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株や現金を生前贈与する方法|110万円・相続時精算課税・7年加算を解説【2026年】

※本記事はプローモーションが含まれています。

「子どもに現金や株を渡したいけれど、贈与税はどのくらいかかる?」「年110万円なら、将来の相続税もかからない?」

生前贈与を考えるときは、贈与した年の税金と、贈与者が亡くなったときの相続税を分けて確認することが大切です。贈与時に税額がゼロでも、将来の相続税の計算に含まれるケースがあります。

2024年から相続時精算課税に年110万円の基礎控除が加わり、選択肢は広がりました。一方、暦年課税の生前贈与加算は段階的に延長されています。この記事では、現金・上場株式を家族に渡す際の制度、計算例、手続きの注意点を整理します。

情報確認日・2026年10月4日。国税庁の公表情報に基づく一般的な解説です。国内の個人間贈与を中心に扱い、非居住者が関係する場合などは対象外とします。個別の税額や制度選択は、財産全体と家族構成を整理して税務署・税理士に確認してください。


現金や株の生前贈与は「何の税金がゼロか」を確かめる

個人から財産をもらうと、原則として贈与税の対象になります。課税方法には暦年課税と相続時精算課税があり、後者は一定の要件を満たす場合に選択できます。出典・国税庁「贈与税がかかる場合」

混同しやすいのは、次の3つです。

税金を確認する場面見るポイント
現金や株をもらったとき贈与税の基礎控除、特別控除、申告の要否
贈与者が亡くなったとき生前贈与分を相続税の計算に加えるか
もらった株を後で売ったとき取得費と売却代金との差から生じる譲渡所得

たとえば「贈与税がかからない」という説明だけでは、相続時や売却時の税負担までは分かりません。節税額を考える前に、どの時点の税金について説明されているのかを確認しましょう。

暦年課税の110万円は「もらう人1人につき、年間合計」

暦年課税では、その年の1月1日から12月31日までに受けた贈与の合計額から、110万円を差し引きます。この枠は贈与者ごとではなく、受贈者、つまりもらう人ごとの枠です。

たとえば同じ年に父から80万円、母から60万円をもらい、どちらも暦年課税なら合計140万円。110万円を差し引いた30万円が、他の特例を考慮しない場合の課税対象になります。

反対に、親が子2人へそれぞれ100万円ずつ贈与し、各人にほかの贈与がなければ、子ごとに110万円以下です。「渡す人の年間合計が110万円まで」という制度ではありません。出典・国税庁「複数の人から贈与を受けたとき」

現金と株を組み合わせる場合も同じです。現金だけで上限を判定せず、その年にもらった株などの税務上の評価額も合算します。

2026年の生前贈与加算は、まだ一律7年ではない

暦年課税で贈与税がかからなかった財産でも、相続税の計算に加算される場合があります。いわゆる「持ち戻し」「生前贈与加算」と呼ばれる仕組みです。

2026年12月31日までに始まる相続は、原則として相続開始前3年以内が加算対象期間です。2024年以後の贈与に関する改正を受け、次のように段階的に延びます。

相続開始日加算対象期間
2026年12月31日まで相続開始前3年以内
2027年1月1日〜2030年12月31日2024年1月1日から死亡の日まで
2031年1月1日以後相続開始前7年以内

対象期間内なら、年110万円以下だった贈与も加算対象になり得ます。また、延長された「相続開始前3年超」の部分には、期間全体で合計100万円を加算しない措置があります。毎年100万円ずつ差し引けるわけではありません。厳密には、この措置は2027年1月2日以後に相続が始まる場合の取扱いです。出典・国税庁「贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)」

なお、加算とは税額の計算に財産の価額を含めることです。贈与した現金や株を、実際に返してもらうという意味ではありません。

孫への贈与なら加算されない、とは限らない

暦年課税の加算は、原則として亡くなった人から相続・遺贈などで財産を取得した人が対象です。続柄だけで決まるわけではありません。孫でも遺言によって財産を受け取る場合などは、対象になり得ます。

死亡保険金にも注意が必要です。亡くなった人が保険料を負担していた死亡保険金は、相続税の対象になる場合があります。相続人以外が受け取る場合は遺贈とみなされるため、孫がその保険金を受け取る設計なら、生前贈与加算との関係も確認します。出典・国税庁「相続税の課税対象になる死亡保険金」

さらに、孫が相続時精算課税を使う場合には、その制度による相続時の精算が必要です。相続税額の2割加算に該当することもあり、代襲相続人となった孫などとは扱いが異なります。出典・国税庁「相続税額の2割加算」

