AIで作った動画でも、YouTubeで収益化することはできます。対象外になるのは、AIを使ったかどうかではなく、テンプレートで大量生産したように見える動画や、ほかの人のコンテンツをほとんど変えずに使った動画です。この記事では、YouTubeの公式ヘルプをもとに、収益化できるAI動画とできないAI動画の線引き、AIの使用を開示するルール、公開前の確認点をまとめました。以前の記事にあった「視聴維持率70%以上」などの目安は、公式の根拠がないため削除しています。2026年10月1日時点で押さえたいのは次の点です。
- 2025年7月15日、YouTubeは「繰り返しの多いコンテンツ」のポリシーの名前を「量産型のコンテンツ」に変えた。こうした動画は以前から収益化の対象外で、ルールが新しくできたわけではない
- 公式ヘルプは、AIを補助として使った独自性のある動画を収益化が許可される例に、独創性のないテンプレートで大量生産されたような印象を与えるAI生成コンテンツを許可されない例に挙げている
- 人間の専門家を装って、健康・法律・金融・政治の助言をするAIのペルソナは収益化できない
- 本物のように見えるAI生成の映像や音声は、YouTube Studioで開示が必要。開示しても、収益化の資格には影響しない
- 収益化の条件は、登録者1,000人と、直近12か月の総再生時間4,000時間、または直近90日のショート動画の視聴1,000万回
2025年7月の更新で変わったこと
YouTubeのチャンネル収益化ポリシーのページには、2025年7月15日の更新として、次の内容が書かれています。
- 「繰り返しの多いコンテンツ」のポリシーを少し更新し、大量生産されたコンテンツも当てはまることをはっきりさせた
- ポリシーの名前を「量産型のコンテンツ」に変えた
- こうしたコンテンツはこれまでも収益化の対象外だった
- 解説、クリップ、コンピレーション、リアクション動画などを審査する「再利用されたコンテンツ」のポリシーに変更はない
「AI動画は収益化できなくなった」という話が広がりましたが、公式の説明は、以前からのルールをわかりやすくしたというものです。
収益化できるAI動画とできないAI動画
| 区分 | 公式ヘルプが挙げている例 |
|---|---|
| 許可される | 自分で考えたキャラクターや物語を、AIを使って映像にしている |
| 許可される | 台本の編集や背景の映像の生成など、独自性があり、よく調べられた内容を伝えるための補助としてAIを使っている |
| 許可される | イントロとエンディングは同じだが、動画の大部分は違う |
| 許可されない | 独創性のないテンプレートで作られ、大量生産されたような印象を与えるAI生成コンテンツ |
| 許可されない | 説明や解説がほとんどない画像のスライドショー、テンプレート化されたストーリー、スクロールするテキスト |
| 許可されない | 関連のないAIの映像をつなぎ合わせ、視聴者を驚かせることだけを目的にした動画 |
| 許可されない | 有名人の死亡や災害が起きたと信じ込ませるような、誤解を招く映像 |
| 許可されない | ウェブサイトやニュースの文章など、自分で作っていない資料を読み上げただけの動画 |
共通する考え方は、動画ごとに中身が実質的に違い、視聴者にとっての価値があるかです。公式ヘルプは、自動化のツールやテンプレートを使う場合でも、最終的な動画は、作り手の考えを示し、教育や娯楽の価値を持つ必要があると説明しています。
審査で見られるところ
YouTubeの審査担当者は、すべての動画を見るわけではありません。公式ヘルプは、次の要素が重視されることがあると説明しています。
- チャンネルの主なテーマ
- 再生回数の多い動画
- 最新の動画
- 総再生時間の多くを占める動画
- タイトル、サムネイル、説明
- チャンネルの[概要]
ポリシーはチャンネル全体に適用されます。ルールに合わない動画が一部にあると、チャンネル全体の収益化が無効になることがあります。
再利用されたコンテンツ
ほかの人の動画や素材を使う場合は、「再利用されたコンテンツ」のポリシーが関わります。
- 許可される例 批評のためにクリップを使う、元の動画にコメントするリアクション動画、ほかの人の映像を編集してストーリーや解説を加える
- 許可されない例 番組の一部をまとめただけで説明がほとんどない動画、ほかのSNSから集めた短い動画、ダウンロードしただけで実質的な変更がない動画、速さや音程を変えただけの曲
公式ヘルプは、元の作り手から許可を得ていても、このポリシーが適用されることがあると説明しています。著作権の申し立てがなくても、収益化の対象外になることがあります。
専門家を装うAIのペルソナ
公式ヘルプには「デリケートなトピックに関連するAIペルソナ」という項目があります。健康、法律、金融、政治などについて、人間の専門家を装って助言するAI生成のペルソナを使うチャンネルは、収益化が許可されません。例として、次のものが挙げられています。
