この記事は、2025年8月3日に公開した「GoogleがAIを規制」という記事の記録です。当時のタイトルは強い表現でしたが、実際に起きたのは、YouTubeが収益化ポリシーの名称と説明を更新したことで、AIの利用そのものが禁止されたわけではありません。YouTube、EU、日本の公式情報で確認できた内容に直しました。2026年10月1日時点の内容です。
YouTubeの収益化の今の条件は、【2027年2月】YouTube収益化条件の変更と対策にまとめています。
2025年夏に起きたこと(公式に確認できたもの)
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2025年5月28日 | 日本でAI法(人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律)が成立。6月4日に一部施行、9月1日に全面施行 |
| 2025年7月15日 | YouTubeが、収益化ポリシーの「繰り返しの多いコンテンツ」を「量産型のコンテンツ」に名称変更。大量生産されたコンテンツも対象であることを明確にした |
| 2025年8月2日 | EUのAI Actのうち、汎用AIモデルについての義務とガバナンスのルールが適用開始 |
YouTubeのポリシー変更の中身
YouTubeのチャンネル収益化ポリシーによると、2025年7月15日の変更は「若干の更新」で、こうしたコンテンツは以前から収益化の対象外でした。
- 対象になるもの 独創性のないテンプレートで作られ、大量生産された印象を与えるコンテンツ(AI生成のものを含む)
- 許可されるもの 自分で考えたキャラクターや物語をAIで映像にする、台本の編集や背景の画像づくりにAIを使うなど、独自性のあるコンテンツを作るための補助としての利用
- 変更がないもの 解説、クリップ、コンピレーション、リアクション動画などを審査する「再利用されたコンテンツ」のポリシー
AIを使ったことの開示(YouTube)
YouTubeは、本物のように見えるコンテンツをAIで生成したり、大きく改変したりした場合に、開示を求めています。
| 開示が必要な例 | 開示が不要な例 |
|---|---|
| 実在の人物が、実際にはしていない発言や行動をしているように見せる | 現実ではないとわかる内容(空想の世界、アニメーションなど) |
| 実際の出来事や場所の映像を改変する | 色の調整、美顔フィルタ、背景のぼかしなどの軽い編集 |
| 実際には起きていない場面を、現実のように見える形で生成する | 台本、サムネイル、タイトル、字幕づくりなどの制作支援 |
| AIで生成した音楽 | 自分の声を複製して作ったナレーション |
開示は、YouTube Studioの「AIの使用」の設定で行います。設定すると、視聴者にラベルが表示されます。
日本のAI法
内閣府の概要資料によると、日本のAI法は、研究開発と活用を進めることを目的とした法律です。
- 内閣総理大臣を本部長とするAI戦略本部を置き、AI基本計画を定める
- 国は、情報の収集、権利や利益を侵害する事案の分析と対策の検討、事業者への指導、助言、情報提供を行う
- 事業者は、国などの施策に協力しなければならない
当時の記事は「ソフト規制」と紹介していました。概要資料に、事業者への罰則についての記載はありません。
EUのAI Act
欧州委員会の説明によると、AI Actは2024年8月1日に発効し、段階的に適用されています。
- 2025年2月2日 禁止されるAIの利用と、AIリテラシーの義務が適用開始
- 2025年8月2日 汎用AIモデルの提供者への義務(透明性、著作権など)とガバナンスのルールが適用開始
- 2026年8月2日 法律の大部分が適用開始
- 高リスクのAIシステムについてのルールの一部は、簡素化の合意により、2027年12月2日と2028年8月2日まで適用が延長された
当時の記事から直した点
- タイトルの「GoogleがAIを規制」を外した。YouTubeの変更は、収益化の対象外になるコンテンツの説明を明確にしたもの
- 「AIラベルをつけるとリーチが下がるか」についての推測を削除した。公式の説明は確認できなかった
- 米国の政策、ほかのSNSの対応、合成音声の「グレーゾーン」の解説は、公式の資料で確認していないため削除した
- 「AIプラットフォームとのレベニューシェア」「ライセンス販売」などの収益モデルの見通しを削除した
その後の動き
- 2025年9月1日 日本のAI法が全面施行
- 2026年8月2日 EUのAI Actの大部分が適用開始
- 2027年2月1日 YouTubeパートナープログラムの更新が予定されている
AIを使った動画づくりの注意点はYouTube収益化とAI動画のガイドライン、収益化が止まったときの確認点はYouTube収益化停止の真相と復活方法、YouTubeの2025年の変更は【2025年の記録】YouTubeの変化にまとめています。
よくある質問
AIで作った動画は、YouTubeで禁止されたのですか
禁止されていません。収益化の対象外になるのは、独創性のないテンプレートで大量に作られたコンテンツなどです。本物のように見える内容をAIで作った場合は、開示が必要です。
AIで台本を作っただけでも、開示は必要ですか
YouTubeのヘルプは、台本、サムネイル、タイトルなどの制作支援にAIを使った場合は、開示が不要な例として挙げています。
日本のAI法で、個人の発信者に罰則はありますか
内閣府の概要資料に、罰則についての記載はありません。著作権や肖像権、名誉毀損など、ほかの法律のルールは、AIを使った場合にも当てはまります。
出典はYouTubeヘルプ YouTubeのチャンネル収益化ポリシー、YouTubeヘルプ 生成AIコンテンツの使用に関する開示、内閣府 AI法の概要、欧州委員会 AI Actです。