家族への渡し方を考えるときは、贈与だけでなく、遺言と保険金の受取人も同じ一覧にして確認すると、見落としを減らせます。

相続時精算課税の110万円と2,500万円は役割が違う

相続時精算課税は、原則として、贈与年の1月1日時点で60歳以上の父母・祖父母などから、同日時点で18歳以上の直系卑属である推定相続人または孫への贈与で選べます。

重要なのは、一度選ぶと、その贈与者からの贈与について暦年課税へ戻せないことです。贈与者ごとに選択するため、父からの贈与に選んでも、母からの贈与に自動的に適用されるわけではありません。出典・国税庁「相続時精算課税の選択」

控除使い方相続時の基本的な扱い
年110万円の基礎控除2024年以後の贈与について、毎年適用この控除に相当する部分は加算しない
累計2,500万円の特別控除基礎控除後の金額に適用。贈与者ごとに残額を管理この控除を使った部分も原則として加算する

特別控除後にも残額があれば、贈与税率は一律20%です。2,500万円は毎年復活する枠ではありません。また、同じ年に複数の相続時精算課税の贈与者から受け取っても、基礎控除は受贈者1人につき合計110万円で、各贈与者の金額に応じて按分します。出典・国税庁「贈与税の計算(相続時精算課税の選択をした場合)」、複数の贈与者がいる場合の取扱い

計算例 2,610万円を贈与して税額ゼロでも、相続時の加算は残る

以下は制度の違いを理解するための仮定例です。2026年に適用要件を満たす親から子へ現金を贈与し、相続時精算課税を選択。特別控除は未使用で、その年にほかの相続時精算課税の贈与はなく、期限内に必要な届出・申告を行うものとします。

贈与額110万円控除後使用する特別控除贈与税相続時に加算する額
110万円0円0円0円0円
1,000万円890万円890万円0円890万円
2,610万円2,500万円2,500万円0円2,500万円
3,000万円2,890万円2,500万円78万円2,890万円

各行は独立した例です。3,000万円のケースは、(3,000万円−110万円−2,500万円)×20%=78万円となります。相続時には加算後の財産から相続税を計算し、すでに納めた相続時精算課税の贈与税を控除します。控除しきれない額は、相続税の申告により還付を受けられます。出典・国税庁「相続時精算課税の選択と相続税の申告義務」

このため、「2,610万円まで贈与税がゼロになり得る」ことと、「2,610万円を将来まで完全に非課税で渡せる」ことは同じではありません。


株を贈与するときは、評価額と取得費を別々に確認する

通常の上場株式の贈与では、原則として次の4つの価格のうち最も低いものを基に評価します。

  • 贈与により取得した日の最終価格
  • その月の毎日の最終価格の月平均額
  • 前月の毎日の最終価格の月平均額
  • 前々月の毎日の最終価格の月平均額

評価日に取引がない場合や権利落ちなどには調整があり、負担付贈与などは別の扱いです。非上場株式にも同じ方法をそのまま使うことはできません。出典・国税庁「上場株式の評価」

「購入時は100万円だったから110万円以内」とは限りません。銘柄、株数、贈与日、評価に使う価格を記録し、現金などの贈与額と合わせて確認しましょう。

贈与税を計算する評価額と、売却益を計算する取得費は別です。課税口座で保有されていた株を贈与された場合、原則として贈与者の取得費を引き継ぎます。

架空の例で、親の取得費が200万円、贈与時の評価額が500万円、子の売却額が600万円なら、手数料などを無視した譲渡益は600万円−200万円=400万円です。贈与時の500万円を、そのまま取得費にはできません。

NISA口座から贈与により払い出された株などは、取得費の取扱いが異なります。口座区分も確認し、購入履歴や移管資料を保管しておきましょう。出典・国税庁「譲渡した株式等の取得費」

値上がりする資産の贈与は有利?値下がりした場合も比べる

相続時精算課税では、相続時に加える財産の価額は原則として贈与時の価額を基にします。そのため、贈与後の値上がりが大きければ、相続まで保有した場合より相続税の課税価格を抑えられる可能性があります。

反対に、値下がりしても通常は贈与時の価額が基準です。将来必ず上がると決めつけて制度を選ぶと、期待と逆の結果になることがあります。

たとえば、2026年に税務上の評価額1,500万円の株式を贈与し、その年の基礎控除110万円を全額使えるなら、原則的な加算額は1,390万円です。その株が相続時に2,300万円に上がった場合だけでなく、900万円に下がった場合も考えておく必要があります。これは仕組みを示す仮定で、株価の予測や最終税額の試算ではありません。制度上の根拠・国税庁「相続時精算課税の選択」

また、贈与後は財産の所有者が変わります。値上がりの期待だけでなく、受贈者が保有を続けるのか、生活資金に使うのかも事前に話しておきましょう。

制度を選ぶ前に、相続財産全体と生活資金を確認する

相続税の基礎控除は3,000万円+600万円×法定相続人の数です。法定相続人が2人なら4,200万円になります。1人につき4,200万円ではなく、遺産全体に対する基礎控除です。

