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4%ルールは4.7%・5.5%に変わった?FIREの取り崩し率と日本で使う条件を解説

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「4%ルールが4.7%に変わったなら、FIREの目標額を減らせる?」「5.5%使っても大丈夫?」。取り崩し率の見直しという話を聞くと、引退後に使えるお金が増えるように感じます。しかし、率だけを置き換えると、資産配分や引退期間の違いを見落としてしまいます。

4%ルールの提唱者ウィリアム・ベンゲン氏は、研究の進展により4.7%へ発展したと説明しています。ただし、日本のFIREで誰もが4.7%や5.5%を使ってよいという保証ではありません。元の考え方も「初年度の引き出し額を決め、翌年から物価に合わせて金額を調整する」方法で、毎年の残高の4%を引く定率法とは異なります。

この記事では、本人の研究資料と2026年に公表された分析をもとに、取り崩し率の読み方を整理します。資産5,000万円の初年度の引き出し額、暴落が先に来る場合の違い、日本の税金・為替・年金まで、具体例で考えてみましょう。

4%ルールの見直しで押さえること

  • 4.7%は研究上の前提を持つ数字。FIREの全国共通基準ではない。
  • 初年度の率と、翌年以降の引き出し方法をセットで理解する。
  • 取り崩し率は利回りや配当利回りではなく、元本売却も含む。
  • 30年の計画を、40~50年の早期退職にそのまま当てはめない。
  • 日本では円での生活費、税金、社会保険料、年金開始時期も考える。
  • 使う楽しみと将来の備えを両立するため、年ごとの見直しルールを決める。


4%ルールは4.7%になった?ベンゲン氏の公式資料で確認

ベンゲン氏の公式の4%ルール解説は、研究が広がり、4.7%ルールへ発展したと説明しています。初期の研究は米国の投資収益と物価の過去データを使い、少なくとも30年間の資産の持続性を調べるものでした。将来の運用結果を保証する制度ではありません。

数字・資料確認できる内容そのまま読み替えないこと
4%ルール初期の研究から広まった取り崩しの目安年4%の運用益が必ず得られるという意味ではない
4.7%ルール資産配分などを拡張した研究の考え方どの投資商品でも同じ率を使えるわけではない
5.5%などの高い率資産配分・期間・市場条件・支出調整を確認して比較する対象すべての人に共通の安全率として扱わない

2025年9月の本人の研究レポート第1号では、著書で使った株式55%・債券40%・現金5%の配分を示したうえで、株式比率65%の配分も比較しています。4.7%という率だけを取り出して、株式100%のオルカンやS&P500投信にそのまま当てはめることはできません。

2026年3月31日の研究レポート第5号は、株式95%・米短期国債5%の配分を検証しています。この条件で最も低い取り崩し率は4.3%で、比較する株式65%の配分に適用される4.7%を下回りました。平均的な結果の改善と、厳しい局面への強さは同じではないと読めます。

率を上げたいから株式だけを増やす、という単純な変更には注意が必要です。どの期間や配分で、どのような支出を続けた結果なのかを、数値と一緒に見ましょう。

4%ルールの正しい計算|定額の実質維持と定率法の違い

理解の入口として、初年度の資産が5,000万円、取り崩し率を4%と仮定します。初年度の引き出し額は200万円です。翌年の物価上昇率を2%とする単純な例なら、次年は200万円×1.02=204万円を引き出します。翌年の資産残高へ改めて4%を掛ける方法とは違います。

方法初年度翌年の資産が4,000万円・物価上昇2%という仮定なら
初年度の額を物価調整する方法5,000万円×4%=200万円200万円×1.02=204万円
毎年の残高から4%を引く定率法5,000万円×4%=200万円4,000万円×4%=160万円

いずれも仕組みを示す仮の計算で、資産がこの通り動くという予測ではありません。前者は暮らしの購買力を保つことを目指す一方、相場下落時には残高に対する引き出し割合が高くなります。後者は残高に合わせて引き出し額が減りますが、生活費を大きく下げる必要が生じる場合があります。

取り崩しは、配当や利息に加えて資産の売却も組み合わせる考え方です。配当利回り4%の銘柄をそろえれば同じ計画が実現するわけではありません。値下がり、減配、税金なども、使える金額に影響します。

資産5,000万円なら、4%・4.7%・5.5%でいくら使える?

