント以上1.5パーセント未満35名中19名10名6名
2027年6月末1.75パーセント以上2.0パーセント未満35名中16名2名17名
2027年12月末1.75パーセント以上2.0パーセント未満34名中21名5名8名

前月の8月調査では、2027年6月末と12月末の最多は1.5パーセント以上1.75パーセント未満でした。1か月で予測の中心が一段上がったことになります。日本経済研究センターは9月18日の分析で、来年中盤までに1.75パーセントまで引き上げるとの見方がエコノミストの間で強まっていると指摘しています。

もう1つの材料が中立金利です。中立金利は、景気を温めも冷やしもしない金利の水準を指す考え方です。日本銀行は2026年3月の日銀レビューで、物価の影響を除いた実質の中立的な金利である自然利子率を6つのモデルで推計し、2025年7月から9月期時点でマイナス0.9パーセント程度からプラス0.5パーセント程度の範囲になったと公表しました。同レビューは、実務では自然利子率に予想物価上昇率や目標インフレ率を足した名目の値が議論されることが多いとしています。この範囲に2パーセントの物価目標を足すと、名目では1.1パーセント程度から2.5パーセント程度という計算になります。

ただし日本銀行自身が、推計値には相当なばらつきがあり、金融緩和の度合いは自然利子率との関係だけでなく、経済や物価、金融の情勢を点検して総合的に判断すると説明しています。上限の2.5パーセントまで上がると決まっているわけではありません。

これらを踏まえ、試算では4つのシナリオを置きました。モデルの借り手は、政策金利にほぼ0.3ポイントを足した水準が適用金利になります。

シナリオ政策金利の到達点モデルの適用金利の到達点置いた理由
A1.25パーセントで止まる1.55パーセント(2027年7月から)決定済みの利上げまで
B1.75パーセント2.05パーセント(2028年7月から)ESPフォーキャストで2027年末の最多予測
C2.25パーセント2.55パーセント(2029年7月から)2027年末に2.0パーセント以上を予想する回答がある
D2.5パーセント2.80パーセント(2030年1月から)自然利子率の推計から計算した中立金利の上限付近

シナリオBからDは、追加の利上げが半年ごとの見直しで0.25ポイントずつ反映されると仮定しました。実際の利上げの時期と幅はこれと異なる可能性があります。


シナリオ別、5年後と10年後の返済額と総利息

4,000万円のモデルで、返済額の見直し結果と完済までの利息を比べます。

シナリオ2028年11月の見直しで本来必要な返済額実際の返済額(125パーセント上限後)2033年11月の見直し後完済までの利息0.4パーセントのままとの差
0.4パーセントのまま102,076円102,076円102,076円287万円比較の基準
A(適用1.55パーセント)123,887円123,887円123,887円1,072万円785万円
B(適用2.05パーセント)133,049円127,595円134,517円1,414万円1,126万円
C(適用2.55パーセント)133,049円127,595円146,038円1,759万円1,472万円
D(適用2.80パーセント)133,049円127,595円151,741円1,930万円1,643万円

読み取れることは3つあります。

1つ目は、決定済みの利上げだけでも影響が大きいことです。シナリオAでも2028年11月から返済額は月21,811円増え、完済までの利息は0.4パーセントのままの場合より785万円増えます。

2つ目は、125パーセントルールが働くと負担が後ろにずれることです。シナリオBからDでは、2028年11月の見直しで本来必要な返済額133,049円が上限の127,595円に抑えられます。差の月5,454円は払わなくてよくなったのではなく、次の見直しに持ち越されます。シナリオCとDでは見直しの後も金利が上がるため、2033年11月の返済額は146,038円、151,741円まで上がります。

3つ目は、利息が元金を上回る時期が来ることです。シナリオBでは2028年1月に利息54,307円が元金47,769円を上回り、2028年7月には利息61,358円、元金40,718円と、返済額の60.1パーセントが利息になります。

なお、このモデルで利息だけで当初の返済額102,076円を超える、つまり未払利息が出るのは、2027年7月時点の残高約3,654万円に対して適用金利が3.35パーセントを超えたときです。4つのシナリオではいずれも未払利息は発生しません。

