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有給休暇のルールは2026年に変わる?給与計算・年5日義務・パートの条件を解説

「有給休暇のルールが変わる」「今までの計算方法では違法になる」。そんな情報を見ると、自分の給与や会社の運用が気になるかもしれません。

有給休暇を確認するときは、現在守るべき法律と、今後の見直しとして議論されている内容を分けることが重要です。2026年10月4日時点で確認した厚生労働省の現行案内では、年次有給休暇中の賃金には3つの計算方法が示されています。通常の賃金以外の方法を使っていることだけで、一律に違法とはいえません。

この記事では、有給休暇中の給与、年5日の取得義務、パート・アルバイトの付与条件、退職前の取得について、働く人と労務担当者が確認したい点を整理します。


2026年の有給休暇は何が変わる?現行制度と検討事項を区別

2026年7月14日の労働政策審議会労働条件分科会では、有給休暇取得時の賃金の算定方法について検討し、結論を得た後に必要な措置を講じる方針などが説明されています。シフト制労働者が年休を取得できない要因の把握や、所定労働時間数の扱いも論点です。出典・厚生労働省「第210回労働条件分科会議事録」

ただし、審議会で意見が出たことと、法律の改正・施行が完了したことは別です。「通常の賃金を原則とすべき」という意見を、そのまま「全国で通常賃金への統一が施行された」と読み替えることはできません。

項目現在確認できるルール誤解しやすい点
有給休暇中の給与通常の賃金・平均賃金・一定の労使協定による方法通常の賃金以外はすべて禁止、と断定しない
年5日の取得義務法定年休が年10日以上付与される人が対象2026年に初めて始まった制度ではない
時間単位年休労使協定により年5日以内上限緩和の議論と現行上限を混同しない
パートの年休勤務条件に応じて付与正社員だけの制度ではない

現行制度の出典・厚生労働省「年休取得日の賃金」、年次有給休暇取得促進特設サイト。制度変更の情報では、公布日・施行日・対象者まで確認しましょう。

有給休暇中の給料は、必ず普段と同じ金額になる?

厚生労働省は、年休取得日の賃金について、次の3つのいずれかの方法を示しています。

方法基本的な考え方確認する資料
通常の賃金所定労働時間働いた場合に支払われる賃金時給・日給・月給の定め、所定労働時間
平均賃金原則として算定事由発生前3か月間の賃金総額を総暦日数で割る給与明細、締切日、除外期間、最低保障
標準報酬月額の30分の1相当額健康保険の標準報酬月額に基づくこの方法を定めた書面の労使協定

就業規則などで方法をあらかじめ定める必要があり、その日の会社に有利な方法を都度選ぶという運用ではありません。標準報酬月額を使う方法には労使協定が必要です。出典・厚生労働省の賃金計算に関するQ&A

例えば、時給1,300円、対象日の所定労働時間が6時間で、通常の賃金によって支払う単純なケースなら、1日分は1,300円×6時間=7,800円です。手当などは省いた説明用の計算です。

シフトによって勤務時間が変わる人は、対象日の所定労働時間をどう定めているかが重要です。「いつもだいたい6時間」という記憶だけではなく、雇用契約書や確定したシフト、就業規則を照合してください。

平均賃金の基本計算の分母は、実際の出勤日数ではなく総暦日数です。ただし、日給・時給などで賃金が定められている場合には最低保障があり、一定の休業期間などを除外する取り扱いもあります。

したがって、平均賃金を使うから常に通常の賃金より一定割合だけ安くなる、とはいえません。「有給は一律6割」という説明も不正確です。計算期間、対象賃金、出勤日数、最低保障を確認する必要があります。出典・神奈川労働局「平均賃金について」

給与明細の金額が予想と違う場合は、まず「どの方法で、どの期間・時間数を使って計算したか」を確認すると、争点を整理しやすくなります。

年5日の有給休暇取得義務は、誰が対象?

2019年4月から、法定の年次有給休暇が年10日以上付与される労働者について、使用者は基準日から1年以内に5日を確実に取得させる必要があります。パートやアルバイトでも、この条件を満たせば対象です。出典・厚生労働省「労働者の方へ」

本人が請求して取得した日や、計画年休として取得した日があれば、その分は5日から差し引けます。すでに5日取得している人に、会社が追加で5日を指定する義務があるという意味ではありません。

例えば、対象者が自分で3日取得している場合、会社は残る2日をどう取得するか確認します。本人がさらに2日取得すれば足り、会社が時季を指定する場合は、本人の意見を聴き、尊重するよう努める必要があります。出典・厚生労働省「年次有給休暇の付与に関するルール」

半日単位で取得した年休は、年5日の取得義務に0.5日として数えられます。一方、時間単位で取得した年休は、その時間を合計しても年5日の取得義務から差し引けません。出典・厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得」、厚生労働省の年休活用に関する解説

時間単位年休の導入には書面の労使協定が必要で、現行の上限は年5日です。本人が1日単位で請求している年休を、会社が時間単位にするよう強制することもできません。出典・厚生労働省「時間単位の年次有給休暇」