相続税がかかるかは、残る預金・株式・不動産だけでなく、加算する贈与財産や債務なども踏まえて判定します。養子がいる場合など、法定相続人の数え方に税法上のルールがある点にも注意しましょう。出典・国税庁「相続税がかかる場合」

相続税の負担がもともと生じない見込みなら、大きな贈与を急ぐことが税務上のメリットにつながるとは限りません。渡す側の住居費、医療・介護費、予備資金を確保したうえで、何のために、いつ必要なお金を渡すのかを決めることが先です。

贈与後も自分の生活資金を確保するための考え方は、資産5,000万円の運用・取り崩し・相続の設計も参考にしてください。

贈与の記録と申告はどう進める?

贈与は「あげる」「もらう」という双方の合意によるものです。贈与者・受贈者、日付、金額や株式の内容を記した契約書、振込記録、証券口座の移管記録などをそろえると、後から内容を確認しやすくなります。

口座名義だけを変えたり、家族に知らせずお金を積み立てたりする方法では、贈与の成立や実態を説明できるとは限りません。書面があれば必ず認められるという意味でもなく、合意と管理の実態が重要です。参考・国税庁「贈与税がかかる財産」

国税庁は、毎年契約して行う贈与と、初めから複数年にわたる給付を約束した場合を区別しています。後者では、定期金に関する権利の贈与として課税されることがあります。

単に振込日や金額を変えることを目的にせず、実際にどのような約束をしたのかを明確にしましょう。出典・国税庁「毎年、基礎控除額以下の贈与を受けた場合」

初めて選択する年は、110万円以下でも相続時精算課税選択届出書と必要書類の提出が必要です。2,500万円の特別控除を使うには、期限内の贈与税申告も必要になります。

通常の提出期間は贈与を受けた翌年2月1日から3月15日まで。2026年中の贈与なら、原則として2027年のこの期間に手続きします。戸籍の謄本など、年齢や続柄を確認する書類は、国税庁の最新案内で確認してください。出典・贈与税の申告・選択手続き、相続時精算課税選択届出書の添付書類

生前贈与を始める前の確認リスト

確認すること整理する情報
誰に、何を渡すか家族関係、年齢、現金・株式の内訳と評価額
過去の制度選択相続時精算課税を選んだ贈与者と特別控除の残額
その年の受贈額ほかの親族からの贈与も含めた合計
相続時の関係財産全体、法定相続人、遺言、死亡保険金の受取人
将来の資金渡す側の生活費と、受け取る側の使い道
実行後の手続き契約・送金・移管記録、届出と申告の期限

税理士に相談するときも、この情報がそろっていれば、「贈与する場合」と「相続まで保有する場合」を比較しやすくなります。


家族で財産や必要な手続きを共有する準備には、親が元気なうちに進めたい相続の準備も参考にしてください。

現金・株の生前贈与でよくある質問

Q. 年110万円以下なら、相続税も必ずかかりませんか?

暦年課税では、相続時の加算対象になる場合があります。相続時精算課税の2024年以後の基礎控除部分とは扱いが違います。

Q. 相続時精算課税の2,500万円は毎年使えますか?

毎年ではありません。その受贈者について、贈与者ごとに累計で管理する特別控除です。

Q. 父と母の両方に相続時精算課税を選べば、基礎控除は220万円ですか?

この制度の基礎控除は合計110万円で、両者の贈与額に応じて按分します。特別控除の管理とは異なります。

Q. 相続時精算課税は現金だけに使う制度ですか?

財産の種類による制限はありません。株式などにも使えますが、評価方法や値下がりの可能性を確認する必要があります。

Q. 生活費や学費も110万円に含めますか?

扶養義務者から通常必要な生活費・教育費を必要な都度受け取り、直接その費用に充てる場合は、贈与税がかからない取扱いがあります。ただし、教育費という名目でも、預金として残したり株を買ったりする資金は同じ扱いではありません。出典・国税庁「贈与税がかからない場合」

Q. 贈与税がゼロなら申告も不要ですか?

特別控除などを使ってゼロになる場合は、申告が必要なことがあります。相続時精算課税の初回届出と、各年の贈与税申告も分けて確認してください。


資産を残す方法は、家族全体の条件から選ぶ

現金や株を家族に渡すときは、年110万円の基礎控除だけで結論を出さず、相続時の加算、株の評価と取得費、申告手続きまで確認することが大切です。

まずは財産と贈与履歴の一覧を作り、渡す側の生活資金を確保しましょう。そのうえで暦年課税、相続時精算課税、相続まで保有する方法を比べることが、家族に合う資産承継の出発点になります。

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