借入額別の早見表

同じ条件で借入額だけを変えた結果です。借入時期、当初金利、金利の推移はモデルと同じです。

借入額当初の返済額Aの見直し後BからDの見直し後利息の増加 A利息の増加 B利息の増加 C利息の増加 D
3,000万円76,557円92,915円95,696円589万円845万円1,104万円1,232万円
4,000万円102,076円123,887円127,595円785万円1,126万円1,472万円1,643万円
5,000万円127,595円154,859円159,493円981万円1,408万円1,840万円2,054万円

見直し後の返済額は2028年11月の値、利息の増加は0.4パーセントのまま完済した場合との比較です。借入額に比例して増えるので、手元のローンに近い行で目安をつかめます。

残高1,000万円あたりの利息の早見表

自分のローンに当てはめるなら、残高と適用金利から月の利息を出すのが一番簡単です。月の利息は、残高に年率を掛けて12で割れば求められます。

適用金利月の利息適用金利月の利息
0.40パーセント3,333円1.80パーセント15,000円
0.55パーセント4,583円2.05パーセント17,083円
0.80パーセント6,667円2.30パーセント19,167円
1.05パーセント8,750円2.55パーセント21,250円
1.30パーセント10,833円2.80パーセント23,333円
1.55パーセント12,917円

0.25ポイントの利上げは、残高1,000万円あたり月2,083円の利息増です。残高が3,500万円なら月7,000円強、年間で9万円弱になります。

家計の反対側、賃金と物価の動き

金利が上がる背景には物価と賃金の上昇があります。住宅ローンの負担だけでなく、収入の側の数字も確認しておきます。

指標数字出所
2026年春闘の賃上げ率(平均賃金方式、最終集計)5.01パーセント(3年連続で5パーセント台)連合
同、300人未満の中小組合4.69パーセント連合
2026年7月の現金給与総額(5人以上の事業所)436,401円、前年同月比4.7パーセント増厚生労働省 毎月勤労統計調査 速報
2026年7月の実質賃金前年同月比2.4パーセント増、7か月連続のプラス同上(持家の帰属家賃を除く総合で実質化)
消費者物価(除く生鮮食品)の前年比足もと1パーセント台後半日本銀行 9月18日の公表文

平均で見れば、賃金の伸びが物価の伸びを上回る状況が続いています。ただしこれは平均の話で、賃上げの幅は勤め先や業種によって大きく違います。自分の収入の見通しと、上の試算を並べて考えることが大切です。金利上昇が資産運用に与える影響は、政策金利の上昇とNISAの関係をまとめた記事で扱っています。

変動金利で借りている人が今できること

特定の金利タイプや商品を勧めるものではありませんが、公表資料から確認できる範囲で、手をつけやすい順に並べます。

  1. 「ご返済のお知らせ」や返済予定表で、金利の種類(毎月型か年2回型か)、現在の適用金利、残高、次の返済額見直しの時期を確認する
  2. 取引銀行の見直し日程の公表を確認し、今回の利上げがいつ反映されるかを把握する
  3. 残高1,000万円あたりの早見表を使い、0.25ポイントごとに月の利息がいくら増えるかを自分の残高で計算する
  4. 次の返済額見直しで、125パーセントの上限に届くかどうかを確かめる
  5. 繰上返済、固定金利への切り替え、家計の見直しなど、取れる手段とその費用を比べる

繰上返済の効果は、金利が高いほど大きくなります。残り31年(372回)の時点で100万円を返済額軽減型で繰上返済し、その後の金利が一定だった場合に減る利息の総額は次のとおりです。

適用金利減る利息の総額
1.55パーセント260,050円
2.05パーセント352,006円
2.55パーセント447,798円

ただし住宅ローン控除を受けている人は、控除との兼ね合いも見ておく必要があります。国税庁によると、2022年から2030年に入居した場合の控除額は、年末残高等に0.7パーセントを掛けた額が基本です(住宅の区分と入居年ごとに上限があり、対象外になる区分もあります)。

