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年収の壁178万円とは?2026年分から所得税がかからない年収と、住民税・社会保険の壁との違い

2025年12月16日

「年収の壁178万円」は、2026年度の税制改正で実際に決まりました。2026年分と2027年分は、給与だけの人なら年収178万円まで所得税がかかりません。ただし、住民税や社会保険の壁は別に残っています。先に要点をまとめます。

  • 178万円は所得税がかからない年収の上限(基礎控除104万円+給与所得控除74万円)。2026年12月1日に施行され、2026年分から適用
  • 2026年の天引きは11月まで変わらず、12月の年末調整でまとめて精算。2027年1月からは毎月の天引きも下がる
  • 2028年分以後は特例が小さくなり、計算上は168万円(物価に合わせて2年ごとに見直す仕組みあり)
  • 住民税(基礎控除43万円のまま)と社会保険(106万円・130万円)の壁は178万円とは別

この記事は、財務省の「令和8年度税制改正の大綱」、国税庁の「令和8年4月源泉所得税の改正のあらまし」とタックスアンサー、日本年金機構・厚生労働省の案内を2026年9月29日時点で確認して書いています。

年末調整での手続きは2026年分の年末調整の変更点、家族の扶養は配偶者控除と配偶者特別控除の違いと高校生・大学生の子どもの扶養控除で解説しています。


178万円の内訳

所得税は「年収」ではなく「所得」にかかります。給与の場合、年収から給与所得控除を引いたものが所得で、そこから基礎控除などを引いた残りに税率をかけます。

項目2026・2027年分意味
給与所得控除(最低額)74万円給与収入から自動で引かれる
基礎控除(合計所得489万円以下)104万円誰でも受けられる控除(所得に応じて変わる)
合計178万円給与だけでほかに控除がない人は、ここまで所得税0円

社会保険料を払っている人は社会保険料控除もあるので、実際に所得税がかかり始める年収は178万円より高くなります。

年収178万円まで所得税がかからない仕組み

103万円から178万円までの流れ

年分基礎控除給与所得控除の最低額所得税がかからない年収
2024年分まで48万円55万円103万円
2025年分95万円(合計所得132万円以下)65万円160万円
2026・2027年分104万円(合計所得489万円以下)74万円178万円
2028年分以後99万円(合計所得132万円以下)69万円168万円

2028年分以後の数字は、今の法律のままの場合です。2026年度の改正で、基礎控除の本則(62万円)と給与所得控除の最低額は、2年ごとに消費者物価指数の変化を基に見直すことが基本とされました。物価が上がれば、2028年分以後の金額も上がる可能性があります。

出典は国税庁のタックスアンサーNo.1199 基礎控除と令和8年4月源泉所得税の改正のあらまし、財務省の令和8年度税制改正の大綱です。

恩恵を受ける人、受けにくい人

基礎控除の上乗せは所得によって違います。多くの会社員が減税になりますが、減り方には差があります。

本人の合計所得給与だけの年収の目安2025年分の基礎控除2026年分の基礎控除増える額
132万円以下206万円以下95万円104万円9万円
132万円超336万円以下206万円超475万円以下88万円104万円16万円
336万円超489万円以下475万円超665万円以下68万円104万円36万円
489万円超655万円以下665万円超850万円以下63万円67万円4万円
655万円超2,350万円以下850万円超2,545万円以下58万円62万円4万円

独身で社会保険料を年収の15%とした試算では、所得税は年収300万円で8,200円、500万円で27,600円、600万円で36,700円、700万円で8,200円下がります(復興特別所得税を含む)。年収475万〜665万円くらいの人が最も大きく下がり、年収が低く所得税をほとんど払っていない人は、減税の実感が小さくなります。

年収の壁178万円で得する人

いつから手取りに反映される?

時期何が起きるか
2026年1月〜11月毎月の天引きは改正前のまま
2026年12月年末調整で改正後の控除を使って1年分を計算し、払いすぎた分を精算(還付)
2027年1月〜改正後の源泉徴収税額表で、毎月の天引きが下がる
2027年6月〜2026年分の所得に対する住民税(2027年度分)が始まる。住民税の給与所得控除の最低額も74万円に

2026年11月30日までに最後の給与を受け取った人(年の途中で退職した人など)は、年末調整で改正後の控除が使われないため、確定申告で精算します。

住民税の壁は178万円より低い

住民税は所得税とは別の仕組みです。2026年度の改正で、住民税の給与所得控除の最低額は2027年度分と2028年度分が74万円(本則69万円に特例5万円)になりますが、住民税の基礎控除は43万円のままです。