パート・アルバイトにも有給休暇はある

年次有給休暇は雇用形態の名称だけで決まりません。原則として6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤するなどの要件を満たすと付与されます。

週5日以上または週30時間以上などの条件に当てはまる人は、一般の労働者の付与日数表が適用されます。週30時間未満で週の所定労働日数が少ない人などは、比例付与の対象です。出典・厚生労働省「パートタイム労働者の有休」

勤務条件の例勤続6か月時の付与日数注意点
一般の付与日数表が適用される人10日出勤率などの要件を満たす場合
週30時間未満・週4日7日比例付与の例
週30時間未満・週3日5日比例付与の例
週30時間未満・週2日3日比例付与の例
週30時間未満・週1日1日比例付与の例

表は週の所定労働日数が定まっている場合の代表例です。年間の所定労働日数で判断する場合や、勤続年数が増えた場合の日数は公式の付与表で確認してください。出典・厚生労働省の付与日数表

なお、扶養に入っているかどうかと、有給休暇が付与されるかどうかは別の判断です。収入面も確認したい方は、所得税の年収の壁と社会保険の壁の違いも参考にしてください。

「忙しいから取れない」「退職前だから使えない」は正しい?

年休は原則として労働者が請求した時季に与えるものです。一方、その日に取得すると事業の正常な運営を妨げる場合には、使用者が別の時季に変更できることがあります。

「忙しい」の一言で永久に取得できなくしてよいわけではありません。希望日、業務の状況、代替日の提示など、具体的な事情を確認します。出典・厚生労働省「労働条件・職場環境に関するルール」

厚生労働省は、退職間近の残存年休の取得について、退職によって年休権が消滅するため、使用者は時季変更権を行使できないと説明しています。退職前に残日数と所定労働日を確認し、最終出勤日・引継ぎ・退職日を早めに調整しましょう。出典・厚生労働省「年次有給休暇」

退職日以降に有給休暇を使い続けることはできません。また、有給休暇の給与と退職後の雇用保険などは別制度です。退職後の予定は、退職後にもらえるお金と手続きを期限順に整理した記事で確認できます。

年次有給休暇の消滅時効は2年です。賃金請求権の時効の見直しと混同しないようにしましょう。会社が法定を上回る取り扱いを設けている場合もあるため、残高だけでなく付与日と失効日を確認してください。出典・厚生労働省「年次有給休暇権の時効」

会社に確認するときは、4つの資料をそろえる

資料確認する項目
就業規則・賃金規程年休取得日の賃金計算方法、申請手順
雇用契約書・勤務表所定労働日数、所定労働時間、対象日のシフト
年休残高・取得記録付与日、付与日数、取得日、失効予定日
給与明細・申請履歴支払額、取得申請、会社の回答内容

給与の疑問なら「有給1日分は、どの規程のどの方法で計算していますか」、取得の疑問なら「希望日の取得が難しい理由と、代わりに取得できる日を教えてください」と、確認事項を絞ると話を進めやすくなります。

説明を受けても解決しない場合は、総合労働相談コーナーや労働基準監督署に相談できます。総合労働相談コーナーは無料・予約不要で、労働者だけでなく事業主の相談にも対応しています。出典・厚生労働省「総合労働相談コーナー」

長めに仕事を休むことを考えている場合は、有給休暇と休職・退職を分けて資金計画を立てましょう。キャリアブレイクに必要な貯金と健康保険・年金の試算も参考になります。


有給休暇のルールに関するよくある質問

平均賃金で計算している会社は違法ですか?

平均賃金は現行制度で認められる方法の一つです。ただし、就業規則の定めや実際の計算が適切かは別に確認する必要があります。

有給休暇は全員が年5日までしか取れませんか?

違います。年5日は一定の対象者に確実に取得させる最低限の義務であり、本人の付与日数の上限ではありません。

時間単位で40時間休めば、年5日の取得義務を満たしますか?

満たしません。時間単位年休は、年5日の取得義務から差し引けません。半日年休とは扱いが異なります。

パートなので有給休暇がないと言われました。

パートという理由だけで対象外にはなりません。勤続期間、出勤率、所定労働時間・日数を確認してください。

繰越分を使っても年5日の取得日数に入りますか?

前年度から繰り越した年休の取得でも対象になります。出典・厚生労働省「改正労働基準法に関するQ&A」

有給休暇の見直しはいつから適用されますか?

見直しのテーマごとに、法律・省令・通達などの確定した内容と適用日を確認する必要があります。審議会での議論だけを根拠に、施行日を決めつけないことが大切です。


有給休暇は、給与・日数・取得手続きを分けて確認しよう

有給休暇で確認するポイントは、取得日の給与がどう計算されるか、何日付与されるか、希望する時季にどう取得するかの3つです。制度改正の話題が出ても、まず現行ルールと自分の勤務条件を照合しましょう。

就業規則・給与明細・取得記録をそろえると、会社への確認や公的窓口への相談が具体的になります。働く人も労務担当者も、見出しの強い言葉だけで判断せず、公式資料と実際の運用を確認することが重要です。

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