項目金額説明
住宅ローン控除70,000円年末残高等の0.7パーセント(借入限度額と控除限度額、所得税額などの範囲内)
適用金利1.55パーセントの利息155,000円残高が1年間変わらないとした概算

適用金利が0.7パーセントを下回っていたころは、控除額のほうが利息より大きくなることがありました。適用金利が1.55パーセントまで上がると、残高を減らすことで減る控除より、減る利息のほうが大きくなります。実際の控除額は所得税額や借入限度額で変わるので、判断は税務署や金融機関に確認したうえで行ってください。

固定金利への切り替えは、金利上昇のリスクをなくす代わりに、その時点の固定金利を受け入れる選択です。参考までに、住宅金融支援機構の全期間固定型であるフラット35の2026年9月の金利は、借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下で最も多いのが年3.460パーセントでした。三菱UFJ銀行では、金利タイプの変更手数料はインターネットなら無料、店頭窓口は11,000円と案内しています。長期金利の動きと固定金利の関係は、長期金利3パーセントの影響を試算した記事で詳しく扱っています。

よくある誤解と実際

よくある誤解実際
利上げの翌月から返済額が上がる元利均等返済なら5年ルールで返済額は5年間据え置き。先に変わるのは利息と元金の内訳
今回の利上げが10月の見直しで反映される三菱UFJ銀行の年2回型では、10月1日に反映されるのは6月の利上げ分。9月の利上げ分は2027年4月1日の基準日で反映され、2027年7月返済分から
新規向けの最優遇金利が自分にも適用される優遇幅は契約時に決まり、既存の借り手の適用金利は基準金利の変動幅と同じだけ動く
125パーセントルールがあるから負担は増えない上限で抑えた分は次の見直しや最終回に持ち越される
変動金利の人は全員同じ時期に金利が上がる銀行、金利の種類、借入時期によって見直しの時期が違う


よくある質問

日銀の今回の利上げは、いつから適用されますか

2026年9月18日に決定し、翌営業日の9月24日から政策金利が1.25パーセント程度になりました。ただし住宅ローンの金利は、銀行の短期プライムレート改定と、契約ごとの見直し日を経てから変わります。

変動金利はいつ上がりますか

銀行と金利の種類で違います。三菱UFJ銀行の場合、9月の利上げを受けた短期プライムレートの改定は2026年11月2日で、毎月型は2027年2月返済分から、年2回型は2027年7月返済分から新しい金利になると公表しています。

毎月の返済額はいつ変わりますか

元利均等返済の変動金利では、多くの銀行で返済額は5年ごとの見直しまで変わりません。見直しのときに、残高と残りの期間とその時点の金利から返済額を計算し直します。見直し後の返済額は直前の1.25倍が上限です。

今回の0.25ポイントの利上げで、利息はいくら増えますか

残高1,000万円あたり月2,083円です。モデルケースでは、2027年7月の利息が利上げがなかった場合より7,611円多くなり、完済までの利息は約168万円増えます。

自分のローンが毎月型か年2回型か、どう確かめますか

銀行から届く「ご返済のお知らせ」や返済予定表に金利の種類が書かれています。三菱UFJ銀行はウェブサイトで確認方法を案内しています。わからない場合は、借入先の銀行に問い合わせるのが確実です。

三井住友銀行で借りている場合はどうなりますか

2026年9月23日時点で、三井住友銀行のニュースリリース一覧に9月の利上げを受けた短期プライムレート改定の発表は見当たりませんでした。6月の利上げのときは6月23日に発表し、8月3日に実施しています。今後の発表と、借入中の人向けの金利ページを確認してください。

みずほ銀行で借りている場合はどうなりますか

みずほ銀行は9月18日に、短期プライムレートを2026年11月2日から2.625パーセントに改定すると発表しました。変動金利は年2回の見直しです。2026年9月30日までに借りた場合、2027年1月返済分から8月3日の改定を反映した金利になると注記しています。