税金基礎控除給与所得控除の最低額税率
所得税(2026年分)104万円(合計所得489万円以下)74万円5〜45%
住民税(2027年度分)43万円74万円一律10%程度(所得割)

このため、年収178万円以下でも住民税はかかることがあります。住民税がかからない年収の基準は、住んでいる市区町村や家族の人数で変わります。

社会保険の壁は別に残る(106万円・130万円)

手取りに大きく影響するのは、税金よりも社会保険です。

壁内容2026年9月時点の状況
106万円従業員51人以上の会社で週20時間以上働くなどの条件で、勤務先の厚生年金・健康保険に加入月額8.8万円(年収約106万円)の賃金要件は、2025年の年金制度改正法で2025年6月から3年以内に撤廃。会社の規模の要件も段階的に縮小・撤廃
130万円見込み年収130万円以上で、家族の健康保険・年金の扶養から外れる60歳以上は180万円、19〜22歳の子は150万円(2025年10月から)。2026年4月からは労働契約の内容で判定できる

社会保険料は年収のおよそ15%前後かかるため、扶養から外れると手取りが一時的に減ることがあります。一方で、勤務先の厚生年金に入れば将来の年金が増えます。基準は日本年金機構の案内と厚生労働省の「年収の壁」への対応で確認できます。

家族を扶養している人の壁も上がった

178万円の改正にあわせて、扶養する家族の年収の基準も上がりました(給与だけの場合)。

家族2025年分2026年分
配偶者控除・扶養控除の対象123万円以下136万円以下
配偶者特別控除の対象201万5,999円以下207万円以下
特定親族特別控除(19〜22歳の子)の対象188万円以下197万円以下

パートと副業を組み合わせる場合は、年収ではなく「所得」で判定します。詳しくは扶養内で副業するときの年収の壁にまとめています。

178万円を踏まえて考えたいこと

年収の壁178万円を踏まえて取るべき行動
  1. 所得税の壁(178万円)は、超えても超えた分に5%かかるだけで、手取りが逆転することはない
  2. 手取りが減りやすいのは、社会保険の扶養(130万円)を超えて国民年金・国民健康保険に自分で入るとき
  3. 勤務先の社会保険に入れるなら、保険料は会社と折半で、厚生年金も増える
  4. 家族の配偶者控除・扶養控除の基準(136万円)と、会社の配偶者手当の条件もあわせて確認する
  5. 2026年の12月の給与明細で、年末調整の還付額を確認する

よくある質問

年収の壁178万円はいつからですか

2026年12月1日に施行され、2026年分の所得税から適用されます。2026年に働いた分は、12月の年末調整で改正後の控除を使って精算されます。

178万円まで働けば税金はゼロですか

所得税は、給与だけでほかに控除がなければ178万円までかかりません。住民税は基礎控除が43万円のままなので、もっと低い年収からかかることがあります。

178万円はずっと続きますか

104万円の基礎控除と74万円の給与所得控除は2026年分と2027年分の特例です。今の法律のままなら、2028年分以後は99万円と69万円で168万円になります。ただし2年ごとに物価を基に見直す仕組みができたため、金額が変わる可能性があります。

年収500万円の会社員でも減税になりますか

なります。合計所得489万円以下(給与だけなら年収665万円くらいまで)は基礎控除が104万円です。独身で社会保険料を年収の15%とした試算では、年収500万円の所得税は2025年分より27,600円少なくなりました。

パートで年収150万円です。社会保険はどうなりますか

家族の扶養に入っている場合、見込み年収が130万円以上なので社会保険の扶養からは外れます。勤務先の社会保険に入るか、国民年金・国民健康保険に自分で入ります。所得税は178万円以下なのでかかりません。

年収の壁が上がって、配偶者控除はどう変わりましたか

配偶者控除を受けられる配偶者の年収は、給与だけなら123万円から136万円に上がりました。配偶者特別控除は207万円までです。

学生のアルバイトも178万円までは所得税がかかりませんか

給与だけなら、学生も178万円までは所得税がかかりません。ただし親の扶養控除は子の年収136万円まで(19〜22歳は197万円まで段階的に控除あり)、健康保険の扶養は130万円未満(19〜22歳は150万円未満)が基準です。


まとめ

  • 年収の壁178万円は、2026年分・2027年分の所得税の課税最低限。2026年12月の年末調整で反映される
  • 年収475万〜665万円くらいの人の減税額が大きい
  • 2028年分以後は計算上168万円(物価連動の見直しあり)
  • 住民税と社会保険(106万円・130万円)の壁は別に残る

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この記事を書いた人
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