初年度の取り崩し率初年度の引き出し額12か月に均等換算
4.0%200万円約16万6,667円/月
4.7%235万円約19万5,833円/月
5.5%275万円約22万9,167円/月

上の表は、資産5,000万円へ各率を掛けた算数上の比較です。税金・手数料を差し引く前であり、持続可能性を検証したシミュレーションではありません。4%から5.5%へ上げると初年度の引き出し額は年75万円増えますが、その増額を将来も支えられるかは別に考える必要があります。

率の仮定年間300万円÷率の計算結果
4.0%7,500万円
4.7%約6,383万円
5.5%約5,455万円

この表も初年度の引き出し額から逆算しただけで、目標額に達すれば退職できるという判定ではありません。「4%なら年間必要額の25倍」という関係は、1÷0.04=25という計算です。取り崩しに充てる資産と、住宅・教育・医療など別に確保する資金も分けましょう。

5,000万円到達後に資産をどう管理するかは、資産5,000万円を超えた後の運用・税金・使い方で整理しています。残高の節目だけでなく、使う時期と目的で分けると、率の比較が家計の計画につながります。

30年と40年のFIREは違う|研究機関で数字が異なる理由

2026年9月に公開されたMorningstarの退職収入計画の解説では、2025年9月末の市場前提に基づく分析として、30年後に資産が残る確率90%を目標とした、実質支出を一定に保つ取り崩し率を3.9%としています。期間を35年に延ばすと3.5%になります。

同じ解説では、支出を柔軟に変える方法で初年度の率を最大5.7%に高められるケースも示しています。ただし、収入・支出の変動を受け入れることが条件です。ベンゲン氏の過去データの検証と、将来の市場前提を使う分析は、方法も成功の定義も異なります。

比較したい条件結果が変わる理由
30年・35年・40年以上長く取り崩すほど、長寿・相場・物価変動を多く経験する
過去データの検証と将来シミュレーション使う収益・物価の前提が異なる
毎年同じ実質額と柔軟な支出不況時に支出を減らせるかが違う
資産を残す目的使い切りを目指すか、相続資金も残したいかで計画が変わる

40代で仕事を辞める計画に、65歳からの30年間の考え方をそのまま使うと、期間の前提がそろいません。年金が入るまでの期間と、その後の不足額を分けて検討しましょう。

早期退職で必要な資金と働く収入の効果は、7,000万円でセミリタイアする場合の必要資産・収入の試算が参考になります。少し働く計画も、手取りと継続できる期間を条件として置くことが大切です。


退職直後の暴落が大きなリスクになる理由

取り崩しをしながら運用すると、同じ値動きでも順番で残高が変わります。これを収益率の順序に関するリスクと呼びます。仕組みを理解するため、初期資産1,000万円、各年の初めに40万円ずつ引き出す2年間の架空の例を見てみましょう。

ケース1年目の年末残高2年目の年末残高
A:最初に20%下落、次に25%上昇(1,000-40)×0.80=768万円(768-40)×1.25=910万円
B:最初に25%上昇、次に20%下落(1,000-40)×1.25=1,200万円(1,200-40)×0.80=928万円

税金・手数料・物価変動を除いた単純な例です。引き出しがなければ、0.8×1.25=1で両方とも元の残高に戻ります。しかし同額の引き出しを加えると、早く下落したAの残高が18万円少なくなります。平均的な利回りだけでは、取り崩しのリスクを捉えきれません。

給料がある積立期と違い、退職後は生活費のために売却が必要になる場合があります。現金などで備える期間、減らせる支出、年金や就労収入を合わせておくと、相場下落時に取れる選択肢を考えやすくなります。現金を増やす場合も、運用に回せる額や物価上昇の影響とのバランスが必要です。

日本で使う前に確認したい税金・為替・年金・社会保険

源泉徴収ありの特定口座で上場株式等を売却する場合、譲渡益に対する源泉徴収税率は、2026年は所得税・復興特別所得税15.315%と住民税5%の合計20.315%です。国税庁の特定口座制度で確認できます。

仮に200万円を売却し、そのうち利益が40万円なら、単純な源泉徴収額は40万円×20.315%=81,260円で、売却代金から差し引いた額は1,918,740円です。他の損失との通算や手数料などは省いた例で、200万円全体に20.315%を掛ける計算ではありません。

NISA内で非課税となる売却益は課税口座と扱いが異なりますが、値下がりや資金不足を防ぐものではありません。金融庁のNISA解説も確認し、複数口座の取得価額と売却予定を整理しましょう。

海外資産を円換算する評価額は、投資先の価格と為替の両方で変わります。ドル建て価格が20%下がり、1ドルの円価格も10%下がると仮定すると、1×0.8×0.9=0.72で、円換算では28%下落します。為替ヘッジのないドル建て資産の単純な例で、複数通貨を持つオルカンなどの実際の影響は組入内容でも異なります。

