暗号資産(仮想通貨)

暗号資産の暴落の歴史と備え|ビットコインの過去5回の下落率と暴落前にしておくこと

2025年5月19日

暗号資産は、短い期間で価格が半分以下になることがあります。ビットコインは、2017年、2021年、2025年の最高値のあと、それぞれ50%を超える下落を経験しました。この記事では、価格のデータで過去の下落の大きさを確認し、暴落の前にしておくこと、暴落が起きたときの動き方、税金の扱いをまとめました。以前の記事にあった「暴落のときに注目すべき有望な暗号資産」の章は、根拠を示せないため削除しています。2026年10月1日時点で押さえたいのは次の点です。

  • ビットコインは、過去に最高値から50〜83%の下落を5回経験している(2018年、2020年、2021年、2022年、2026年)
  • 直近では、2025年10月6日の終値の最高値12万4,753ドルから、2026年6月30日の5万8,559ドルまで約53%下がった
  • 備えの基本は、生活に必要なお金を入れない、買う時期を分ける、1つの銘柄や取引所に集中しない
  • 今の税金のルールでは、暗号資産の損失は、給与などほかの所得と相殺できず、翌年に繰り越すこともできない
  • 2026年7月に成立した改正法と税制改正で、分離課税(20%)と3年間の損失の繰り越しが導入される予定(改正法の施行の翌年から)


ビットコインの過去の大きな下落

Yahoo Financeの1日ごとの終値(米ドル)で、最高値とその後の安値を比べたものです。

時期最高値(日付)その後の安値(日付)下落率
2017〜2018年19,497ドル(2017年12月16日)3,237ドル(2018年12月15日)約83%
2020年3月10,326ドル(2020年2月12日)4,971ドル(2020年3月12日)約52%
2021年春〜夏63,503ドル(2021年4月13日)29,807ドル(2021年7月20日)約53%
2021〜2022年67,567ドル(2021年11月8日)15,787ドル(2022年11月21日)約77%
2025〜2026年124,753ドル(2025年10月6日)58,559ドル(2026年6月30日)約53%

2020年3月は1か月で半分になり、2018年と2022年は、およそ1年かけて大きく下がりました。下がる速さも、戻るまでの期間も、そのときによって違います。

2026年10月1日の終値は84,174ドルで、最高値より約33%低い水準です。

暴落が起きる理由

暗号資産の価格が大きく動く理由は、1つではありません。過去の下落の時期には、次のようなできごとがありました。

  • 取引所や関連する会社のトラブル 2018年1月には、日本の取引所コインチェックから暗号資産が不正に送金された
  • 世界の金融市場の急変 2020年3月は、株式など、ほかの資産も同じ時期に大きく下がった
  • 規制や政策の変化 各国の規制の方針が、価格に影響することがある
  • 借り入れを使った取引の清算 価格が下がると、借り入れを使った取引が強制的に決済され、下落が速くなることがある

暗号資産には、株式の業績のような、価格のよりどころになる数字が少なく、買いたい人と売りたい人のバランスで価格が決まります。そのため、悪い知らせが出たときの下落が大きくなりやすい性質があります。

取引所のトラブルの例はコインチェックの不正流出(2018年)から学ぶ対策で解説しています。

暴落の前にしておく6つの備え

備え内容
生活に必要なお金を入れない半分になっても生活に困らない金額にする
買う時期を分ける一度に買わず、何回かに分ける。積立を使う方法もある
1つに集中しない1つの銘柄、1つの取引所に、すべてを置かない
借り入れを使った取引をしないレバレッジをかけると、下落のときに強制的に決済されることがある
売る基準を先に決めるいくら下がったら売るか、売らないかを、落ち着いているときに決めておく
口座の安全対策をする二段階認証を設定し、パスワードを使い回さない

暴落が起きたときの動き方

  1. まず何もしない時間を作る あわてて売ると、あとで後悔しやすい
  2. 事前に決めた基準を確認する 基準に当てはまるなら、そのとおりに動く
  3. 情報の出どころを確かめる SNSのうわさではなく、取引所や公的機関の発表を見る
  4. 「今が買い時」という勧誘に注意する 下落のときは、詐欺的な勧誘も増える
  5. 生活費に手をつけない 下がったからといって、生活のお金を追加で入れない

税金の扱い

今のルール

国税庁によると、暗号資産の取引で得た利益は、原則として雑所得に区分され、確定申告が必要になります。

  • 雑所得の損失は、給与所得など、ほかの種類の所得から差し引くことができない
  • 損失を、翌年以降に繰り越すこともできない
  • 同じ年の中で、ほかの暗号資産の取引の利益と損失は、通算できる
  • 給与を1か所から受けている人は、給与以外の所得の合計が20万円を超えると、確定申告が必要

暴落で損失が出ても、その年のほかの暗号資産の利益と合わせる以外に、税金の面での使い道はありません。

これからの変更

令和8年度の税制改正の大綱(2025年12月26日に閣議決定)では、金融商品取引法の改正を前提に、次の内容が示されました。

  • 登録を受けた業者が取り扱う暗号資産の取引の利益を、分離課税(20%)にする
  • 損失は、3年間の繰り越しを認める
  • 適用は、金融商品取引法の改正法が施行された年の翌年の1月1日以後の取引から

金融商品取引法の改正法は、2026年7月15日に成立しました。暗号資産に関する部分は、公布から1年以内に施行されます。新しいルールが始まるまでは、今のルールで申告します。

制度の変化

2026年7月に成立した改正法では、暗号資産の規制が、資金決済法から金融商品取引法へ移ります。金融庁の資料によると、主な内容は次のとおりです。

  • 暗号資産を取り扱う業者に、暗号資産の情報をあらかじめ公表することを求める
  • インサイダー取引の規制を新しく設ける
  • 不正な流出が起きたときの補償にあてるため、業者に責任準備金の積み立てを求める
  • 無登録の業者への対応を強める

ルールが整っても、価格が下がらなくなるわけではありません。

関連する記事

取引所のビットポイントについては、こちらの記事をご覧ください。

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よくある質問

暗号資産は、どのくらい下がることがありますか

ビットコインは、過去に最高値から約83%下がったことがあります(2017年12月から2018年12月)。50%を超える下落は、5回ありました。

暴落のあと、価格は戻りますか

過去の下落のあと、ビットコインは最高値を更新してきました。ただし、これからも同じとはかぎりません。ほかの暗号資産には、戻らなかったものもあります。

暴落したら、買い増したほうがよいですか

この記事では、買い時を示していません。買う場合も、生活に必要なお金を使わず、時期を分けてください。

損失は、確定申告で取り戻せますか

今のルールでは、暗号資産の損失を、給与などほかの所得から差し引くことも、翌年に繰り越すこともできません。

分離課税はいつから始まりますか

金融商品取引法の改正法が施行された年の、翌年の1月1日以後の取引からです。改正法は、公布から1年以内に施行されます。


まとめ

  • ビットコインは、最高値から50〜83%の下落を5回経験している
  • 直近では、2025年10月の最高値から、2026年6月に約53%下がった
  • 備えは、金額を抑える、時期を分ける、集中しない、借り入れを使わない
  • 今の税金のルールでは、損失をほかの所得と相殺できず、繰り越しもできない

出典はYahoo Finance Bitcoin USD 過去の価格、国税庁 暗号資産等に関する税務上の取扱い及び計算書について、国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人、金融庁 令和8年度税制改正について、金融庁 金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案 説明資料、金融庁 国会提出法案等です。

この記事を書いた人
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