政策金利はどこまで上がりますか

決まった答えはありません。ESPフォーキャスト9月調査で2027年12月末の予測として最も多かったのは1.75パーセント以上2.0パーセント未満(34名中21名)で、2.0パーセント以上を予想する回答も5名ありました。日本銀行は経済と物価の情勢に応じて引き続き利上げする考えを示していますが、時期と幅は明示していません。

中立金利とは何ですか

景気を温めも冷やしもしない金利の水準を指す考え方です。日本銀行は、物価の影響を除いた自然利子率をマイナス0.9パーセント程度からプラス0.5パーセント程度と推計しています。2パーセントの物価目標を足すと名目で1.1パーセント程度から2.5パーセント程度ですが、日本銀行は推計のばらつきが大きいと強調しています。

125パーセントルールで返済額が抑えられたら得になりますか

得にはなりません。抑えられた分の元金は減らずに残るので、次の見直しで返済額に上乗せされたり、最終回にまとめて返したりすることになります。その間も残った元金に利息がかかります。

未払利息はどんなときに発生しますか

毎月の利息が返済額を上回ったときです。モデルケースでは、2027年7月時点の残高約3,654万円に対して適用金利が3.35パーセントを超えると、利息だけで返済額102,076円を超えます。4つのシナリオではその水準に届きませんでした。

固定金利に切り替えたほうがいいですか

一概には言えません。固定金利は将来の上昇リスクをなくせる一方、切り替え時点の固定金利がいまの変動金利より高いことが多く、その後に金利が上がらなければ払う利息が増えます。残りの返済期間、家計の余裕、繰上返済の予定を踏まえて、金融機関の試算で比べてください。

繰上返済と住宅ローン控除は、どちらを優先すべきですか

控除額は年末残高等の0.7パーセントが基本なので、適用金利が0.7パーセントを大きく上回るほど、繰上返済で減る利息のほうが減る控除より大きくなります。ただし控除額は所得税額や借入限度額で変わるため、個別の判断は税務署や金融機関に確認してください。

これから住宅ローンを借りる人は、何に気をつければいいですか

借入時点の金利だけでなく、見直しの頻度と、何ポイント上がったら返済がどうなるかを確認することです。三菱UFJ銀行は2026年3月以降の新規借入を毎月1日が基準日の毎月型にしています。みずほ銀行のように、借入後すぐの見直しで金利が上がることを注記している銀行もあります。

預金の金利も上がりますか

上がる動きがあります。三菱UFJ銀行は9月18日、円普通預金の金利を2026年11月2日から0.40パーセントから0.50パーセントに引き上げると発表しました。銀行ごとの預金金利やポイント優遇の違いは、銀行の個人向け預金の競争をまとめた記事で比べています。

元金均等返済で借りている場合はどうなりますか

元金均等返済には5年ルールと125パーセントルールがありません。金利が見直されると、その分がそのまま返済額に反映されます。据え置き期間がない分、金利上昇の影響が早く家計に表れます。


まとめ

2026年9月18日の利上げで、政策金利は1.25パーセント程度になりました。三菱UFJ銀行とみずほ銀行は短期プライムレートを11月2日に2.625パーセントへ引き上げます。既存の変動金利への反映は、三菱UFJ銀行の年2回型なら2027年4月1日の基準日、返済では2027年7月分からです。

モデルケースでは、今回の利上げまでで適用金利が0.4パーセントから1.55パーセントに上がり、返済額102,076円の半分近くが利息になります。政策金利が1.75パーセントまで上がれば、2028年には利息が元金を上回ります。5年ルールと125パーセントルールは急な負担増を和らげますが、負担を減らすものではありません。

いまできるのは、自分のローンの金利の種類と見直し時期を確かめ、残高を使って0.25ポイントごとの利息の増え方を計算しておくことです。2025年12月の利上げ時点の変動金利の仕組みは、0.75パーセントへの利上げと変動金利の記事でも解説しています。本記事の試算は公表ルールに沿ったモデル計算で、実際の金利や返済額は契約内容によって異なります。個別の返済計画は借入先の金融機関に確認してください。

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