家計で確認したいのは、住居費や食費だけではありません。退職後の健康保険、年金の保険料、税金、医療・介護、住宅修繕なども、支払時期を含めて考えます。住民税など前年の所得に基づく負担があるため、退職した直後から支出がすぐ軽くなるとは限りません。

年金開始後は、生活費全額ではなく年金などで賄えない不足額が、取り崩し計画の出発点になります。具体例は貯蓄3,200万円・年金月18万円の家計と就労収入の試算で確認できます。年金は額面と手取り、本人分と世帯合計をそろえて比較しましょう。

使いすぎも使えなさすぎも防ぐ、年1回の見直し項目

将来が不安で必要以上に支出を抑えてしまうなら、率を一度に引き上げる前に、最低限の暮らしと楽しみの予算を分けてみましょう。旅行や趣味などを、必要な支出とは別に増減できる項目として見えるようにします。

見直す項目確認すること
生活の基本費用住居・食費・光熱費など、維持したい支出
増減できる予算旅行・趣味・買い替え等を、どの程度調整できるか
継続する収入年金・就労収入などの税引後金額と開始時期
資産配分と残高株・債券・現金、通貨、口座の偏り
今後の大きな支出医療・介護・住居・家族支援など
引き出しの変更条件物価・残高・家計の変化に応じ、増減を検討する時期

見直しは、株価が下がるたびに売買を繰り返すことではありません。年1回など決めた機会に、収入・支出・保有リスクを同じ表で確認する方法です。資産を使う目的や、自分で修正できる条件は、FIREに必要な生活設計と必要資産の考え方でも整理できます。

マネイロの「3分投資診断」は、公式案内によると、匿名・無料の質問形式で将来資金や投資の候補を整理するサービスです。その後に相談サービスへの案内もあります。個人のFIRE成功や取り崩し率を保証するものではありません。

利用する前に詳しく知りたい場合は、マネイロの診断内容と相談の流れも参考にしてください。将来の見込みは前提によって変わり、金融商品を検討する際は費用とリスクを確認します。

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FIREと4%ルールのよくある質問

4%ルールは4.7%に変更された?

ベンゲン氏は、研究の発展により4.7%ルールへ進んだと説明しています。ただし、資産配分などの条件を伴う研究上の数字で、日本のすべての家計に一律適用できる基準ではありません。

5.5%で取り崩しても大丈夫?

率だけでは判断できません。投資先、期間、物価、税金、支出を減らせる幅などが関係します。高い率を一律の安全率として使わず、条件別に比較しましょう。

毎年の残高から4%を引くのが4%ルール?

元の考え方は、初年度の資産に対する率で引き出し額を決め、その後は金額を物価に合わせて調整する方法です。毎年の残高に率を掛ける定率法とは異なります。

資産5,000万円の4%はいくら?

初年度は年間200万円です。12か月に均等換算すると約16万6,667円ですが、税金や費用を差し引く前の数字で、持続可能性の保証ではありません。

4%の配当利回りがあればFIREできる?

配当利回りと取り崩し率は別です。取り崩しは資産の売却も含む考え方で、配当には減配や株価下落、税金の影響もあります。

オルカン100%でも4.7%を使える?

ベンゲン氏の研究の資産配分と同じではありません。株式比率、通貨、投資期間、円での生活費を確認する必要があります。

40代のFIREに30年の研究を使える?

参考にはなりますが、40~50年の取り崩しへそのまま延長することはできません。年金開始前後の不足額や長寿への備えも分けて考えます。

退職直後の暴落が特に問題になる理由は?

資産が下がった時期に生活費を取り崩すと、その後の運用に残る資産が減ります。同じ収益率の組み合わせでも、順序で結果が変わるためです。

売却した金額すべてに約20%の税金がかかる?

通常の課税口座では、原則として利益部分に課税されます。NISAの非課税取引や損益通算などで扱いが異なります。

毎年の取り崩し額は変えてよい?

支出を柔軟に変える方法もあります。ただし、元の物価調整型とは別の戦略なので、減額した年でも暮らしを維持できるかを確認し、変更条件を決めておくことが大切です。


4%から数字を変える前に、使い方と変更条件を決める

4.7%などの研究は、退職後のお金をもっと上手に使うための参考になります。しかし、取り崩し率の引き上げだけでFIREが安全になるわけではありません。初年度の額、その後の調整方法、投資期間、税金や為替をそろえて考えましょう。

まず年間支出と年金などの収入を並べ、資産から補う額を具体的にします。資産5,000万円からの管理と使い方、自分で修正できるFIREの生活設計へ進むと、率だけの比較から実際の家計の計画へつなげやすくなります。

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出典・参考資料

この記事を書いた人
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