- 診断や健康法を伝えるAIの「医師」
- 投資のヒントや資産管理の助言をする、AI生成のポッドキャストのホスト
- 法的な助言や法律の解釈をするAIのペルソナ
お金や健康を扱うチャンネルでAIのアバターや音声を使う場合は、特に注意してください。
AIの使用を開示するルール
本物のように見える内容をAIで作ったり、大きく変えたりした場合は、YouTube Studioで開示します。
| 区分 | 例 |
|---|---|
| 開示が必要 | 実在の人物が、実際にはしていない発言や行動をしているように見せる |
| 開示が必要 | 実際の出来事や場所の映像を変える |
| 開示が必要 | 実際には起きていない場面を、本物のように見える形で生成する |
| 開示が必要 | AIで生成した音楽 |
| 開示が不要 | 明らかに現実ではない内容(空想の世界、アニメーションなど) |
| 開示が不要 | 色の調整、美顔フィルタ、背景のぼかしなどの軽い編集 |
| 開示が不要 | 台本、タイトル、サムネイル、字幕の作成などの制作の補助 |
| 開示が不要 | クローンした自分の声でのナレーションや吹き替え |
手順は、YouTube Studioで動画をアップロードするときに、[属性]の[AIの使用]で[はい]か[いいえ]を選びます。
- 開示しても、視聴者の制限や収益化の資格に影響はない
- 開示を繰り返し、意図的に怠ると、ラベルの手動での適用、コンテンツの削除、YouTubeパートナープログラムへの参加停止の可能性がある
- YouTubeのAIツールで作った動画などには、ラベルが自動でつくことがある
公開前の確認リスト
- この動画にしかない内容(自分の調査、経験、考え、構成)が入っているか
- 同じチャンネルの動画を続けて見たときに、繰り返しに感じないか
- 文章や映像を、ほかの人のものからそのまま持ってきていないか
- AIの音声やアバターが、専門家であるかのように助言していないか
- 本物のように見えるAIの映像や音声について、[AIの使用]で開示したか
- タイトルとサムネイルが、動画の内容と合っているか
収益化の条件
YouTubeパートナープログラムに申し込むには、次のどちらかを満たす必要があります。
- チャンネル登録者が1,000人以上で、直近12か月の公開動画の総再生時間が4,000時間以上
- チャンネル登録者が1,000人以上で、直近90日のショート動画の視聴回数が1,000万回以上
条件を満たしたあと、チャンネルがポリシーに合っているかの審査があります。公式ヘルプには、2027年2月1日からプログラムの更新を導入し、2027年1月31日までにYouTube Studioで最新の規約に同意するよう求める案内も出ています。
関連する記事
- 2026年の収益化停止の話題はYouTube収益化停止祭りの真相
- 広告のガイドラインの例はYouTube大食い動画の収益化停止はなぜ?
- 2025年8月時点の動きの記録は生成AIのルールの記録
- ショート動画の作り方はAIショート動画の収益化ロードマップ
- 編集に使うツールはAI動画編集ツールの比較
よくある質問
AIで作った動画は収益化できませんか
できます。公式ヘルプは、AIを補助として使った独自性のある動画を、収益化が許可される例に挙げています。対象外になるのは、テンプレートで大量生産したように見える動画などです。
AIの音声でナレーションを入れた動画は対象外ですか
AIの音声を使っているだけで対象外になるとは、公式ヘルプには書かれていません。動画ごとに内容が違い、独自の解説や価値があるかが見られます。
開示のラベルがつくと不利になりますか
公式ヘルプは、開示しても視聴者の制限や収益化の資格に影響しないと説明しています。
毎日投稿すると量産と見なされますか
投稿の数ではなく、動画ごとの違いと内容が見られます。同じ型の動画を大量に出して、見た人が繰り返しだと感じる状態は避けてください。
収益化が無効になったらどうすればよいですか
YouTube Studioの案内を確認し、ポリシーに合わない動画を見直してください。再申請の条件と時期は、YouTube Studioと公式ヘルプで確認できます。
まとめ
- AIを使った動画でも収益化できる。見られるのは、独自性と視聴者にとっての価値
- 2025年7月の更新は名前の変更と明確化で、量産型の動画は以前から対象外
- 専門家を装って助言するAIのペルソナは収益化できない
- 本物のように見えるAIの映像や音声は、YouTube Studioで開示する
出典はYouTubeヘルプ YouTubeのチャンネル収益化ポリシー、YouTubeヘルプ 生成AIコンテンツの使用に関する開示、YouTubeヘルプ YouTubeパートナープログラムの概要と利用資格です。




